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「頭でっかち」の意味とは? 特徴・心理と改善方法

高見綾(心理カウンセラー)

理論武装ばかりで行動の伴わない「頭でっかち」。ネガティブな意味で使われることが多い言葉ですが、どうしてそのような行動を取ってしまうのでしょうか? その心理や改善法を、心理カウンセラーの高見綾さんに教えてもらいます。

仕事で上司や同僚から「ちょっと頭でっかちになってるんじゃない?」と言われたことはありませんか? 頭でっかちは、ネガティブなニュアンスを感じさせる言葉ですが、実際どういう意味なのでしょうか。

もしネガティブなことなのであれば直したいですよね。頭でっかちな性格を見直し、口ばかりではなく行動できる人になる方法について詳しく紹介します。

「頭でっかち」とは

では、「頭でっかち」の言葉の意味のおさらいと、「頭でっかち」はいけないことなのかを確認していきましょう。

「頭でっかち」の意味

「頭でっかち」には、2つの意味があります。

1つは、言葉通り頭が大きいという意味ですが、もう1つは性格的なことで「知識や理論が先走って行動が伴わないこと。また、そういう人やそのさま」(出典:『デジタル大辞泉』)をいいます。

今回は、後者の性格的な面での「頭でっかち」について解説します。

頭でっかちな人は、知識が豊富で賢いけれども、実践ができていなかったり行動が伴わなかったりする人のことを指します。そのため、一般的に「あの人は頭でっかちだ」と言う場合は、「口先だけ」とか「頑固だ」というようなネガティブなニュアンスで使われていることが多いです。

「頭でっかち」はいけないこと?

頭でっかちは「理論ばかりで行動しない」といった意味で使われることがあると言いましたが、悪い面ばかりではなく良い面もあります。

頭でっかちな人は、情報やデータを収集したり分析したりして、物事をよく考えることが得意です。行動を起こす前に慎重に考えることができるので、うまくいく可能性のありそうなものを見つけることができます。そのため行き当たりばったりで失敗するといったことも少ないはず。

また、知識が豊富で論理的に物事を考えることができるので、プレゼンなどで説得力のある話し方をすることも上手です。

上記のような良い面もありますので、「頭でっかち」と言われたからといって悲観的になる必要はありません。

ただ、実際に行動することで気付くこともたくさんあるので、自分の考えだけにこだわり過ぎないようにしたいですね。適度に人の意見も取り入れながら理論と実践のバランスが取れるようになれば、より説得力が増しますし、周りの人から重宝される人材になれるのではないでしょうか。

頭でっかちな人の特徴

そんな、頭でっかちな人には以下のような特徴があります。あなたにも当てはまるものがあるのではないでしょうか?

(1)気になったことはすぐ調べる

頭でっかちな人は、基本的に勉強家です。分からないことをそのまま放っておくのではなく、気になることがあれば、すぐに本やネットなどから情報を集めます。

調べた情報に矛盾や疑問点があれば、さらに深く調べていく探求心の強さもあります。

(2)口が達者

自分の知識を披露することが好きで、議論などになると口が達者になります。

ただし自ら収集した情報に信頼を置きがちで、相手の話を聞かずに自分の言いたいことばかり言ってしまうことも少なくないため、コミュニケーションが一方通行になる場面もあります。

