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考察とは? 単語の意味&書き方のポイントを分かりやすく解説

上色ゆるり

考察を文章にする時、書き方に困ったことはありませんか? そもそも「考察」とはどういうことを意味するのでしょうか。そこで今回は、ビジネスノウハウについて多数執筆してきたライターの上色ゆるりさんに、考察の意味や書き方を教えてもらいました。

アニメやドラマ、歴史の考察など、インターネットや本である事柄について考察した文章をよく見かけますよね。

また、仕事のプレゼンのため、レポートを作成するために、自分自身が考察する立場になることもあるでしょう。

しかしいざ考察するとなると、どのように書けば良いのか分からなくなるという人も多いはず。

そこで今回は、考察の書き方について解説します。

また、「考察」の単語の意味や似ている単語との違いなども紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

「考察」とは? 意味や類語を改めて確認

「考察」とは、そもそもどういう意味なのでしょうか。まずは言葉の意味から確認していきましょう。

「考察」は「物事を明らかにするためによく調べ考えること」

考察とは、物事を明らかにするために突き詰めて調べたり、考えたりすることを意味します。

考察の目的は、ある問題を解決するため、曖昧な事柄をはっきりさせて答えを出すためなど、時と場合によってさまざまです。

ビジネスで考察するシーンには、以下のような例があります。

・会社の業績を上げるためはどうすれば良いか考察する

・ライバル社が好調なのはなぜなのか考察する

・社内で頻繁に発生するトラブルを解決するため考察する

ビジネス以外の場面では、ドラマや映画の考察をSNS上で展開し合うなど、コミュニケーションを楽しむために行われることが多いです。

しかしビジネスでは、「業績を上げる」「トラブルを解決する」など、明確な目的があって考察する場合がほとんどです。

「結論」「感想」との違いを解説

「結論」や「感想」は、「考察」と似たようなシーンで使うことが多く、混同して覚えてしまいがち。しかし、それぞれには違いがあります。

ここでは、「結論」や「感想」が「考察」とどう違うのか解説していきます。

「結論」と「考察」の違い

「結論」とは、物事を分析し、考え抜いた末に導き出した判断や意見のこと。

「考察」は、ある事柄について考えたり調べたりするその過程を指し、「結論」は、考察によって導き出された答えを指します。

つまり、結論を出すためには考察が必要である、といえます。

「感想」と「考察」の違い

「感想」とは、物事に接っして心に思ったこと、感じたことを意味する言葉。

「感想」には感情的な要素が含まれるのに対し、「考察」には含まれません。

一方で、「考察」には調べたり、分析したりするなどの行動を意味しますが、「感情」にはそのような行動は含まれず、心に浮かんだことのみを指します。

感情に基づく感想は、人によって違いがあるので、根拠として不十分となることも。そのためビジネスにおいては、考察を取り入れる方が適しているといえるでしょう。

考察の書き方と注意すべきポイント

プレゼンの資料を作る時や会議のためのレポート作成など、ビジネスでは考察をまとめて書き起こす機会が多くあります。

プライベートであれば自由ですが、仕事として考察を書くのであれば、適当にやるわけにはいきません。とはいえ、どのように書けば良いのか分からない人もいるでしょう。

そこでここからは、考察の基本となる書き方、書く時の注意点を紹介していきます。

考察の基本となる書き方

プレゼン用の資料作成、レポートや論文を書く時など、シーンによってそれぞれ適した考察の書き方がありますが、まずは基本の書き方を紹介します。

項目ごとに順番に紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

(1)目的を提示する

どのような事柄を考察する場合でも、まずは目的を明確に提示することが大切です。目的を最初に書くことで、読み手に全体像を把握してもらえます。

考察するにしても結論を出すにしても、目的がないと成り立ちません。どの問題や課題を改善したいのかといった目的を、明確にして書きましょう。

(2)方法を記載する

結論を出すためには根拠が必要です。根拠を得るために調査を行うことがあります。どのような方法でデータを出したのか調査の経路を記載しておくと、より考察への信憑性が高まります。

