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仕事についていけない……。その原因と退職する前に試したい6つのこと

中谷充宏(キャリアカウンセラー)

「仕事についていけないな……」と思う時、ありませんか? キャリアカウンセラーの中谷充宏さんによると、そういった悩みを持つ人は多く、退職を希望するケースもあるそうです。しかし、辞める前に試してほしい対処法があるとのこと。仕事についていけない原因と併せて詳しく教えてもらいました。

転職支援を行う私の元には「今の仕事についていけていないので、転職したい」という相談がよく寄せられます。

特に最近では、企業がリストラを実行した結果、1人当たりの業務量が膨大に増えてそれぞれが対処しきれなくなったとか、要求レベルが格段に上がったといった、合理化を推進する企業側の都合により仕事についていけなくなるケースもあります。

その他、ご自身が抱える諸問題もあるでしょう。そこで今回は、仕事についていけないと行き詰まった際の、対処法を解説していきます。

仕事についていけないと思う時

仕事上の壁にぶつかって「ついていけない」と思ったことがある人は少なくないはず。では、具体的にどのようなシーンでそう思いやすいのか見ていきましょう。

(1)キャパオーバーになっている

どんなに効率化を図ったとしても、1人でこなせる仕事の量には限りがあります。

例えば単純作業でも、「1万人の社員の氏名を指定フォーマットに入力しなさい、それも一切ミスせずに1日で」となると、物理的に無理だと思いますし、この仕事量が連日続くと、さすがに「仕事についていけない」となりますよね。

また、自身の能力不足によってキャパオーバーになっているケースもあります。人の能力差や仕事に対する適性にはバラつきがありますし、同じ仕事を割り振っても、平均的な社員では半日で完了するのにも関わらず、ある社員は2日かかるということもよくあります。

後者だと、その仕事にそもそも向いていないために、「仕事についていけない」となってしまうでしょう。

(2)仕事内容や勤務先が変わった

新しい仕事もそうですし、新しい職場での勤務もそうです。やはり仕事や環境に慣れないと、ミスも多くなりますし、孤立してしまうこともあるでしょう。

何とか認められようと気持ちばかりが焦っても、かえって悪い方向に進んだりします。そうなると「ここの仕事についていけない」となってしまいやすいです。

(3)職場の雰囲気が悪い

例えば仕事自体は好きだし、給与も良いとしても、上司が高圧的で、周りはあなたに無関心だったりすると、孤立してしまい、常にストレスを感じてしまうはず。そうなると、「ここの仕事についていけない」と感じるでしょう。

(4)気軽に質問できない

どんな仕事であっても、進めるうちに疑問点や不明点は出てくるもの。それを解消するためには、周りに聞くというのが最もポピュラーな手法でしょう。

しかし、周りに気軽に聞ける人がいなくて、自分で一生懸命に調べてやっても、実はやり方が間違っていて、努力が水の泡だったということも少なくありません。この時の精神的ダメージは相当で、「ここの仕事についていけない」となりやすいです。

仕事についていけない原因

前段では仕事についていけないと思うシーンを4つ挙げましたが、これらは一体何が原因なのか、詳しく見ていきます。

(1)そもそも仕事量が多過ぎる

合理化・効率化の掛け声の下、必要最低限の人員で仕事を回している企業が大半を占める中、物理的に無理な仕事量を振られたり、あなたの実力をはるかに上回る量を任されたりというシーンは、どこでも起こり得ます。

ただ、仕事には期限があります。あまりに多過ぎる場合は、質・量共に期限内に完了することは難しく、仕事についていけないとなるでしょう。

(2)職場環境の悪さ

上司や先輩、同僚、後輩など職場の人とコミュニケーションが取りにくく、気軽に相談したり質問したりできない場合は、仕事が滞ったりミスを誘発することもあります。

そういった環境に耐えきれずに、退職者が多数発生するような職場なら、個人の力だけで乗りきれるレベルの問題ではないかもしれません。

(3)経験不足・能力不足

上記2つは会社や職場といった環境的側面が強いですが、これはあなたのスキルが任された仕事にまだ足りていないということ。つまりあなた自身の問題ということになりますが、自分の考えや行動次第で解消できるので、後ほど対処法として解説します。

(4)優先順位を付けるのが苦手

時間もマンパワーも全て限りがあります。振られた仕事が過剰気味であっても、順番を決めて強弱を付けて効率良く完遂できる人がいる一方で、そうではない人もいます。

後者のように優先順位を付けるのが苦手だと、緊急度の高い仕事の期日に追われるなどしてキャパオーバーになってしまうこともあるでしょう。

仕事についていけないままだと起こること

仕事についていけないままで、ずっと放置すると、どうなってしまうのでしょうか? 典型的な例を挙げて説明していきます。

(1)心身のバランスを崩す可能性がある

仕事についていけていない状況を把握しているのに、その仕事を続けているわけですから、精神衛生上良いわけがありません。日々、強いストレスを感じていると、いずれは心身のバランスを崩してしまい、会社を休みがちになってしまう危険性があります。

(2)職場で評価されなくなる可能性がある

仕事についていけていないわけですから、周りから評価されなくなってしまうかもしれません。やりがいのある大きな仕事を任されることも少なくなってしまう可能性があります。

(3)退職せざるを得なくなる可能性がある

仕事についていけていないままだと、前述したように心身のバランスを崩したり、評価が受けにくかったりして、いずれはそこで働き続けることが困難になるケースが考えられます。

その結果、その場にはいられない、つまり退職せざるを得ない状況に追い込まれてしまう可能性もあります。

仕事についていけない時の対処法

それでは、こういった苦境に陥らないためには、一体どうすれば良いのでしょうか? 辞めるという判断をする前にやるといい対処法を解説していきます。

(1)仕事を覚える努力をする

経験不足が「仕事についていけない」と思うことに大きく影響するのは間違いありません。

そこで、まずは普段から一度聞いたことは忘れないようにメモに残したり、自分なりのマニュアルを作成したり、空き時間を利用して復習するといった「早く仕事を覚える努力」を地道にしてみましょう。

(2)話しやすい環境をつくる

質問などをしやすい環境づくりをしてみることも大切です。そのためには、社内のイベントやランチ会に参加するなど、周りと積極的にコミュニケーションを取って、良好な人間関係を構築していくといいでしょう。

(3)自分のスキルを磨く

能力不足を補うために自身がハイスキルかつハイスペック人材になることも有効です。そのためにも、オフの時間を有意義に使って業務に関する勉強をするなど、自己啓発に力を入れていきましょう。

(4)安易に仕事を受けない

膨大な量の仕事を振られた時は、正式に受ける前に仕事の内容を確認して、自分のできる範囲だけ引き受けるのがおすすめです。安易に受けてしまうとキャパオーバーになってしまいかねません。

(5)優先順位付けをする

業務に優先順位を付けることも大切です。後から追加でオーダーがきたら、どっちを先にやるべきか、上司に確認してもいいでしょう。

(6)転職を検討するのも手

ここまで紹介した対処法をいくつか試してみて、それでも難しいと思った場合。これは最後の手段ですが、自分ではどうにもできない職場環境そのものが原因の場合や、あまりに無理を強いられる職場ならば、思い切って環境を変えるのも有効な一手だと思います。

上手に対処していこう

「仕事についていけない」と、あなた1人で抱え込み過ぎても、改善にはつながりにくいですし、精神衛生上も良くありません。

前述の対処法を実践してみて、ダメだったら思い切って環境を変える、くらいの気持ちでいても良いと思います。あなたが活躍できる場所は、他のところにあるかもしれませんからね。

(中谷充宏)

※画像はイメージです

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