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三日坊主の意味とは? 「続かない」を克服する方法

高見綾(心理カウンセラー)

ダイエットや勉強が三日坊主になっていませんか? なぜ続かないのかを知れば克服できるかもしれません。今回は心理カウンセラーの高見綾さんに、三日坊主を克服する方法を教えてもらいましょう。

「三日坊主だよね」と言われた経験はありませんか?

「そもそも三日坊主って何?」「それってダメなことなの?」と思ったなら、三日坊主の意味やその特徴について詳しく見ていきましょう。

また、続けられない理由を心理的な側面から解説し、継続する力を身に付けるためのコツを紹介するので、ぜひ試してみてください!

「三日坊主」とは?

三日坊主とは、「非常にあきっぽく、長続きしないことのたとえ。また、そのような人のこと」(出典:『故事ことわざ辞典』)をいいます。

三日坊主の「三日」は短い期間の例えで、厳密に三日間の話をしているわけではありません。新しく始めてみてもすぐやめてしまうなど、長続きしないことを揶揄した言葉です。

由来には諸説ありますが、昔人々が貧しい生活を強いられた時代に、食べることに困らないようお寺でお坊さんになろうとした人が、質素な生活や厳しい修行に音を上げて三日間でやめてしまった、という話が有力なものだとされています。

実際に使われる時には、「今年こそはダイエットするぞ! と意気込んだものの、三日坊主で終わってしまった」「いつもは三日坊主の私だけど、英語の勉強だけは1年続いている」というように使います。

三日坊主な人に見られる特徴

では、三日坊主な人にはどのような特徴があるのでしょうか? まずは、自分が本当に三日坊主タイプなのか確かめてみてください。

(1)「明日からやろう」が口癖

三日坊主の人は、大事なことを先送りする癖があります。「今日はやる気が起きないし面倒だな」と思うと、「明日からやろう」と言い、明日の自分に期待するのです。

(2)好奇心旺盛で複数のことに手を出す

好奇心旺盛なのは良いことなのですが、「あれも気になるし、これもやりたい」と欲張り過ぎて、一度にたくさんのことに手を出す人は結果どれも中途半端になりがちです。

(3)買ったけれど読んでいない本や、やりかけのテキストが多い

買ったことに満足して全く読んでいない本があったり、途中までやりかけのテキストが複数あったりします。

そうしてそれらの存在を忘れて、また新しい本やテキストを買ってしまうことも多いです。

(4)元旦に決めた今年の目標が達成できたためしがない

元旦といえば気持ちを新たに今年の目標を定める人が多いですが、数カ月経つ頃には目標すら忘れているなんてことも珍しくありません。

結果として、達成されずに終わってしまうのです。

(5)記録を付け始めても途中で忘れてしまう

例えばダイエットをしようと意気込んで、体重や食事内容を見直すためにアプリに記録を付け始めたものの、しばらく経つとそもそもアプリを開くことすらなくなってしまったというパターンも。日記なども、続かない傾向が強いです。

三日坊主になってしまう心理・原因

では、どうして私たちは志半ばでやめてしまうのでしょうか? 心理的側面から見た三日坊主の原因を紹介します。

(1)人間は現状維持を望むから

何かを始めることは、変化することであるともいえます。

しかし、そもそも私たち人間のみならず生物には、「恒常性」といって、たとえ内部や外部の環境が変化したとしても、心身の状態を一定に保ち現状維持しようとする性質があります。

よって、潜在意識では「変わりたくない」と思っているので、本気で変わろうとする場合には習慣になってしまうレベルまで続けていく必要があるのです。

(2)想像通りになるから

続けられなかった時に「やっぱり自分は何をやってもダメだ」「根性が無いんだ」と自分を責めてしまうと、自己評価が下がります。

私たちは、自分が信じていること(ここでは「自分はダメな人間だ」ということ)を証明しようとするので、少しでも続けられないことがあれば「ほら、やっぱりね」と確認して、どんどん自分を卑下していきます。

すると「決めたことを続けられない人間だ」という意識から、自分がその通りの自分になっていってしまうのです。

(3)ハードルの高い課題を課すから

現状を変えたいと思うあまり、高い目標を掲げ過ぎてしまうと挫折するもとになります。

意欲に満ち溢れている初期の勢いでストイックにやろうとし過ぎると、毎日続けていくことを負担に感じて続けることが困難になります。

(4)頑張った先のビジョンが弱いから

続けていくためには、自分なりの目的や目標を持つ必要があります。

ところが、頑張った先のビジョンがふわふわしていると、続けていくうちに「これを頑張って、私は何をしようと思ったんだっけ?」と動機が曖昧になります。すると、やる理由が薄れてしまい続かなくなるのです。

継続する力を身に付ける方法

ここまでで、継続する力を身に付けるのはとても難しいように感じたかもしれません。

しかし、方法次第で継続力は簡単に身に付くもの。以下をぜひ試してみてください。

(1)生活のルーティンに組み込む

前述した通り、私たちは基本的に「変わりたくない」と思っているので、新しいことを続けていくためには習慣化するのがポイントです。

重要なのは、「あれをやろう!」「これをしなければ」と意気込むのではなく、日常の流れの一部としてしまうこと。「歯磨きをしながらスクワットをする」「テレビを見ている時は足のマッサージをする」など、日常に組み込んでしまえば意識せずとも体が動くようになります。

(2)新しく何かを始める時は、やらないことを1つ作る

あれもこれもと一度にやり始めようとすると、時間的にも精神的にも余裕が無くなります。そこで、新しく何かを始める時には、やらないことを1つ作ってみるのがおすすめです。

例えば毎日自炊しているところを、勉強したい日だけ外食や買ってきた物で済ますなど、何を手放したら時間に余裕ができるのかを考えてみましょう。

(3)緩くやり始める

意気込み過ぎてストイックに始めてしまうと挫折する元になるので、最初は小さなことから緩く始めましょう。何より続けることが大切なので、毎日やっても負担に感じない程度にします。

勉強を始めるならまずは15分間だけにしたり、筋トレなら5分間だけやってみたりします。続けていくうちに物足りなくなったら負荷を増やしていきましょう。

(4)できない日があっても、気にせず再開する

忙しかったり体調が悪かったりしてできない日があっても、自分を責める必要はありません。

ここで責めてしまうと、プレッシャーになって余計に続けられなくなってしまうので、「ま、しょうがないよね。こんな日もあるさ」と軽く受け止めて、気にせずまた再開しましょう。

(5)人目に触れる状況を作る

1人で黙々とやっているとモチベーションが下がってしまうことがありますが、人を巻き込むと続けやすくなります。

例えば、友達と「今日はこれだけやったよ!」と報告し合ったり、ブログやSNSなどにプロセスや成果を書き込んで人目に触れる状態を作っておいたりすると、「見られているからやらなくちゃ」と続けるモチベーションにつながることが多いです。

継続は力なり

自分に合うこともあれば合わないこともあるので、全てのことを続けなければいけないとは思いません。しかし、続けることで自分にとって大きな対価が得られるのであれば頑張りたいですよね。

人間は基本的に「変わりたくない」と思っている生き物なので、過度に自分にプレッシャーをかけ過ぎることなく、無理なく続けていけるように工夫しましょう。コツコツ続けていくことができれば、気付いた時には想像以上に力が付いているのではないでしょうか。

(高見綾)

※画像はイメージです

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