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「嘘がつけない人」が世渡り上手になる方法

桑野量(心理カウンセラー)

嘘がつけないと、時には生きづらさを感じてしまうことでしょう。でも今日からそんな性格を、ポジティブに捉えてみませんか? 嘘がつけなくても世渡り上手になる方法を、心理カウンセラーの桑野量さんに教えてもらいます。

嘘がつけないことで困った経験はありませんか?

嘘がつけないから、余計な仕事を抱えてしまったり、苦手な飲み会を断れなかったり。正直者であるが故に、生きづらさを感じてしまうことも少なくありません。

簡単な嘘さえもつけないのはなぜでしょうか? 嘘をつかなくても、円滑に社会を渡っていけるようになる方法はあるのでしょうか?

嘘がつけない人の特徴

嘘がつけない人にはどのような特徴があるのでしょうか? 言動・性格それぞれの特徴を見ていきましょう。

嘘がつけない人の言動の特徴

(1)すぐ顔に出てしまう

自分の思ったことや感情が、すぐ顔に出てしまうタイプは嘘がつけません。

本人は嘘をつこうと思っても、周りにバレてしまうので結果的に嘘をつけないと言った方が正しいかもしれませんね。

顔には出さないようにしても、相手から質問されるとすぐにつじつまが合わなくなって相手に気付かれてしまうパターンもあるかもしれません。

(2)口下手

相手とのコミュニケーションにおいて、適当な返事をすることができないので口下手になってしまうことがあります。寡黙な人は正直者というイメージがあるのも、このような理由からきているかもしれませんね。

嘘をつけずにどう話していいのか分からなくなった時など、会話に詰まってしまうので、口数もおのずと少なくなってしまいます。

(3)曖昧な表現が多い

嘘はつけないけど、本当のことも話せない状況になってしまうと、ついつい曖昧な表現を使ってしまう場合があります。

「それで何が言いたいの?」と相手に聞かれても、どう返事していいか分からずに「言いたいことが分からない」と怒られてしまうこともあるかもしれません。

嘘がつけない人の性格の特徴

(1)素直

これは分かりやすい特徴ですよね。嘘がつけないので、何でも話してしまうことがあるかもしれません。

また、嘘がつけない人は、相手が嘘をついていると警戒することも少ないので、無邪気な印象を与えることもあります。

(2)頑固(こだわりが強い)

嘘をつけない理由に、自分が思っていることと違うことを言いたくないというこだわりがあるかもしれません。

自分の気持ちに正直に生きることを大切にしているからこそ、適当に嘘でごまかすことを苦手としてしまいます。

(3)正義感が強い

嘘をつくことだけに限らずに、ちょっとしたルール違反などに対しても許せない場合があります。一度決めたことなども守り続ける特徴があります。

嘘がつけない人の心理

では、嘘がつけない人にはどのような心理が働いているのでしょうか?

(1)ピュアである

嘘をつくことよりも、正直者でありたいという思いが強いのかもしれません。

「嘘=悪いこと」であると思っているので、悪いことはしたくないと純粋に思っているケースが多いようです。

(2)心理的な負担を抱えたくない

嘘をつくことが一回きりならばまだ良いかもしれません。

しかし、一度嘘をつくとそのつじつまを合わせるために、いろいろと作り話をしなければいけなかったり、嘘をついたことをずっと覚えていたりしなければいけません。

その心理的な負荷が苦手な人は、嘘をつくことができません。

(3)信頼関係を大切にしている。

一度自分が嘘をついてしまうと、同じように相手も嘘をつくかもしれないという猜疑心が生まれやすくなってしまいます。

相手との信頼関係を何よりも大切だと思っていて、ささいな嘘でもお互いの不信感につながってしまうことは避けようとします。

(4)不安が強い

嘘をつくことよりも、嘘をついたことがバレてしまった時のデメリットを感じてしまいます。

「余計に怒られてしまう」「次からは仲間外れにされてしまうかもしれない」というような思いから、嘘がつけません。

(5)罪悪感を感じやすい

嘘をつくことで得られるメリットよりも、嘘をついてしまったことへの罪悪感を強く抱いてしまうと、嘘をつくことができません。

ささいな物事でも罪悪感を抱きやすいタイプは、罪悪感がたまっていくことに何よりも抵抗があるため、「罪悪感がたまるくらいなら、正直者でいて損をした方が良い」と思ってしまう場合があります。

正直者が上手に世渡りする方法

しかし、正直者であっても必ず損するということではありません。嘘をつかなくても、世の中をうまく渡っていく方法もお伝えしましょう。

(1)ネガティブに捉え過ぎない

正直者であることは、信頼されやすい、責任感が生まれやすいなどのメリットもあります。

しかし嘘がつけないことで損をしていると感じて、自信を失い自分の軸がブレてしまうことの方が、人間関係での損失につながる場合があります。

まずは、自分の正直さをポジティブに捉えて自信を持ちましょう。

(2)気持ちを整理する時間を取る

嘘がつけなくて困った時は、返事を後にするなどとりあえず気持ちを整理する時間を取ってみましょう。そして、嘘をつかなくても自分の意思や意見を言えるように、頭の中であなたの考えをまとめてみてください。

その場で何とかしようと思っていると嘘がつけないので、相手のペースに引き込まれてしまいます。

(3)味方を作っておく

自分で嘘がつけないのなら、自分の代わりに対応してくれる味方を作っておくのも一つの手です。

自分では断ることが難しい案件でも、「一度上司に相談してから」と相手に切り出して、その後でお断りすることもありますよね。その場に味方がいないのなら、いったん回答を保留にし、味方を通して話すのもありです。

(4)嘘がつけないことをアピールしておく

あらかじめ自分から嘘がつけないことをアピールしておきましょう。正直者である事実がキャラクターとして周知されていくと、自分から嘘をつかなくても、相手があなたの態度から先回りして気持ちを察知してくれることも増えていきます。

「すぐに返事がないってことは、正直に伝えるのが申し訳なくて困っているのだろうな」と相手が気付いてくれることもあるでしょう。

(5)自分が許せるボーダーラインを知っておく

「嘘」といっても、事実と100%異なる嘘や、30%は本当のことが混じっている嘘など、その種類はさまざまです。どれくらいの嘘なら相手に言っても平気なのか? それをチェックしておいてもいいでしょうね。

事実無根なことを言うのは難しくても、少し真実を含みながら話せば大丈夫と感じる場合もあります。自分が平気だと思えるボーダーラインで、どうコミュニケーションするかを練習しておきましょう。

自分のコミュニケーションスタイルを見つけよう!

嘘がつけないことで周りや自分自身に振り回されてしまっていると、そのことがネガティブな要素しかないと感じてしまいます。

しかし、正直者であることはたくさんのメリットもあります。大切なのは自分のキャラクターに合ったコミュニケーション方法を見つけていくことです。

嘘がつけなくても、嘘がつけないなりに自分のコミュニケーションスタイルを作ることができれば、嘘をつけない性格を前向きに捉えられるようになるでしょう。

(桑野量)

※画像はイメージです

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