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偏屈とは? 言葉の意味と偏屈な人とうまく付き合う方法

高見綾(心理カウンセラー)

あなたの職場にも、関わると面倒な「偏屈な人」はいませんか? できれば距離を取っておきたいものですが、仕事だとそうは言っていられません。そこで今回は、心理カウンセラーの高見綾さんに、偏屈な人の特徴や心理とうまく付き合っていく方法を聞きました。

職場に偏屈な人がいて対応に困ったことはありませんか? そんな人とは、できれば波風を立てずにうまく付き合っていきたいもの。

今回は、偏屈な人の特徴や心理について詳しく解説します。また、偏屈な人とうまく付き合っていくために、日頃どういったことに気を付ければいいかについても紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

「偏屈」とは? その意味

まずは、「偏屈」の言葉の意味をおさらいしておきましょう。

偏屈とは、「性質がかたくなで、素直でないこと。ひねくれていること。また、そのさま」(出典:『デジタル大辞泉』)をいいます。

偏屈な人は、好意を素直に受け取れずにひねくれた解釈をしたり、他人の考えをかたくなに聞き入れなかったりします。一般的に「あの人は偏屈だ」と言う時は、「頑固だ」「変わり者だ」「否定的なことばかり言う人だ」というようにネガティブな意味で使われることが多いです。

偏屈な人は、男女問わず周りとのコミュニケーションがうまく取れないケースが多く、本人もそういった自分の性格を自覚している場合も多いです。

偏屈な人に共通する特徴

では、どのような部分から私たちは「偏屈な人だ」と判断しているのでしょうか? その特徴を紹介します。

(1)人の好意を素直に受け取れない

例えば、周りが「その服、すてきですね!」と話し掛けても、「何? 嫌味なの?」と疑ったりします。お土産を渡せば「お返しに困るから要らないんだよね」とひねくれたことを言ってくることも。

また、本当はうれしくても素直になれないケースも多く、「ありがとう」といった感謝の気持ちを表現することができず、突き放したような態度を取ってしまうこともあるようです。

(2)嫌味が多い

偏屈な人は、攻撃的な態度を取ってしまうことが多いのが特徴です。

例えば、こちらが「風邪大丈夫ですか? 早く治るといいですね」と気遣いのつもりで言ったのに「心配してくれなくても結構です。あなたの仕事が遅いので、私は休んでいる暇が無いんです」などと嫌味を言ってきたりします。

