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オブザーバーとは? 意味や言い換え表現・必要性を解説

Sai

「オブザーバー」の意味を、正確に理解できていますか? なじみの薄いカタカナ語のため、あいまいな使い方をしている人は少なくないでしょう。今回はビジネス系ライターのSaiさんに、意味や正しい使い方、類語や対義語などを解説してもらいます。

会議や研修などでよく使われる「オブザーバー」という言葉。ビジネスシーンだけでなくニュースなどで見聞きする人も多いかもしれませんが、正しく理解できているでしょうか?

今回は、「オブザーバー」の場面別の意味やビジネスシーンにおける使い方を解説。また、類語との意味の違いや対義語など、言葉をより深く理解するためのポイントも併せてお伝えします。

オブザーバーとは?

まずは、「オブザーバー」という言葉の語源や意味を確認してみましょう。

言葉の語源

「オブザーバー」は、「第三者」や「観察者」「立会人」という意味の英単語「observer」を語源とするカタカナ語です。

「observer」は、「観察する」「監視する」という意味の動詞「observe」に「動作をする人」を意味する「er」を付けた名詞で、「a close observer(注意深い観察者)」のように形容詞の後に続く形で使われることが多いです。

言葉の意味

さまざまな意味を持つ英単語「observer」ですが、カタカナ語「オブザーバー」は「傍観者」や「立会人」の意味で頻繁に使用されています。

例えば、会議などで投票権や議決権などは持っていないものの、参加者を観察したり傍聴したりする人のことを「オブザーバー」と呼びます。

場面や分野によって多少意味合いが異なる

主に「傍観者」や「立会人」という意味で使用される「オブザーバー」ですが、使われる場面や分野によって多少意味合いが異なります。

誤用を避けるためにも、それぞれのシーンにおける意味を詳しく確認しておきましょう。

ビジネスシーンでは「傍聴者」「監視者」

ビジネスシーンにおける「オブザーバー」は、主に会議や研修などの場面で「傍聴者」や「監視者」を意味する言葉として使用されています。

例えば、会議などがスムーズに行われるように参加させた第三者や、研修などを客観的に観察する目的で参加している人などを「オブザーバー」と呼び、多くの場合発言権は持たず進行を観察する役割を担います。

国連では「正式加盟していない国が会議に参加すること」

「オブザーバー」は国連においても頻繁に使用される言葉で、「国連に正式加盟していない国・機構が、国連の会議や討議に参加すること」を表しています。

例えば、バチカン市国などが国連総会などへの出席を認められた国として知られており、参加中は発言や提案も認められている点が特徴です。

また、国だけではなく政府間機構なども国連の監視団として参加を容認されており、パレスチナ解放機構(PLO)などが代表的なオブザーバー参加団体となっています。

ゴルフでは「審判員を補佐する人」

会議や国連などのフォーマルな場で頻繁に使用される「オブザーバー」ですが、実はゴルフにおいても使われている言葉です。

この場合は「審判員を補佐する人」の意味を持っており、競技の判定が難しい場合に手助けをしたり、プレーヤーのルール違反を審査員に報告したりする役割を担っています。

日本の競技大会では「オブザーバー」が選任されない場合もある一方で、企業のコンペなどでは社員が「オブザーバー」として選任されることもあります。

オブザーバーの使い方(例文付き)

さまざまな場面や分野で使用される「オブザーバー」という言葉。

ビジネスシーンで使う場合は、「オブザーバーとして出席する」のように名詞単体で使うパターンと、「オブザーバー参加」のように他の名詞と組み合わせて熟語的に使用するパターンの2種類に分けられます。

