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私って繊細? 気が付き過ぎて疲れる毎日を緩和させるコツ

高見綾(心理カウンセラー)

自分の繊細さに生きづらさを感じていませんか? 気付き過ぎちゃうし、疲れるし……。そんな人に向けて心理カウンセラーの高見綾さんが、繊細さとうまく付き合う方法を教えてくれました。

「自分は繊細だ」と自覚のある人もいますよね。繊細であるがゆえに、さまざまことを感じ取りやすく、自分の性格に不自由さを感じて困っている人も多いかもしれません。

そこで今回は、繊細な人の特徴や心理と、繊細な性格のメリット・デメリットを解説します。繊細な人が不自由を減らして幸福を増やすコツについても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

「繊細な人」ってどんな人?

自分が繊細かどうかは判断しにくいもの。そこで、まずは「繊細な人」に見られる特徴を紹介します。

(1)他人の感情の動きに敏感

表情のちょっとした変化や言い方、雰囲気などから、相手の感情を読み取るのが上手です。共感能力が高いので、不機嫌な人が近くにいると、怒りを感じ取り過ぎて苦しくなってしまうことも。

(2)感受性が豊か

感じ取る能力が高く、多くの情報を受け取ることができます。想像力も豊かなので、得た情報を元に、ポジティブにもネガティブにもさまざまなイメージを描くことに長けています。

(3)自分より他人を優先しがち

繊細な人は穏やかな性格で争い事を好みません。「相手の気分を害さないようにしたい」という思いが強いので、自分の気持ちより相手を優先しがちです。

(4)傷つきやすい

何気ない言葉にひどく落ち込んでしまうなど、他人からの評価で自分の価値を測ってしまうところがあります。

(5)「気にしなくてもいいのに」とよく言われる

心のヒダが細かいので、ちょっとしたことでもよく気付きます。また、細かいところにこだわりがちです。

(6)自分に高い目標を課している

「こうでありたい」という目標を高く設定しているため、達成できなかった時に「自分はなんてダメなんだ」と失望しがちです。

結果を出さないと自分には価値がないと思っているところがあります。

参考記事はこちら▼

あなたの「繊細度」を診断でチェックしてみましょう。

繊細な人になってしまう理由や心理

繊細さは、持って生まれた先天的な要素と、経験などから生じる後天的な要素の両方があります。中でも、感じる力の強さや細やかな感性などは、元々の気質であることが多いです。

一方で、繊細さは「傷つきやすい」というネガティブなニュアンスで使われることもありますが、「傷つきやすい」といったような繊細な人の生きづらさは、後天的に身に付いた要素であることも少なくありません。

繊細であることの長所・短所

一見短所の多そうな「繊細さ」ですが、長所はあるのでしょうか? 長所・短所をそれぞれ見ていきましょう。

長所

(1)優しくて思いやりがある

穏やかで、誰に対しても思いやりを持って接します。相手が心地良く過ごせるように気を配っているので、他人を傷つけるような言動を取ることは少ないです。

(2)人の痛みが分かる

今までの傷ついた経験から、人の気持ちを理解する力に長けています。困っている人がいたら助けてあげたいと思いますし、親身になって寄り添うことができます。

(3)細かいことによく気付く

物事をさまざまな角度から考えられるので、他の人が思い付かないような豊かな発想力を持っています。感受性も豊かで芸術分野で才能を発揮することもあるでしょう。

短所

(1)ストレスを溜め込みやすい

相手の気持ちを深読みし過ぎたり、気を使い過ぎたりして、疲れてしまうことが多いです。

また、共感力も高いので、相手の感情をあたかも自分のことのように感じて振り回されてしまうことも。

(2)プレッシャーに弱い

プレッシャーを感じると本来の力を発揮できなくなってしまうことも。誰かに見られているというシチュエーションも苦手です。

(3)理想とのギャップに悩みやすい

上述した通り、繊細な人は「こうありたい」という理想の自分を強く持っていることが多いです。よって、理想通りになれないと自分を責めたり嫌ったりしてしまうので、ネガティブなループに陥りやすいです。

「気付き過ぎて疲れる」を軽減するには?

