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リスクヘッジとは? 正しい意味と使い方【例文付】

aoi okamoto

ビジネスシーンでよく聞く「リスクヘッジ」という言葉。正しい意味や使い方を理解していますか? 「リスクマネジメント」「リスクテイク」といった表現との違いなどと併せて詳しく解説します。

「リスクヘッジ」とは簡単に言うと危機回避のことを指します。

元は金融用語としてよく使われていましたが、近年ではビジネスでも広く使用されています。ビジネス業界では、どのような場面で使われているのでしょうか。

そもそも「リスクヘッジ」とは

「リスクヘッジ(risk hedge)」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか? 「リスクヘッジ」とは、起こる可能性のある危険を事前に想定し、その危険を回避しようとする考え方です。「リスク(risk)」は「危機」、「ヘッジ(hedge)」は「回避」を意味します。

元々は金融取引において使われていた言葉ですが、今ではビジネスシーンや日常生活でも使われるようになりました。

元々は金融関係で使われていた言葉

最近ではビジネスシーンで使用されることが多い「リスクヘッジ」ですが、元々は不動産や金融関係の用語として使われてきました。

具体的な意味としては、金融取引における将来のリスク軽減を行うことや、投資において投資先を1つに限定するのではなく複数の投資先を持つこと(分散投資)で、株価の下落に備えたリスク分散などが挙げられます。

ビジネス用語における意味は?

元は金融取引で使われていた「リスクヘッジ」ですが、ビジネスシーンではどのような場面で使われているのでしょうか。

金融用語と同じように「危機回避」の意味で使われることが多く、起こり得る事態を想定し回避するために対策をしたり、リスクを分散するための対処法を考えたりするという意味で用いられます。

しかし、ビジネスで使われる「リスクヘッジ」の意味は「危機回避」だけではなく、「不安要素」「危険予測」「懸念事項」などの意味も持っています。例えば「この案件にはどのようなリスクヘッジがある?」と聞かれたとすると、この場合は危機回避ではなく「不安要素」や「危機予測」の意味になります。

具体的なビジネスシーンでより深く考えてみましょう。

社内で他部署を含めた会議が行われますが、上司からリスクヘッジを考えた上でしっかり準備するようにと指示を受けたとします。この指示に対する答えとしては、「参加者が予定人数より増える可能性があるので資料を多めに準備する」や「他部署であるので専門用語には解説を入れる」などの対策を提案すると良いでしょう。

日常生活で使用する場合も

今でこそビジネス用語のイメージが強くなった「リスクヘッジ」ですが、日常生活でも使われます。では日常生活で使われる「リスクヘッジ」はどのような意味があるでしょうか。

例えば、災害対策も「リスクヘッジ」の1つです。災害に備えて災害用キットを用意したり、地震に備えて耐震を強化したりすることが挙げられます。

その他にも転職活動のために資格免許の取得や、将来のために保険へ加入することもリスクヘッジです。

シーン別「リスクヘッジ」という表現の使い方

次は実際のビジネスシーン別に「リスクヘッジ」はどう使われているのかを見ていきましょう。

「リスクヘッジをする」

「リスクヘッジ」において、最も一般的な表現が「リスクヘッジする」や「リスクヘッジを取る」という使い方です。

使い方の例を考えると、「リスクヘッジをしたことで、スムーズにこの案件を進めることができた」や「もし予期せぬ事態が起きた時に、対処できるよう事前にリスクヘッジを行うように」などの言い回しがあります。

また、マイナスな例文としては「リスクヘッジをしなかったから損失が発生した」や「リスクヘッジを怠った」などがあります。

「リスクヘッジのために」

「リスクヘッジのために」という表現もよく用いられる使い方です。「危機回避をするために何か策を講じた」という意味で使われます。

具体的な例文としては「リスクヘッジのために検証を行った」や「リスクヘッジのために代替案を用意した」などが挙げられます。

また同じような意味合いで「リスクヘッジを目的として」や「リスクヘッジとして」といった表現もよく使われるのでぜひ覚えておきましょう。

「リスクヘッジを図る」

最後に紹介するのが「リスクヘッジを図る」という使い方です。

「リスクヘッジを図る」は「対策を練る」という意味が強くなり、「図る」を用いることでさまざまな物事に対して対策を考えるというニュアンスになります。

「リスクヘッジを図りましょう」などのフレーズがよく用いられます。

リスクヘッジの類義語や似た言葉

起こりうる事態や危機を事前に考え、その危機を回避する意味で使われるリスクヘッジですが、ここではリスクヘッジと同じような表現や、似ている言葉を紹介します。

リスクヘッジの言い換え

リスクヘッジの言い換え表現は何種類かあります。

使われるシーンやニュアンスによっても異なりますが、リスクヘッジの言い換えとして代表的な日本語は「万が一に備える」や「備えあれば憂いなし」「保険をかける」などです。

