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「オルタナティブ」の意味とは? 正しい使い方と用語解説

Sai

「オルタナティブ」の意味とは? シーンごとの正しい使い方をビジネス系ライターのSaiさんが解説。投資や音楽、教育など、さまざまな場面で登場する「オルタナティブ」という表現を類語と一緒に覚えましょう。

会議や討論などでよく使われる「オルタナティブ」という言葉。ビジネスだけでなく音楽や医療の分野でも使用される言葉ですが、正確に理解できていない人は多いでしょう。

今回は、「オルタナティブ」という言葉の場面別の意味やビジネスシーンでの使用方法などを解説。また、「オルタナティブ」を含む用語や類語なども併せて覚え、言葉を深く理解しましょう。

「オルタナティブ」とは?

まずは、「オルタナティブ」という言葉の意味や語源を確認してみましょう。

『新語時事用語辞典』によれば、「オルタナティブ」の意味は以下のように説明されています。

オルタナティブとは、代案、代替物、二者択一、さらには、主流な方法に変わる新しいものといった意味で使用される英語由来のカタカナ語である。簡単にいうと、代わりとなるもの、択一的という意味である。

つまり、“代わりとなる新しい何か”を指すのが「オルタナティブ」。

なお、日本語の表記には多少ばらつきがあり、「オルターナティブ」や「オルタネイティブ」と記載されることもあります。

英語「alternative」が語源

また、「オルタナティブ」は、「二者択一の」や「代わりの」という意味の英単語「alternative」を語源とするカタカナ語です。

「どちらかを選ぶべき」とか「二者択一の」などという意味も持つ「alternative」ですが、カタカナ語として使う場合は「代案」の意味で使われる場合がほとんどです。

「主流のものに取って代わる何か」や「代替品」などについて話す時によく使われます。

場面や分野によって意味合いが多少異なる

「代案」や「取って代わる何か」という意味で使われる「オルタナティブ」ですが、使われる場面や分野によって多少意味合いが異なります。

誤用を避けるためにも、それぞれのシーンで使われるニュアンスを正しく理解しておきましょう。

ビジネスで使う場合

ビジネスシーンでの「オルタナティブ」は、主に慣習的なものや伝統的なやり方に取って代わるアイデアや価値観を表す「代替案」の意味で使われます。

従来とは異なるものや、新しいやり方を意味する言葉であり、会議や討論の場で見聞きすることが多いでしょう。

投資の分野で使う場合

投資の分野で「オルタナティブ」が使われる場合は、従来の伝統的な株式・債券に対する「代替投資」という意味になります。

投資・金融業界では、株式や債券が主流の取引と位置づけされている一方で、不動産や未公開株といった非伝統的な投資対象も注目を集めています。

このような通常の株式・債権以外のものに代替投資することを「オルタナティブ投資」と呼んでおり、近年業界で広く用いられている言葉です。

医療の分野で使う場合

医療の分野では、主に「通常の医療に代わって行われるもの」を意味する時に「オルタナティブ」が使われます。

具体的には、漢方医学やアーユルヴェーダなどを指して「オルタナティブ医療」と呼ぶことがあります。

音楽の分野で使う場合

音楽分野での「オルタナティブ」は、「商業志向の音楽とは一線を画す音楽」を指す場合に使われます。

このような音楽は「オルタナティブロック」や「オルタナティブミュージック」と呼ばれ、流行にとらわれない自由な音楽を示す言葉として幅広い音楽シーンで使用されています。

ビジネスシーンにおける「オルタナティブ」の使い方と例文

ビジネスシーンで「オルタナティブ」を使う場合は、「オルタナティブな働き方」のように形容詞として名詞を修飾するパターンと、「オルタナティブを提案する」のように名詞として使用するパターンの2種類に分けられます。

