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試験&面接前に! 簡単に緊張をほぐす8つの方法

沼田みえ子

ここ一番の勝負所で、ガチガチに緊張してしまう人もいるのではないでしょうか? どうにかしたいと思っても、焦るほど緊張はほぐれないもの。そこで、心理カウンセラーの沼田みえ子さんに、緊張する心理メカニズムと心をほぐす方法を教えてもらいました。すぐに試せるものばかりなので、ぜひチェックしてください。

入社試験や面接、会社のプレゼンや友人の結婚式のスピーチなどで緊張しちゃうこと、あなたはありませんか?

声が震える、早口になる、心臓がドキドキして頭の中が真っ白になる……。

そんな状況になって、あなたが本来持っている実力を出せなかったとしたら、それはもったいないことですね。

今回はなぜ緊張するのか、その理由とすぐに効果が出やすい緊張をほぐす方法をお伝えしますので、参考にしてください。

緊張する心理的要因

そもそも、なぜ私たちは緊張という心理状態に陥ってしまうのでしょうか? それは「恐れ」から自分を守る心の仕組みがあるからなのです。

人は恐れを感じたとき、それから身を守ろうと心身ともに活性化し、戦闘モードになります。

この戦闘モードになるときに、神経伝達物質のノルアドレナリンが放出されるのですが、そのノルアドレナリンが人を緊張状態にする効果があるのです。

緊張の原因となる「恐れ」の種類

では、緊張の原因となる恐れにはどんなものがあるのでしょうか? いくつか種類がありますので、詳しく見ていきましょう。

(1)分からないものに感じる恐れ

「面接でどんな質問をされるんだろう?」「本当にプレゼンでうまく話せるかな?」など、私たちは自分の想像ができない、分からないことには不安や恐れを感じます。

(2)過去のトラウマが生む恐れ

過去に大失敗をしてしまった経験があると、それが心のトラウマになることがあります。


「あの大失敗したときに感じた気持ちをまた経験するのではないか? 絶対に経験するに違いない……」。

そんな思い込みが恐れを作るのです。

(3)自分を責める心理が生む恐れ

「失敗した自分が許せない!」という自分を責める心理パターンを持っている人は、「周りの人も、失敗した私を許さないに違いない」と思い込みやすく、この気持ちが恐れを作ります。

(4)自己否定が生む恐れ

「こんな駄目な自分は、どうせ失敗するに違いない」と自分への駄目出しをしてしまう人は、「失敗する結果」が確定していると思い込みやすく、この気持ちが恐れを作ります。

(5)自己嫌悪が生む恐れ

自分で自分のことが嫌いな人は、「周りの人も私のことが嫌いに決まっている。だから私は受け入れてもらえないに違いない」と思い込み、嫌われることを恐れるようになっていきます。

緊張しやすい人の5つの特徴

前述した「恐れ」を感じて緊張しやすい人には、いくつかの傾向が見られます。

(1)他人の目が気になる人

他人の目が気になる人は多くの場合、「大したことないな」「全然駄目じゃん」と思われているのでは? とネガティブな気持ちになり、それが元となって緊張しやすいという特徴があります。

(2)相手や物事を過大評価する人

友達と話すときは特に緊張はしないけれど、例えば総理大臣と話すとなると緊張しませんか? また、1人の人に向かって話すのは大丈夫だけど、1,000人に向かって話すとなると緊張しますよね。

このように対象を「すごいもの」と捉えてしまいがちな人ほど、緊張しやすくなります。

(3)完璧主義な人

完璧主義な人は「失敗したら最後」と思っており、失敗は一つの通過点でしかないという考え方ができない傾向が強いです。

(4)過去に失敗経験がある人

過去に恋人から振られた経験を持っている人で、過去の彼とは別人なのに、「また振られるのでは?」とつい不安に思う経験をした人はいませんか?

