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気遣いの意味や使い方とは。気遣いができる人の特徴と心理

高見綾(心理カウンセラー)

気遣いの意味や使い方とは? また気遣いができる人の特徴について心理カウンセラーの高見綾さんに伺ってみました。

気遣いができるようになりたいと思う反面、難しいと感じている人も多いのではないでしょうか。

気を使い過ぎると疲れてしまいますし、良かれと思ったことが裏目に出るなんてこともありますよね。

そこで今回は、気遣いの意味やを気遣いすることのメリット、気遣いができるようになるための方法について紹介します。

気遣いとは

気遣いを辞書で調べてみると2つの意味が出てきます。

気遣い
1.あれこれと気をつかうこと。心づかい。
2.よくないことが起こるおそれ。懸念。
(出典:『デジタル大辞泉(小学館)』)

心配するという意味でも使われますが、一般的には相手を思いやるという意味で使われることが多いです。

気遣いの使い方(例文つき)

気遣いを文章で使うと下記のような使い方になります。

例文

・○○さんは気遣いができる人だ

・お気遣いありがとうございます

・私のことはどうぞお気遣いなく

相手のことを「気遣いができる人」と表現したり、感謝の気持ちを伝える際に「ありがとうございます」と一緒に使うことが多いでしょう。

誰かが自分のために神経を使って何かしてくれた時に使う表現でもあり、例えば誰かの家を訪問しておもてなしをしてもらった時に「お気遣いなく」と使ったりもします。

お気遣いなくを目上の人に使うのは失礼?

「お気遣いなく」は本来であれば「お気遣いなさらないでください」と言うところを動詞を省いている表現です。

そのため、目上の人に使う場合には失礼ととられる場合もあります。

より丁寧な言い回しとして、省略をせずに「お気遣いなくお願いいたします」などの言い方をすると良いでしょう。

「心遣い」との違い

似た表現である「心遣い」は、相手のことを思ってあれこれと対応することをいいます。

どちらも相手を思って何かをする、という意味合いではほぼ同じですが、「気遣い」は、相手に不快な思いをさせないように神経を使うというニュアンスがあるのに対し、「心遣い」は自然な真心を示す、というニュアンスであるところが違う点と言えるでしょう。

気遣いの類語・言い換え表現

気遣いを別の言葉で言い換えるとどうなるでしょう。

配慮

「手落ちのない、または、よい結果になるように心を配ること」を表す配慮。相手に不快感を抱かせないために、というニュアンスがあり、気遣いに近い言葉と言えるでしょう。

気配り

「間違いがないように細かいところまで注意すること」を指す気配りも同じ意味合いとなります。

気遣いができることのメリット

では、気遣いができると、仕事や恋愛においてどんなメリットがあるのでしょうか。

仕事面でのメリット

まずは仕事面で気遣いができることのメリットを見ていきましょう。

(1)周りから信頼され、仕事が円滑に進む

気遣いができるということは、相手が望んでいることを敏感にキャッチできるということ。相手が欲しい情報をさりげなく用意しておくなど、きめ細かいサポートで信頼され、仕事がスムーズに進みます。

(2)印象が良くなり仕事の依頼が増える

気遣いができると会話も弾みますし、相手は一緒にいて心地良く感じるので「 あの人に頼みたい」と名前が挙がりやすくなったり、「いい人知っていますよ」と紹介されることも増えたりするでしょう。

(3)いざという時に助けてもらえる

日頃から周りの人に思いやりを持って接していると味方が増えます。自分が本当に困った時、「あの人が困っているなら、一肌脱ぎましょう」と言ってくれる人が出てくるので、ピンチの時も切り抜けていくことができます。

恋愛面でのメリット

次は恋愛面でのメリットです。仕事面とは違い、どういった利点があるのでしょうか。

(1)モテる

恋愛は、自分と一緒に過ごしている時に相手がどういう感情を持つかがポイント。素直に好意を示したり、さり気なくフォローしたりといった気遣いができると、相手は一緒にいて心地良く感じます。

(2)恋人と長続きする

付き合ってしばらくたつと、トキメキは落ち着いてきますし、時にはけんかをすることもあるかもしれません。そんな時に思いやりを持って相手に接することができると、長くお付き合いができる関係となれるでしょう。

(3)大切にされる

男性の頑張りに気付いたり失敗をさりげなくフォローできたりする女性は、相手から感謝され大切にされる傾向にあります。

気遣いができる人の5つの特徴と心理

気遣いができることのメリットについて分かりましたね。では、気遣いができる人にはどんな特徴があるのでしょうか。また、その人たちはどうして気遣いができるのでしょうか。その心理も一緒に見ていきましょう。