正しく使用するためにも、例文で詳しく確認しておきましょう。

《例文》

オブザーバーとして部長が会議に参加される。

オブザーバー参加を受け入れることで、緊張感を持って会議を進められるだろう。

・今回の研修にはオブザーバーの出席者が多いため、新入社員はプレッシャーを感じるかもしれない。

・社長がオブザーバーについたおかげで、参加者が自分の発言に責任を持つようになった。

オブザーバーの言い換え表現&意味の違い

言葉の意味をより深く理解したり使い方のポイントを把握したりするためには、言い換え表現を知ることが非常に効果的です。

「オブザーバー」にも似たような意味を持つ類語がいくつかあるので、それぞれの意味や「オブザーバー」との使い分けの仕方などを確認しておきましょう。

「アドバイザー」

「助言者」や「忠告者」という意味を持つ「アドバイザー」という言葉。

「オブザーバー」と同じく会議や研修などでよく使われる言葉のため、意味を混同しがちな人は多いでしょう。

しかし、「アドバイザー」は会議の参加者たちから積極的な助言や忠告を求められるため、傍観者である「オブザーバー」とは役割が明確に異なっています。

会議などに介入できるかどうか、また進行に関与する意見が言えるかどうかという点に着目すると、2つの言葉の違いが分かりやすくなるでしょう。

「コメンテーター」

「解説者」という意味合いの「コメンテーター」も「オブザーバー」と間違えやすい単語ですが、2つの言葉が使われるシーンやそれぞれのニュアンスを理解すると、その違いがよく分かります。

「コメンテーター」は基本的にニュースやワイドショーなどで解説をする人のことを指しており、「オブザーバー」のように会議等で使われることはあまりありません。

また、「オブザーバー」があくまでその場の傍観者である一方、解説者である「コメンテーター」は発言が多くなることが予想されます。

一度意味を把握してしまえば使い分けしやすい言葉なので、この機会にしっかり理解しておきましょう。

オブザーバーの対義語

「オブザーバー」の意味を正しく把握するためには、対照的な意味を持つ言葉を確認しておくことも有効な方法となります。

ここからは「オブザーバー」の代表的な対義語を紹介しますので、言葉が持つニュアンスをしっかり理解していきましょう。

「レギュラー」

「レギュラー」には、「通例のもの」「正式なもの」という意味があります。

「レギュラーメンバー」とか「レギュラーメニュー」などの日常生活でよく聞く熟語を思い浮かべると、「オブザーバー」と対極の意味を持つことを理解しやすくなります。

「レギュラー」は、会議などにおいては「決議権のある正式な参加者」を意味しており、傍観者や立会人を意味する「オブザーバー」とは正に対の意味となる言葉です。

ビジネスシーンにおいても「レギュラーの意見をもとに判断する」などの使い方をすることがよくあるため、「オブザーバー」の対義語として覚えておくようにしましょう。

オブザーバーの必要性やメリット

会議や研修などで頻繁に登場することが予想される「オブザーバー」。実は、ビジネスシーンにおいてさまざまな役割を持つ存在であるといわれています。

最後に、その代表的な役割を1つずつ確認してみましょう。

(1)客観的な視点で会議を公平に進めること

まず挙げられるのが、「主観に左右されず会議等を公平に進める」という役割です。

社内会議やプレゼンなどでは、ポジションや私的な感情などから特定の参加者に肩入れする人も少なくありません。

しかし、第三者である「オブザーバー」が入ることで参加者は客観的な視点で観察されている意識を持つため、話し合いが一方的に終わるような流れを防ぐことができると考えられます。

(2)議論の内容を充実させること

次に着目したいのが、「議論をより充実させる役割を担っている」という点です。

基本的には発言権を持たず傍観している「オブザーバー」ですが、専門家を「オブザーバー」として呼ぶ場合は、会議の進行を妨げない範囲で知識や情報を提供することも少なくありません。

例えば、新規プロジェクトに携わる場合などにその分野に詳しい人を「オブザーバー」として配置すると、必要に応じて専門的な知識を得られるため、内容が濃い議論ができると予想されます。

意味や場面別の使い方を理解して正確に使おう

会議や研修などでよく見聞きする「オブザーバー」という言葉。ビジネスシーンだけでなくニュースなどでもよく使われる言葉ですが、あいまいな使い方をしている人は多いでしょう。

しかし、「オブザーバー」の場面別の意味や類語との違いなどを一度把握してしまえば、状況や場面に応じて正確に「オブザーバー」を使用できるようになります。

ビジネスシーンにおける使い方や「オブザーバー」の役割なども併せて理解しておき、自信を持って使えるようになりましょう。

(Sai)

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【ビジネス用語】「ベンチマーク」とは? 意味と使い方を解説

※画像はイメージです

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