例えば、社内の数人に意見を聞いた結果と、自社の売り上げ数値などをもとにした結果とでは、後者の方が信憑性があり、根拠としてふさわしいといえます。

どの方法を取るのが適切なのかは目的によって変わります。しかし調査の方法を明記しておくことは、どのような目的であっても重要です。

(3)結果を明記する

次に、調査や分析をした結果と目的を照らし合わせます。照合したところで、メリットとデメリットを書き出します。

ここでのメリットとは、調査や実験を行ったところ目的に結びつく結果が出た事柄です。反対にデメリットとは、目的に結びつかなかった結果のことを指します。

特にデメリットは、なぜ目的につながる結果が出なかったのか、後に深く考察する上で役立つので重要です。

ただし、考察は別で記入するので、ここでは事実のみを述べるようにしましょう。

(4)考察を述べる

結果の次に考察を書きます。

何が原因なのか、どのような事柄が改善へ導くと推測されるのかなど、さまざまな視点から問題点、課題点を見つめて考察します。

(5)結論を出す

調査、分析した結果をもとに考察し、導き出された結論を最後に書きます。

原因が分からない問題に対する考察文であれば、何が原因だったのかを、トラブルを解決するための考察文であれば解決策をここで明記します。

ビジネスで何かについて考察する場合は、どのような目的であっても、行動につなげるための結論が重要です。

レポート、プレゼン、論文の締めとなる部分なので、明確に分かりやすく書きましょう。

考察を書く時のポイント

ここからは、考察を書く時に重視すると良いポイントをいくつか紹介します。

ビジネスで考察を書く場合は、クオリティーが求められるもの。ここまで説明してきた流れや内容を意識すれば基本的には問題ありませんが、「より質を高めたい」という人はぜひチェックしてみてくださいね。

(1)一般の認識を取り入れて書く

考察を書く時は、客観的、かつ論理的に書く必要があります。主観的、感情的に書いてしまうと、それは感想となり考察ではなくなってしまうためです。

その際に役立つのが、一般論を取り入れるということ。

今までの常識的な認識や数値などと調査内容を比較することで、論理的に考察しやすくなったり、深掘りしやすくなったりします。

(2)読み手が誰なのかを明確にする

レポート、プレゼン資料、論文と、どのような物であっても必ず読み手が存在します。どんなに手の込んだ考察を書いても、読み手に意図が伝わらなかったり、訴えたいことが伝わらなかったりすれば意味がありません。

そのため、どのような人に向けて考察を書くのか、明確にすることはとても重要です。

会社の上層部に向けて、取引先の人に向けてなど、誰に読んでもらう物なのか分かっている場合は、その人達に伝わるような書き方を心掛けましょう。

特にターゲットが明確に決まっていない場合であっても、性別や年齢層を大まかに設定しておくだけでも、伝わりやすい文章が書きやすくなるのでおすすめです。

(3)考察を書く時の注意点

考察は、客観的かつ論理的に書くもの。そのため事実に基づいて考えたり、分析したりすることが大切です。

自分が感じたこと、思ったことなど感情をベースとした考察は、結論が曖昧になってしまいます。考察ではなく感想を述べていることになってしまうので、注意しましょう。

また考察をしていると、今現在考察している課題点や問題点とは別に、新たな発見をすることもあります。

しかし、新しい課題や問題に対しても考察してしまうと、論点がずれてしまいます。そのため、考察の対象にしている事柄以外は、なるべく書くことを控えるようにしましょう。

考察の書き方をマスターして説得力を高めよう

ビジネスでは自分で物事を考え判断し、人に伝える力がとても重要です。訴えが何もないと、非意欲的に見られてしまう可能性もあるでしょう。

反対に、考察のやり方や書き方をマスターすれば、自らの意見に説得力が増すはず。

要望を受け入れてもらいやすくなったり、周りからの評価が高くなったりなど仕事への良い影響が期待できるので、ぜひこの機会に考察のノウハウを身につけておきましょう。

(上色ゆるり)

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※画像はイメージです

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