また、カタカナ語では似たような表現として「リスクマネジメント」という言葉もありますが、若干意味が異なります。表現の違いを押さえておきましょう。

「リスクヘッジ」と「リスクマネジメント」の違い

ここからは、「リスクヘッジ」と似たような表現が、どのような意味やニュアンスを持つか探っていきましょう。

「リスクヘッジ」と「リスクマネジメント」は言葉が似ていることから混同されやすい用語です。

「リスクマネジメント(risk management)」とは、将来的に起こる可能性がある事態を想定し、その事態に対応できるように全体の体制を整えるという意味で使われています。「リスクマネジメン」トも「危機予測」「危険に備える」「危機管理」など、「リスクヘッジ」とほぼ同じような意味で用いられます。

しかし、「リスクマネジメント」と「リスクヘッジ」は使い方が異なります。

2つの用語の違いは、「リスクマネジメント」は「組織全体」に、リスクヘッジは「個人」に対して使われるニュアンスが強い点です。リスクヘッジは企業全体で取り組む危機管理であるのに対し、「リスクヘッジ」は「リスクマネジメント」の一部として、リスクを軽減させるための対策を指すことが多いでしょう。

このように「リスクマネジメント」と「リスクヘッジは」非常に似ている言葉ですが、ニュアンスが異なるので正しい意味を理解し、ビジネスシーンでも使いこなせるようにしましょう。

「リスクヘッジ」と「リスクテイク」の違い

次に紹介するのが「リスクテイク(risktake)」です。

「テイク(take)」は日本語で「取る」という意味になるので、「リスクテイク」は多少の危険や損失が出ると分かった上で、目標達成のために行動することを指します。金融取引の例でいうと、ハイリスクハイリターンの意味で使われます。

そのため「リスクテイク」は「リスクヘッジ」の反対語として位置づけられています。

リスクヘッジを高めるためには?

これまで「リスクヘッジ」の意味やビジネスシーンの使い方を解説しましたが、リスクヘッジを高めることは実際に働く上でも非常に大切です。

続いては、社会人としてリスクヘッジを高めるために必要な要素をご紹介します。

(1)物事を順序立てて考える癖をつける

リスクヘッジを高めるためには、まず物事を順序立てて考える癖をつけましょう。物事を進めていく上で、早い段階で全体像をつかみ、1つ1つの行程だけでなくその次も考える力が大切です。

「Aにしたらどうなるだろうか? またBを選択すると、どういったメリット・デメリットがあるか」など、総合的に考えることでリスクヘッジを高めることができます。

1つの行動の先で、何が起きる可能性があるのかを普段から考える習慣を持ちましょう。

(2)さまざまな可能性を考える

2つ目は「さまざまな可能性を考える」ということです。リスクヘッジは起こりうる事態を想定し、回避するために対策することですが、その「起こりうる事態」というのは1つとは限りません。1つの物事に対して複数のリスクが考えられます。

主観的にならず、広い視野と柔軟な考えを持ち、多角的に物事を考える力が求められます。

(3)振り返りを怠らない

最後にご紹介するのは「振り返りを怠らない」ということです。いくら事前にリスクを想定し対策をしても、振り返りを怠ってしまっては反省を次に生かすことができません。

「リスクヘッジ」は前もって、危機を考えたり策を講じたりすることですが、その後に振り返りをすることもリスクヘッジを高めるために必要な要素です。

「リスクヘッジ」を日常生活に生かそう

今回は「リスクヘッジ」について解説しました。言葉の意味を理解することはもちろんですが、「リスクヘッジ」は仕事を行う上で非常に大切です。

言葉の意味をしっかり理解し、「リスクヘッジ能力」を高めて、よりスムーズに日々の仕事を行うためのきっかけにしてください。

転ばぬ先の杖を持てば、きっと大きな挑戦にも飛び込んでいけるはずです。

(okamoto)

※画像はイメージです

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