(1)思いやりがある

本当に気遣いができる人は、「自分が好かれたい」ではなく、「相手の役に立ちたい」「相手に喜んでもらいたい」という思いやりの気持ちを持っています。

その人に合わせた対応をするために、その人をもっとよく知りたいと興味を持ちます。そして、「自分には何ができるか?」を常に考えているので、気が利く対応をすることができるのです。

(2)観察力があり気が利く

相手に興味があるので、表情や雰囲気の変化など、ちょっとしたことでもすぐに気付きます。相手がこだわっているポイントを褒めたり、相手が何を求めているのか敏感に察したりすることができるのです。

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(3)心にゆとりがあり、視野が広い

自分のことでいっぱいになっている人は視野が狭くなりがちですが、気遣いのできる人は心にゆとりがある分だけ、全体を見ることができます。

例えば飲み会の場で、盛り上がっていない人たちがいることに気付いて声を掛けたり、体調が悪そうな人を見つけて介抱したりすることができます。

(4)行動力がある

気遣いのできる人の最大の長所かもしれません。いつもと様子が違うなと思えば「大丈夫?」と声を掛けたり、後日メールでフォローしたりすることも。気付いてもやらない人もいますが、気遣いのできる人は、思い付いたらすぐに行動に移します。

(5)想像力がある

共感する力があり、相手の気持ちに寄り添うことができます。会話の中でも、「自分がこう言ったら、あの人はどう思うかな?」と想像して先読みをするなど、普段から一歩先の展開を考えています。

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気遣いができるようになるには

気遣いができるようになるには、どんなことに気を付けたら良いのでしょうか。意識しておきたいポイントを解説します。

(1)相手に心地良く過ごしてもらうことを意識する

「相手が心地良く過ごせるように」という意識でいると、自分のスタンスや視線の配り方にも変化が出てくるはず。話している相手の方に体を向ける、相手の目を見て話すといったことはごく基本ですが、できているかもう一度確認しておきたいものです。

(2)面倒くさがらない

「自分は気遣いができていない」と思っている人の中には、気を使うと疲れるという理由で、薄々気付いているけれどやっていない人たちもいます。

自分を犠牲にしているような感覚があると、「やってあげている」と思うようになります。これでは、気を使っても使わなくても、あまり良い結果にならないので、「無理のない範囲で自分にできることをする」という感覚でいると良いかもしれません。

(3)クッション言葉を上手に活用する

相手に何かを伝える時、言いたいことをストレートに伝えるだけでは、配慮に欠けてしまうことがあります。そこで、相手を気遣う場合、クッション言葉を使うようにしましょう。相手も受け止める心の準備ができます。

例えば仕事上でお断りをする時には「申し訳ないのですが」を使ってみたり、プライベートでは「もし違っていたらごめんね」と前置きをした上で聞いてみたりすると、印象が柔らかくなりますよ。

(4)相手に気を使わせない

相手に気を使わせないことも気遣いの1つです。察してほしいと思うこともあるかもしれませんが、自分の要望や考えをちゃんと伝えることも時には必要です。

例えば、デートで「ごはん何食べる?」という話になったら、「今日はお好み焼きがいい」など、自分の気持ちをはっきりと伝えましょう。

また、こちらが気を使っていることが相手に伝わってしまうと、相手も恐縮します。できるだけさりげなく、気付かれないようにやりたいものですね。

(5)相手のためになることをやる

自分の思う気遣いがこれで良いのか不安になる人もいるかもしれませんが、気遣いには絶対的な正解はありません。もし思ったような反応でなければ今後修正すればいいので、気付いたことがあれば、恥ずかしがらずにやってみましょう。

相手が疲れていそうだなと思ったら、自販機で飲み物を買ってそっと差し出すなど、ちょっとしたことで構いません。人のためにした行動は、相手からすると自分のためを思ってしてくれたことなので、うれしいものです。

気遣いは自分にできる範囲のことをやろう

気遣いはすぐに身に付くものではないので、私にはできないと思い過ぎる必要はありません。時間が掛かるものだと思って気長に実践していきましょう。

気を使って疲れてしまう人は、自己犠牲をし過ぎないことがポイント。相手の心地良さは自分の心地良さにもつながっていると考え、何か気付いたらできる範囲のことをやってみましょう。

(高見綾)

※画像はイメージです

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