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弱音を吐くのは悪くない。うまくストレスを解消するには

高見綾(心理カウンセラー)

弱音を吐くことに抵抗があり、自分に「まだ大丈夫」と言い聞かせていませんか? 心理カウンセラーの高見綾さんは「弱音は吐いて良いもの」と語ります。では、そもそもどうして弱音を吐くことに抵抗を持ってしまうのでしょうか? ストレス解消法と併せて教えてもらいます。

「弱音を吐くこと=いけないこと」のように感じている人は多いですよね。

しかし、弱音が吐けないような環境にいると、心身共につらくなってしまうもの。

そこで今回は、なぜ弱音を吐いてはいけないと感じてしまうのかその理由と、弱音を吐く時のコツについて解説します。ストレスは上手に解消していきましょう。

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弱音を吐くことはいけないこと?

前述した通り、弱音を吐くことはいけないことだと感じている人は多いですが、弱音を吐くことは悪いことではありません。むしろ、弱音を吐かずにずっとがまんをしていると、ネガティブな感情がどんどん膨れ上がり、精神的に追い込まれてつらくなってしまいます。

弱音を吐くことで直接的に問題解決につながるわけではありませんが、誰かに気持ちを打ち明けることでストレス解消になり、気持ちがラクになることも多いです。

また、弱音を吐くことで、「自分はこんなふうにつらいと感じていたのか」「こういうところが嫌だったんだな」と、今の自分を受け止めることができるようになり、心にゆとりが生まれます。

弱音を吐いてはいけないと感じる理由

そもそも、なぜ弱音を吐いてはいけないと思ってしまうのか、説明しておきましょう。

(1)ネガティブを良しとしない社会的風潮から

一生懸命頑張ることや、前向きに物事を捉えることを良しとする社会的な風潮もあり、私たちの多くは、弱音を吐くことに「恥ずかしい」「情けない」「甘えている」という感覚を強く持っています。

日本人特有の周りと比べる意識もあり、「もっとつらい状況にいる人もいるのに、私が弱音を吐いてもいいのか……」と、他の人を思いやって悩んでしまうケースもあります。

(2)過去に弱音を吐いて苦い経験をしたことから

その他には、自分が弱音を吐くことで、それを聞かされる相手に迷惑を掛けてしまうのではないかと恐れている人も。

特に、自分が過去に周りの人にネガティブな話を聞かされて嫌な思いをしたことがある場合は、このような心理を持つ傾向にあります。

また、実際に弱音を吐いた時に、周りから「みんながまんしてやってるんだから、それぐらい頑張りなよ」とか、恋愛相談をした時に「そんなこと言っても、あなたが選んだ相手なんでしょ」と厳しい言葉を投げ掛けられた経験のある人もいると思います。

勇気を出して気持ちを打ち明けたのに、そのような対応をされてしまうと、ますます「何を言っても理解してもらえないから、自分で頑張るしかない」と思って、弱音を吐くことをがまんせざるを得ない状態になってしまいます。

(3)男性の場合は育成歴や気質、経験から

弱音を吐くことに対する感覚は、男女で少し差があります。

女性はおしゃべりをして共感し合うことでストレス発散することが多いので、男性に比べると愚痴や弱音を言うことに対する抵抗感は低めです(もちろん弱音を吐くことが苦手な女性もいますが)。

一方男性は、弱音を吐くことに対して抵抗を感じる人が多いです。

というのも、子どもの頃から「男なら泣くんじゃない」と言われて育てられてきた人もいるので、「弱みを見せること=恥ずかしいこと、男らしくないこと」と思い込んでいる男性が多い傾向にあります。

また、「弱音を吐いたところで問題が解決するわけではないから、弱音を吐く意味がない」と考えている人もいます。

男性は女性と違って、一人の時間を作り、じっくり考えることでストレスを解消したりする場合が多いので、話を聞いてもらって気持ちがラクになるという経験をしたことが少ないというのも、男性が弱音を吐くことに抵抗感を持つ理由の1つです。

弱音を吐く時のコツ

では、弱音を吐けずに自分一人でストレスを抱え込んでしまっているなと感じた時、どのようにすれば弱音を吐きやすくなるのでしょうか?