良い面も悪い面もある繊細さですが、「気付き過ぎて疲れてしまう」状況が続くなら改善したいですよね。その方法は5つあります。

(1)相手と自分の間に境界線を引く

いろいろなことを感じ取りやすい人は、自分の心を守る力がちょっと弱いかもしれません。私たちは、相手のことを100%ケアできるわけではありませんので、責任を感じ過ぎないことが大切です。

相手の問題はあくまで相手のものなので、イメージの中で相手と自分の間にシュッと線を引きましょう。相手の領域には入らないことが、相手を尊重するということでもあるのです。

(2)相手の意向は言葉で確認する

人の気持ちに気付いても、先回りするのではなく言葉で確認してみましょう。誰にでも聞けるわけではないと思いますので、まずは彼氏や親しい友人など安心できる人でやってみるといいですね。

例えば、彼氏が仕事で怒られて落ち込んでいたとします。何とか励まそうと思ったけれど、本人に聞いてみたら「俺は大丈夫だから、今はそっとしておいてほしい」と言うかもしれません。

自分と置き換えて、相手の意向を決めつけることはやめましょう。

(3)ネガティブな感情を悪いことだと捉えない

怒っている人の近くにいて不快な気持ちになる時は、「怒る=悪いこと」だと捉えています。

もちろん「怒っている人が好き」という人はいないと思いますが、ネガティブな感情を持つことを受け入れられると、イライラしている人を見てもあまり気にならなくなります。

(4)自分を全否定しない

「傷つきやすいよね」と言われて、ひどく落ち込んでしまう時は、少し解釈がオーバーになっているかもしれません。

もちろんネガティブなコメントをされれば誰でも落ち込みますが、自分の存在価値が全否定されたわけではありません。

どんなことにも良い面はあります。落ち込んだ時は、ネガティブなコメントの反対にあるポジティブな面にもバランスよく目を向けたいものです。

(5)敏感な自分を責めない

感じ取り過ぎてしまって苦しくなった時に、「こんな自分は嫌だ」と思ってしまうことってありますよね。でも、敏感さは良い方向で使えば優れた力となります。

敏感な自分をとにかく否定しないでください。

繊細な人が幸せを増やすコツ

では最後に、気付き過ぎて疲れてしまうことが多い繊細な人が、日々の幸せを増やすコツを紹介します。

(1)繊細な性格を受け入れる

後天的な要素は変えることができますが、生まれ持った気質は変わらないことが多いので、繊細さを受け入れて良い方向に生かしていこうと、まずは受け入れてみましょう。

(2)ポジティブなものに意識を向ける

よく気付くということは、ポジティブなことにも敏感だということ。意識を向けたものが拡大していきますので、人の嫌なところより良いところ、悪いニュースよりも良いニュースに目を向けましょう。

(3)居心地が良い環境を選ぶ

人間ですから、どうしても合う・合わないはあります。「私が変なのかな」と思い過ぎずに、今いる場所がつらいのであれば、自分が心地良いと思える環境や人間関係を選んでいこう、と思ってみましょう。

(4)味方を増やす

自分の繊細さを理解して受け入れてくれる人を持ちましょう。気持ちに共感してくれる人や、繊細さを個性として見てくれる人が近くにいると、本音で会話ができるので自己肯定感がアップします。

(5)自分の意欲を認める

理想と現実のギャップにショックを受けたり、苦しくなったりするのは、現実と向き合う意欲があるからです。「私はすごく向上心があるんだな」と捉えてみると、随分ラクになりますよ。

気持ちを変えれば世界が変わる

繊細であることは、良い悪いではなく、その人の気質です。

生まれ持っての特性はなかなか変えることはできませんので、自分の繊細さを受け入れつつ、良い面で生かしていこうと思ってみましょう。

そうするだけで、とても生きやすくなると思いますよ!

(高見綾)

※画像はイメージです

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