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根性とは? 根性がある人の特徴と身に着けるコツ

高見綾(心理カウンセラー)

「気持ちさえあればできる」といった根性論を押し付けられると、息苦しくなることはありませんか? 本当に根性は必要なのでしょうか? 今回は心理カウンセラーの高見綾さんに根性とは何で、必要なものなのか。そして必要とされる根性を鍛える方法を解説してもらいます。

職場で「根性がない」と言われて、「精神論だけではどうにもならないのに……」と思った経験がある人は少なくないかもしれません。とはいえ、「本当に根性って必要ないの?」と疑問も湧きますよね。

そこで今回は、根性がある人の特徴について詳しく解説し、根性は必要なのか、そうではないのかについて考えてみました。また、自分に必要な根性を身に付けるコツも紹介します。

「根性」とは?

根性とは、「その人の本来持っている性質。また、物事をあくまでやり通す、たくましい精神。気力」(出典:デジタル大辞泉)を表します。

「あの人は根性がある」と言う時には、物事に対して努力を続ける粘り強さや、覚悟のある姿勢を持っていることを意味します。一般的には、諦めずに一生懸命取り組む人のことを「根性がある」と表現することが多いでしょう。

根性って必要なの?

一昔前は、苦しくとも耐え抜くことが美徳とされていました。気合いや根性があれば困難があっても乗り切れる、うまくいくと。

しかし以前は、終身雇用・年功序列社会で長く勤めれば収入が上がる仕組みでしたが、今は経済の先行きが不透明な中、耐えて頑張るだけでは成果が出ないことも増えてきました。そんな状況の中、「根性で乗り切れ」だけでは、体を壊してしまう人や精神的に病む人も出てきています。

そして、価値観の多様化が進み、嫌なことを無理してやる時代ではなくなってきています。そのような背景から、気合いや根性といった精神論は時代遅れだという認識が広がってきているといえるのではないでしょうか。

スポーツなどでも、ただやみくもに頑張るだけではなくて、緻密にデータを収集分析し、効率的に上達する方法を模索するスタイルが増えてきています。いわゆる根性論は、具体的にどうすればいいかといった方法が示されないため、根本的な問題解決にはならないといわれることがあります。

とはいえ、根性が不要なのかというと、そうとは言い切れないと私は思います。嫌なことを無理してやる必要はありませんが、自分の好きなことを突き詰めてやっていこうと思った時、成果が出ないからといってすぐに諦めていたら何事も成すことができません。

自分が「これをやりたい」と決めたものについては、うまくいかないことがあっても、トライアンドエラーを繰り返しながら努力し続けていく姿勢が大切なのではないでしょうか。

根性のある人の特徴

上述したように「根性」も時には必要だといえます。そこで、根性がある人とはどんな人なのか、具体的な特徴を見ていきましょう。

根性がある人の性格

(1)責任感が強い

根性がある人は責任感が強く、自分が引き受けた仕事は最後までやり抜く強い意志を持っています。そして、言っていることとやっていることに一貫性があるため、周りの人からも信頼されます。

反対に根性がない人は、他人事のような意識を持っていることが多く、任されたことでも嫌になれば途中で放り出してしまうことも。

(2)努力家

根性がある人は、何事も一生懸命に取り組みます。自分のできることは自分でやろうと考えているので、うまくいくようになるための努力を惜しみません。

根性がない人は、嫌だなと思ったり傷ついたりしてしまうと、意欲が低下して頑張ることを止めてしまうことが多いです。

(3)忍耐力がある

根性がある人も失敗すればもちろん落ち込みますが、それでも立ち上がることができるのが特徴です。すぐに成果が出なくても、腐ることなく、前向きにやり続けます。

根性がない人はうまくいかないと、すぐに諦めたり逃げたりする癖があります。

(4)負けず嫌い

勝気で「やればできる」と思っているので、誰かに負けると悔しがります。とはいえ、その悔しさはあまり表に出さないことが多いかもしれません。悔しさを内に秘めて、「次こそは」と頑張ろうとします。