(1)弱音を吐く相手を選ぶ

弱音を吐く相手は、誰でも良いわけではありません。間違った相手を選んでしまうと「そんなこと言ってないで頑張りなよ」と理解してもらえず、ただでさえつらい状況なのに、さらに傷ついてしまう可能性もあるからです。

相手を選ぶ時は、あなたのことを好意的に思ってくれている人や、信頼の置ける人を選んで話すようにしてください。きっと、あなたを否定することなく、真剣に話を聞いてくれることでしょう。

(2)複数の話し相手をつくる

弱音を聞く側には、ある程度の心の余裕が必要です。聞き手の立場になって考えてみると、自分がしんどい時は、人の話を聞くのが難しいことが分かりますよね。

そこで、弱音を共有できる相手を複数人つくっておくと安心です。一人の相手に集中して弱音を吐いてしまうと、時には相手の負担になることもあります。

できたら、「この分野ではこの人」というように、話題に応じて相手を決めておくと良いですね。

(3)目的を明確にしておく

ただ愚痴を聞いてほしいのか、それともアドバイスがほしいのか、目的を明確にしておくことも大切です。

「ちょっと嫌なことがあってね、愚痴なんだけど聞いてほしいの。ただ聞いてくれるだけで大丈夫だから」「困ってることがあってね、アドバイスが欲しいの」など、相手には弱音を聞いた上で何をしてもらいたいのかを最初に伝えておくと聞き手も安心しますし、コミュニケーションにズレが生じにくくなります。

(4)聞いてもらったらお礼を伝える

これは意外と忘れがちかもしれませんが、弱音を聞いてもらったら必ずお礼を言いましょう。

「今日は聞いてくれてありがとう。話せてすっきりしたよ」という一言があるだけで、印象が随分変わります。相手は、あなたの力になれて良かったとポジティブな気持ちになれると思います。

弱音を吐かないストレス解消法

中には、やっぱり弱音は吐けないという方がいるかもしれません。そんな方に向けて、弱音を吐かずにストレスを解消する方法をお伝えします。

(1)ノートに思いの丈をつづる

人に言えない時には、ノートに思っていることを全部書き連ねてみるといいでしょう。自分の思いを言葉にして表現することで、「そうか、これが嫌だったんだ」「私、こう思っていたのか」と、もやもやした感覚の正体がつかめるので気持ちがすっきりします。

ポイントは、今の感情を全部出し切ること。思いが溢れるままに、書いて書いて書きまくるのがコツです。ノートではなく、パソコンに打ち込むのもOKです。

(2)泣けるストーリーに触れる

つらい状況の時は、いろいろなネガティブな感情が膨らんで気持ちがパンパンになっています。そんな時に、がまんは逆効果。できれば思いっきり泣くことができると感情が解放されて、ストレス解消に効果的です。

映画やドラマを見て、感情移入して泣くことができると、涙と共にさまざまな感情が流れていき、気持ちがほぐれるはずです。

(3)好きなことを思いっきりする

ストレス解消には、好きなことを思いっきりやるのが良い方法です。

例えば、カラオケで熱唱する、運動をする、音楽を聞く、自然に触れる、旅行に出掛ける、料理をするなど、何でも構いませんので好きなことに没頭してみましょう。

何かに集中することで、悩みから離れることができるため、いったん気持ちがリフレッシュできますし、その行為で問題は解決されなくとも、冷静に物事を判断できるようになるでしょう。

ストレスをため過ぎちゃダメ!

弱音を吐きたいと思う時は、「ストレスがたまっていますよ」というサインです。

弱音を吐くことはいけないことだと思っている人もいますが、自分の気持ちを打ち明けることで精神的にラクになることは意外に多いです。

ついつい「まだ頑張れるはずだ」とがまんしてしまう人も多いですが、できるだけ早めに弱音を吐いたり、好きなことをしてリラックスする時間を取ったりして、ストレスを解消していきましょう。何事も、早めの対処が吉です。

(高見綾)

※画像はイメージです

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