(3)冗談が通じない

頭でっかちな人は、論理的に物事を考えるのが得意な反面、冗談が苦手な傾向があります。なぜなら、自分の理論で答えを出すことができないことだからです。

そのため、周りが冗談で言ったことでも真に受けてしまい、「冗談が通じない人」「つまらない人」だと思われてしまうこともあるようです。

(4)不測の事態に弱い

物事が自分の知識通りに展開していけば大丈夫なのですが、予想外の展開になった時にどうしたらいいのか分からずパニックになって、咄嗟の対応ができない傾向があります。

頭でっかちな人は、実際に行動することが苦手なので臨機応変な対応は苦手なのです。

頭でっかちな人の心理

では、どうして頭でっかちになってしまうのでしょうか? 知識は豊富なのに行動が伴わないといった状態になる理由やその心理に迫ります。

(1)失敗が怖い

頭でっかちな人は慎重な性格で、実は変化に弱いタイプ。いざ実行に移した時に失敗するのが怖いので、どうしても躊躇してしまい行動に移せないことが多いです。

また、頭の中でシミュレーションをして「やってみたらだいたいこういう結果になるだろう」と予想をしているので、あえてやることに魅力を感じないというのもあります。

(2)プライドが高い

頭の回転の速さや努力家であることについては、自負がありプライドが高いです。しかし、臨機応変さやコミュニケーション能力といった点では、自信が無い面も持ち合わせています。

そのため、理論武装をすることで自信の無さを隠し、自分のプライドを守ろうとしています。

(3)こだわりが強く頑固

頭でっかちな人は、自分の考えが正しいと思っているため、他人の意見はあまり取り入れない傾向があります。

「こうやってみたら?」とアドバイスをされても、自分のやり方にこだわり過ぎて「ああ言えばこう言う」状態になり、周りからは「口先ばかりで行動しない人」「話を聞いてくれない人」だと思われてしまうのです。

頭でっかちを改善する方法

前述したような心理が働いている場合、理論武装してしまう性格を改善するにはどうすればいいのでしょうか? その方法は以下の3つです。

(1)自分と違う意見も一旦受け入れてみる

頭でっかちな人は、頑固で他人の意見を聞かない傾向があります。ですが、自分と違う意見だからといってすぐに拒絶するのではなく、一旦「そういう意見もあるんだな」と思って受け入れてみましょう。

相手の意見を理解しようと寄り添う姿勢を持つだけでも発想が柔軟になり、周りからの印象も変わるでしょう。

(2)自信の無い自分を認める

すぐに理論武装してしまうのは、自信の無さを隠してプライドを守るため。でもそうやって隠していると自分もしんどいですし、周りの人との間にも距離が開いてしまいます。

余計なプライドはできるだけ手放し、自信の無い自分がいることを認めて受け入れてみましょう。それだけでも肩の力が抜け、理論で固める必要性を感じなくなることでしょう。

(3)考え過ぎているなと思ったら体を動かす

頭でっかちな人は、心配性で考え過ぎる傾向がありますが、そうするとネガティブな考えに傾きやすくなります。

煮詰まってきたなと思ったら、考えるのを一旦やめて、席を立ってトイレに行ったり、外をブラブラ歩いてみたりすることでリフレッシュして心にゆとりを持つようにしましょう。

行動まで伴う人になる方法

最後に、考えることのみにとどまらず行動まで伴う人になる方法を紹介します。

(1)やりながら考えるようにする

頭でっかちな人はじっくり考えてからやるかどうかを決めようとしますが、「やりながら考える」スタイルに切り替えてみましょう。

迷っていることがある時は、とりあえず動き出してみて、同時に考えることもしていくと、行動のスピードがアップします。

(2)「知識が正しいのか検証してみよう」と好奇心を持つ

実際に行動すると学べることはたくさんあります。知識があることでも、やってみると予想と違う展開になる場合も多いです。

既に持っている知識や理論は、行動を伴うことでさらに説得力が増します。「知識が合っているのか実際やってみよう」という好奇心を持つと、行動に対するハードルが下がるのではないでしょうか。

行動まで伴う人を目指そう!

一般的に「頭でっかち」はネガティブなニュアンスのある言葉です。ですが、知識の豊富さや勤勉さ、論理的に考えることができる力はとても大切なものです。

そういった長所を生かしていくためにも、理論と実践のバランスが取れる人を目指しましょう。行動力が身に付けば、あなたの発言に説得力が増して今以上に周りから重宝される人材になれるでしょう。

(高見綾)

※画像はイメージです

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