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アハ体験とは? 意味や具体例を紹介

服部希美(心理カウンセラー)

「アハ体験」という言葉を知っていますか? 何かのきっかけで、これまで理解できなかったことが突然理解できたり、「あ!」とひらめいたりという体験のことです。心理カウンセラーの服部希美さんに、アハ体験の意味やその効果、具体例を解説してもらいます。

アハ体験とは「あ!」とひらめき、今まで全くできなかったことや理解できなかったことが突然できるようになる瞬間を指します。

アハ体験をすると、私たちの脳や心にさまざまな良い効果を得られると言われています。

とはいえ、見聞きしたことはあるけれどよく知らない、実生活でどう役に立つのか分からない、という方も多いのではないでしょうか?

今回のコラムでは、アハ体験について簡単に紹介します。ぜひ、みなさんの日常に役立てていただけたらと思います。

アハ体験の意味は?

まずは、アハ体験の意味や概念を紹介します。

アハ体験とは「ひらめき体験のこと」

アハ体験とは、ドイツの心理学者カール・ビューラーが提唱した心理学上の概念で、ドイツ語で「Aha-Erlebnis」といいます。

「Aha」とは「なるほど!」「へぇ~!」という感動詞。「Erlebnis」は「経験や体験」を意味します。

つまりアハ体験とは、何かのきっかけで、これまで理解できなかったことが突然理解できたり、インスピレーションがひらめいたりという体験のことです。

一度気づけば見え方が変わり、一発で学習が成立することから、「一発学習」とも呼ばれます。

また、「aha! moment」「エウレカ効果(Eureka effect)」という表現も同義語として使われています。

なぜアハ体験が起きるのか

アハ体験がどうして起きるのかは諸説ありますが、脳科学の見地では「突発的なひらめきにより、脳の神経細胞が一瞬でつなぎかわることで、一気に問題が解決する」といわれています。

また、洞察を研究する心理学では「知識や考察の積み重ねが完了した後に、しばしば現れる」とされています。

アハ体験の具体例

アハ体験は、実は私たちの日常でもよく起きている体験なんです。

ここではその具体例を紹介します。

アルキメデスの「浮力の原理」発見から見る例

アハ体験の例には、ギリシャの数学者アルキメデスが「浮力の原理」を発見した際のエピソードが挙げられます。

アルキメデスは「王冠を壊さずに」王冠の金の純度を調べる方法を王から依頼されました。

考えあぐねていたある日、アルキメデスはお風呂に入りながら、湯が湯船からあふれるのを目にします。その瞬間、「比重」という考え方がひらめき、王冠の純度を調べる方法を思いついたという逸話があります。

ちなみに、アルキメデスは浮力の原理を思いついた時、あまりの喜びと興奮で服を着るのを忘れて「エウレカ! エウレカ!(Eureka:ギリシャ語で「分かった」という意味)」と叫びながら、裸のままで通りを駆け出したそうです。

さんざん考えても解決策が思いつかない状況の中、たまたま風呂の湯という一見関係のないものからひらめきが起こり、行き詰まっていた問題が想像もしていなかった形で一気に解決に向かった。そして、誰かにこの喜びを分かち合いたくて仕方がなくなった。

このようにアハ体験とは、たくさんの知識や洞察を蓄積した後に、何かのきっかけで、突発的なひらめきが起こり、思わぬ形で一気に問題解決に導かれ、ポジティブな感情が引き起こされるという特徴を持ちます。

日常におけるアハ体験の例

私たちの日常であれば、

「到底解けないような数学の問題に必死に向き合い続けていた時、ふっとひらめき、解答までの道筋が見えた!」

「彼の誕生日にどんなプレゼントを贈ろうかずっと悩んでいたけれど、夕飯を食べている時に、それまで思いつかなかったようなとても良いアイデアが浮かんだ!」

「間違い探しをしていて、なかなか見つからなかった間違いをついに見つけることができた!」

こういうことが起きた時、とてもワクワクし、思わず誰かにこの気持ちを分かち合いたくなりますよね。

それをアハ体験と呼びます。みなさんも体験したことがあるのではないでしょうか?

アハ体験がもたらす効果とは?

アハ体験は、以下4つの特性によって特徴づけられるといわれています。

・アハ体験は突然生じる

・アハ体験が起こると、理解が容易に行われる

・アハ体験は、ポジティブな情動を引き起こす

・アハ体験で得た答えを強く確信する

また、アハ体験には、行き詰まっていた問題が思わぬ形で解決するという面だけでなく、心や脳にさまざまな効果が期待されています。

ここではその効果をいくつか紹介します。

脳が一気に活動する

脳科学的な見地では、アハ体験をした瞬間、驚くほど集中的な神経細胞の活動が生じる上、「記憶力」や「やる気の増強」に影響する神経伝達物質・ドーパミンが分泌されるそうです。

また、アハ体験を繰り返すことで、脳の学習回路が強化されるとされています。

ストレスの緩和

「あ、そうだったのか!」とアハ体験をした時、湧き上がるような喜びや爽快な気分になります。

これは「分からない」という緊張状態が「ひらめく」ことで一気に緩和することでカタルシス(精神浄化)効果を得られるから。

アハ体験は、リラックス効果やストレスの軽減が期待できるとされており、メンタル面でも良い影響を与えます。

アハ体験を意図的に引き起こす方法はある?

アハ体験は「たまたま起きた出来事を知覚する」ことがひらめきの引き金になっているため、いつ起こるかの予測もできなければ、意識的に引き起こすことは難しいとされています。

アハ体験を使って問題を解決したいと願ったとしても、いつ来るかわからないひらめきに期待するばかりでは、いつまでも問題解決できませんね。

そのため、アハ体験を意図的に起こそうとするのではなく、「その時にできる自分のベストを尽くしたのちに体験できるかもしれないもの」くらいで捉えておくと良いかもしれません。

それでも意図的に引き起こしたい場合は、

・アハ体験の第一段階である「物事を良く考え、学ぶこと」を積極的に積み重ねること

・ひらめきを起こしやすいよう、時には問題から離れリラックスする時間を取ること

この2点を意識してみるといいかもしれません。

アハ体験を積極的に取り入れて、自分や世界を変えよう

いかがでしたか?

アハ体験は意図的に引き起こすことが難しいものの、あなたの創造性をアップさせたり、見える世界を一変させたりするような素晴らしい体験になるかもしれません。

ぜひ、上手に活用していただけたらと思います。

この記事があなたの参考になれば幸いです。

(服部希美)

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