正しく使用するためにも、例文を確認しておきましょう。

形容詞として使う場合の例文

・欧米で主流のジョブ型雇用は、オルタナティブな働き方として国内でも注目を集めている。

名詞として使う場合の例文

・社会情勢が目まぐるしく変化する中、これまでのビジネスモデルと異なるオルタナティブを用意しなければ、業界で生き残ることはできないだろう。

・次の打ち合わせまでにオルタナティブを提案できなければ、先方に納得してもらえないかもしれない。

「オルタナティブ」を含む用語

さまざまな分野や業界で使われる「オルタナティブ」は、前述した「オルタナティブ投資」や「オルタナティブミュージック」のように他の言葉と組み合わせて使われている用語が多く存在します。

ここからは代表的な用語を紹介しますので、一つひとつしっかり意味を確認しておきましょう。

オルタナティブエネルギー

「オルタナティブエネルギー」はいわゆる「代替エネルギー」のことで、主に石油に代わるエネルギー資源を指す言葉として使われています。

例えば、太陽光発電や地熱発電、風力発電などの自然エネルギーがこれに当たり、政治経済に関する話題やニュースなどで頻繁に耳にする言葉です。

オルタナティブ教育

「オルタナティブ教育」とは、正規の教育方法や教育機関とは違う教育を指す言葉です。

現行の教育制度では埋められないニーズを埋める「もう1つの教育」として注目されており、日本では「フリースクール」などでの教育が「オルタナティブ教育」に当たります。

また、欧米の哲学的思想をもとに「オルタナティブ教育」を取り入れた学校を「オルタナティブスクール」と呼びます。

「オルタナティブスクール」では、子どもが自立的・主体的に学べるようなカリキュラムが組まれており、大人は教師ではなくあくまでサポートするスタッフとして子どもに関わる点が大きな特徴です。

「オルタナティブ」の類語

言葉の意味をより深く理解したり使い方のポイントを把握したりするためには、類語を知ることが非常に効果的です。

「オルタナティブ」にも似たような意味の類語がいくつかあるので、それぞれの意味や「オルタナティブ」との違いを確認しておきましょう。

「代替」の意味と「オルタナティブ」の違い

「代替」は、「他の物で替えること」を意味する言葉です。「オルタナティブ」に「代替物」という意味が含まれることもあり、違いがよく分からないと感じる人は多いでしょう。

しかし、「オルタナティブ」が価値のある交替といったニュアンスである一方、「代替」はただ単に代わることだけを意味している場合が多いです。

したがって、新しいアイデアや価値観を表す「オルタナティブ」に対し、「代替」は何の価値も含まない機械的な交替も含んでいると覚えておくと良いでしょう。

「カウンター」と「オルタナティブ」の違い

「反対の」や「反抗の」という意味の「カウンター」は、「既存の価値観に対するものを表す」という意味では「オルタナティブ」の類語となります。

しかし、「カウンター」は「オルタナティブ」よりも従来の価値観への対立が強調されている言葉であり、より反抗的な意味合いを含んでいる場合が多いです。

例えば、よく対比される言葉に「オルタナティブカルチャー」と「カウンターカルチャー」があります。

それぞれ主流の文化ではないサブカルチャーを表す言葉ですが、「オルタナティブカルチャー」が「周辺に存在する文化」という意味合いなのに対し、「カウンターカルチャー」は「メイン文化に対抗する文化」というニュアンスが強いです。

2つの言葉の間には明確な意味の違いがあるため、覚えておくようにしましょう。

「オルタナティブ」を使ってみよう

ビジネスシーンを含むさまざまな場面や分野で使われる「オルタナティブ」という言葉。日常生活ではなじみの薄いカタカナ語のため、正確な使い方を理解していない人は多いでしょう。

しかし、「オルタナティブ」の場面ごとの意味やビジネスシーンにおける正しい使い方などを理解すれば、使いこなすことはそこまで難しくありません。

「オルタナティブ」を含む用語や類語との違いなども併せて確認しておき、自信を持って使えるようになりましょう。

(Sai)

※画像はイメージです

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