人は過去の出来事を未来に投影する傾向にあります。過去に失敗経験のある人は、失敗を未来に投影して、同じことがまた起こるのではと考えてしまうのです。

(5)自分に自信がない人

自分に自信がない人は、なかなか成功ストーリーを思い描けません。

「こんな自分がうまくいくはずがない」と失敗が前提として常に心の中にあるため、恐れがどうしても消えにくくなります。

簡単に緊張をほぐす8つの方法

よく緊張してしまうという方も大丈夫、安心してください。

これからご紹介する緊張をほぐす方法は、私も講演前に実際に取り組んでいて「効果が高いな」と実感しているものばかりです。ぜひ試してみて下さいね。

(1)深呼吸をする

不安な状態に陥ると、私たちは呼吸が浅く速くなりがちです。ゆっくりと深い呼吸はリラックスに関わる副交感神経の働きを良くし、気分を落ち着けることができますよ。

4秒吸って6秒で吐きます。吐く方により意識を向けると効果的。

(2)自分の心境を実況中継する

「おぉ~、なんだか心臓がドキドキしてきました~。さすがにこれだけの人を前にして話すとなると、かなり緊張している模様です。」

このように感情を意識化(言語化)しているとき、私たちは感情の外側に立つことができ、感情にのまれることがなくなります。

(3)音楽を聴く

元気がなく落ち込んでいるとき、音楽からパワーをもらった経験はありませんか? 音楽は私たちの心にとても共鳴しやすいのです。

聴く音楽のジャンルはあなたのお気に入りであれば、どんなものでもOKです。

(4)リラックスのつぼを押す

手のひらの真ん中にある労宮というつぼを押すとリラックス効果があるといわれています。

手のひらを上にしてこぶしをぎゅっと握ったときに、薬指の先が当たる箇所を、もう片方の親指で5秒くらいゆっくり押して、ゆっくり離すという動作を10回ほど繰り返してみましょう。

(5)体を動かす

手を上にして背筋をぐーっと伸ばしてみましょう。そして膝を曲げたり伸ばしたりを2〜3回程度、繰り返します。もし場所的に可能なら腕をぐるぐると回すのもおすすめです。

ちょっと体がポカポカしてきませんか? 体と心は無意識でつながっています。血の巡りが良くなって体が温まると、心がリラックスしやすくなりますよ。

(6)ポジティブな言葉を発する

「余裕余裕!」「大丈夫!」「まだまだいける!」などポジティブな言葉を自分の耳に聞かせてみましょう。人間の心は騙されやすく、言葉の影響を受けやすいのです。

(7)緊張をほぐす食べ物を食べる

バナナは緊張を軽くするといわれる神経伝達物質セロトニンを作るために必要な要素を全て兼ね備えています。

また、チョコのカカオに含まれているテオブロミンは神経をリラックスさせてくれる効果が期待できます。

どちらも緊張したときに、食べてみると良いでしょう。

(8)緊張している自分を丸ごと受け入れる

「だよね、緊張しちゃうよねー」「そうそう、気合が入っちゃっているんだもん。そりゃ~緊張するのも無理ないよ」。

そうやって自分で自分に共感してあげると、緊張感が減りやすくなりますよ。

緊張することにおける2つのメリット

緊張することが嫌だと感じている人も多いと思いますが、実は緊張することにはメリットもあります。

(1)最高のパフォーマンスを引き出す可能性がある

生理心理学には、適度な緊張感が高まったときに良い結果が出やすいという、ヤーキーズ・ドットソンの法則というものがあります。

実際にスポーツ選手は大きな大会で自己新記録を出す人が多いですよね。適度な緊張は最高のパフォーマンスを生むこともあるのです。

(2)事前準備をしっかりするようになる

緊張するということは、それだけ気合が入っている証拠でもあります。また、失敗しないようにと今まで以上に事前準備をしっかりと行うようになります。

緊張と上手に付き合っていこう

入社試験や面接・社内でのプレゼン。ここ一番の場で緊張するのは、人として当たり前の反応です。

だからこそ上手に付き合っていく術を知ると、何倍もあなたのパフォーマンスを上げることができますよ。

(沼田みえ子さん)

※画像はイメージです。

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