(3)人の話を聞かない

頑固で自分なりのこだわりが強いので、人の話を聞き入れない傾向があります。

仕事で意見の相違があっても、基本的に「自分の考えが正しい」と思っているので、自説を曲げず相手に歩み寄ろうとしないのが特徴です。

(4)見下すような態度を取る

偏屈な人はプライドが高く見栄っ張りです。周りを下に見ているところがあるので、そういった思いが言動に表れてしまいます。

こちらが批判をするつもりではなく、話し合うために意見を述べただけでも「あなたに言われる筋合いは無い」「君より経験が上だから」と言ったりするのです。

(5)協調性が無い

こだわりが強く、自分の考えを押し通すところがあるので、職場などでは自分勝手な行動をしてしまいがちです。

そして、周りから何か指摘されても素直に受け取ることができず「何が悪いの?」という開き直った態度を取り、「ああ言えばこう言う」状態になってしまうのです。

偏屈になってしまう原因・心理

では、なぜ偏屈になってしまうのでしょうか? そうさせる心理についてもお伝えします。

(1)自信が無いのを隠している

偏屈な人のひねくれた態度を見ていると自信満々な人だと思うかもしれませんが、実は自信が無くて繊細なタイプです。

傷つきたくないが故に、周りに攻撃的な態度を取ってしまったりします。仕事ができないのがバレたくないので、なんだかんだと屁理屈を言ってしまう人もいます。

(2)優越感を抱きたい

偏屈な人は自信が無くて小心者。でもプライドは高く見栄っ張りなので、周りの人の欠点を見つけて指摘したり、見下した態度を取ったりすることで優越感を抱いています。

「おまえはダメな奴だ」と言って、相手の価値を下げることで安心しているのです。

(3)周りを信用していない

偏屈な人は「どうせあなたも私のこと嫌うんでしょ?」と、最初から「嫌われる」と決め付けているので、なかなか周りに心を開くことができません。

そして、周りとぎくしゃくすると「ほーら、やっぱりね」と思ってしまうのです。自分が愛されることを疑っているのでなかなか素直になれません。

(4)本音を知られたくない

偏屈な人が本当はうれしいと思っていても憎まれ口を叩いてしまうのは、本音を隠そうとしているからです。

「こんな自分が受け入れてもらえるわけない」と思っているからというのもありますし、単純に恥ずかしいからというのもあります。

(5)構ってほしい

ひねくれた発言をしても、本音では構ってほしいし相手にしてもらいたいと思っています。

偏屈な性格を直したいと思っていても、どうしても素直になれない時はあるものです。そんな時、素直になれずにひねくれてしまう自分を大きな心で受け止めてもらいたいと思っています。

必要以上に憎まれ口を叩いてくるようなケースでは、行動に反して甘えていることが多いです。

偏屈な対応をされた時の対処法

では、そんな「偏屈な対応」をされた時に、どのように対処すればいいのか3つ紹介します。

(1)感情的にならないこと

こちらが感情的になって反論したりしてしまうと、偏屈な人は「自分を否定された」と感じて攻撃的になってしまう恐れがあります。

偏屈な人は「自分を受け入れてほしい」と思っているので、相手の言い分には最後まで耳を傾けることを意識して、落ち着いた対応を心掛けましょう。

(2)無理なことはきちんと伝える

相手が理不尽なことを要求してきた場合は、きちんとNOと伝えることが肝心です。言い方はできるだけ優しく、でも「申し訳ないのですが、それはできかねます」ときっぱり伝えるのがポイントです。

相手の言うことを全部聞き入れてしまうと、偏屈な人の横柄な態度に拍車が掛かってしまう可能性もありますので気を付けたいものです。

(3)やり取りをメモしておく

偏屈な人が屁理屈をこねて仕事に支障が出ているような場合は、相手の言い分をメモやメールなどに残しておきたいもの。

変だなと思ったら、記録していたメモを見せて周りの人に判断を委ねてみてもいいですし、ひどい場合は上司に相談してなるべく関わらないよう調整してもらうなどの対応を考えてみてもいいかもしれません。あなたが我慢する必要はありません。

偏屈な人との上手な付き合い方

最後に、そんな偏屈な人とうまく付き合っていくために、日頃から気を付けておくといいポイントもお伝えします。

(1)相手の良いところを伝える

偏屈な人はプライドが高いので、そのプライドを満たしてあげることがうまく付き合うコツです。

相手の良いところを見つけたらこまめに伝えましょう。すると「この人は自分のことを分かってくれる」と思ってもらえるので、態度が柔らかくなっていくはずです。

(2)大らかに自然体で接する

偏屈な人に対して苦手意識を持つと、どうしてもその意識は態度に出てしまうもの。偏屈な人はそういったちょっとした変化には敏感です。

偏屈な相手の性格を直そうとするのではなく、そのままを受け入れることがコツ。「偏屈なことは気にしていませんよ」という感じで、大らかに接しましょう。

(3)程よい距離感をキープする

どうしても偏屈な人が気になってしまうという人もいると思いますが、あえて首を突っ込む必要はありません。

仕事などどうしても関わる必要がある時以外は、付かず離れずの適度な距離感を保っておくのがおすすめです。

相手の心理を知り冷静に対応しよう

好意を素直に受け取ってくれない、嫌味を言う、協調性が無いなど、偏屈な人との付き合いには悩んでしまう人も多いはず。

しかし、自信があるように見えるかもしれませんが、実は偏屈な人は傷つきやすく繊細なタイプ。偏屈な自分を受け入れてほしいと思っていたりします。そういった心理を知っておくことで、冷静に対応できるようになるのではないでしょうか。

仕事上関わる必要のある人もいると思いますが、適度な距離感で上手に付き合っていきましょう。

(高見綾)

※画像はイメージです

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