一方根性がない人は、最初から競争する気がないことも多く、本気で頑張ったのにできないと傷つくので、それならば最初から本気で取り組まないというスタンスを取る人が少なくありません。

根性がある人の言動

(1)言い訳をしない

根性がある人は、失敗したりうまくできなかったりした時に余計な言い訳をしません。「私の努力が足りなかった」と認めて、同じことを繰り返さないように粛々と努力します。

根性がない人は、「体調不良だった」「あの人がこう言ったから」などと言い訳をして、自分の非を認めません。

(2)感情をコントロールできる

根性がある人は、自分の機嫌は自分で取ろうと考えているので、気が乗らない時にはストレスを発散させたり、落ち込んだ時は自分を褒めて励ましたりするなどして、感情の扱い方が上手です。故に、安定して頑張り続けることができるのです。

一方根性がない人は、感情に振り回されてしまう傾向があります。

(3)無理なお願いにはNOと言う

自分のできることとできないことをちゃんと把握しているので、無茶なお願いをされた時はきっぱり断ります。根性がある人は、「これはやればできそうだ」ときちんと勝算を持って頑張る傾向があります。

反対に根性がない人は、自分のキャパを超えるものまで引き受けてしまい、結果的にモチベーションを自ら下げてしまうのです。

(4)どうやったらできるかを考える

壁にぶつかった時、根性がある人は「どうすればうまくいくんだろう」と考えますが、根性がない人は「何でうまくいかないんだろう」と考えます。

参考記事はこちら▼

試練にぶつかった時にやり遂げようとする人を
「根性がある」といいます。あなたは根性があるタイプかどうか診断します。

「根性がない」原因

では、なぜ「根性がない」と言われる状態に陥るのでしょうか。その原因をお伝えします。

(1)マイナス思考

「どうせやっても無駄」「きっとダメな人だと思われているんだろうな」など、何事もネガティブに考えてしまうと、悩むことにエネルギーを使ってしまい、どんどん自信がなくなっていきます。

自分にダメ出しをしながらポジティブに頑張るのは難しいものです。

(2)逃げ癖がついている

嫌だなと思った時に楽な方へ逃げる癖がついていると、チャレンジする前から諦めてしまいます。「どうせやってもうまくいかない」と思っているので、一生懸命頑張るモチベーションが湧かなくなります。

(3)主体性がない

「やらされている」意識が強いと、自分がやりたいことではないので、モチベーションが上がりにくくなります。どこか人任せだったり、他人事のように捉えていたりすると、なかなか真剣にはなれないものです。

根性を鍛える方法

最後に、身に付けておいて損はない「根性」を鍛える方法をご紹介します。

(1)まずは体調を整える

強い精神力は、健康な体に宿ります。何となく体の調子が悪いと頑張ることができないので、まずは体調を整えることから始めましょう。

早寝早起きをして、運動の習慣を付けて血流を良くすることで心身共にすっきりさせましょう。

(2)自分を褒める習慣を付ける

根性がある人は、根底では「やればできる」と考えていることが多いです。

「やってもできない」と思っていると頑張ることができないので、まずは「今日はこの仕事を頑張った!」など些細なことでもいいので、自分を褒めて自己肯定感を高めましょう。

(3)「どうしたらできる?」と考える

自分に対してどんな質問をするかは、予想以上に大切です。

「何で自分はうまくいかないんだろう」と思ったら、「どうすればできるようになるだろう?」に質問を変えましょう。それだけでも発想が変わり、脳がうまくいく方法を具体的に考えるようになります。

間違った「根性論」には惑わされないで

問題がある時には、「なぜうまくいかないのか」「どうしたらうまくいくのか」を具体的に考える必要があります。しかし、もしそういった具体策が何もないのに、「気合いで乗り切れ」「根性を出せ」と言われたとしても、苦しくなってしまうだけです。

そんな時は、「自分が悪いからだ」と思い過ぎずに、冷静になって物事を見直しましょう。根性はとても大切なものですが、使う場所を間違えないように見極めたいものですね。

(高見綾)

※画像はイメージです

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