もしかして五月病? そんなとき試したい解消法3つ
GW(ゴールデンウイーク)を過ぎたころ、気持ちがつらいなと感じたならそれは「五月病」かもしれません。今回は、精神科医のゆうきゆう先生に、五月病の予防法と対処法を詳しく教えてもらいます。
長期休み後の出社が憂鬱に感じてしまう経験は、誰にもあるのではないでしょうか? 特に、GW明けによく見られるこのような心理状態を「五月病」と呼びます。
ビジネスウーマンにとって親しみのある「五月病」ですが、今回は自分でできる「五月病」の予防法や対処法をお伝えします。
五月病とは
GW明けあたりに「いつものように眠れない」「食欲がない」「今まで楽しめていたものが楽しめなくなった」というような経験はありませんか?
GW明けごろから気分が落ち込み、今までのようには活動ができなくなった状態を「五月病」といいます。
「五月病」は正式な病名ではなく、4月に新しい環境でスタートを切った人がGW明けに感じる「気分の落ち込み」を指す通称です。
どうして五月病になるの?
人は新しい環境になると、緊張や不安などからさまざまなストレスを抱え込んでしまい、精神的ダメージを受けやすくなります。
3~4月は就職、転勤といった環境の変化が多く、体力的にも精神的にも張りつめる時期です。しかし新しい環境への期待から気持ちが高まっていて、またやるべきことも目白押しなので自分自身の疲れに気付きにくくなっています。
それが5月になると、環境にも慣れて余裕が出てきたことで、だんだんと状況を冷静に見られるようになります。すると今まで気付かなかった「理想と違う!」という不満や、積もり積もった疲れが一気に噴出するのです。
その結果「会社に行きたくない」「体が重い」などの症状が心身に現れることとなります。
五月病を回避するには?
五月病にならないためには以下の3つを心がけてみましょう。
(1)人と話す
気軽に話せる人がいるのは重要です。昔からの友達、家族などに今日あったことを話して共有できれば、ストレスをかなり減らすことができます。
(2)生活リズムを守る
生活リズムを守ることも重要です。起床時間、就寝時間を決めて、なるべくずらさないようにします。
規則正しい生活を送ることによって毎日のストレスをリセットでき、リラックスすることができるのです。
休日だからといってだらだら寝て続けていると、結果的に気分が不安定になってしまいます。
(3)完璧主義をやめる
「オールオアナッシング」思考をやめることです。
「オールオアナッシング」とは、「全か無か思考」または「完璧主義」ともいいます。例えば、テストで「100点じゃないとダメ!」と思ってしまうような人は、五月病になりやすいといわれています。
もし、企業や学校に入ってみて「思っていたのと違う!」と感じたとしても、「こんなものかな」と受け止められますか? 上司に怒られても落ち込み過ぎずに「まあしかたないな」と思えますか?
想定外なこと、ショックなことはあるかもしれませんが、そればかりではなく「まあまあ」良かったこともあるのではないでしょうか。
全てが満足のいく状態ではなくても、少しでも良かった点があれば「良し」としましょう。常に良い点に目を向けることができれば、気分が過度に落ち込むことはなくなるはずです。
五月病の対処法
「五月病になってしまったかも」と感じたら、ぜひ実行してほしいことは以下の4つです。
(1)運動
五月病の対処法は、先に述べた予防法にも通じるかと思います。人と会話し、生活リズムを守り、完璧主義を改めることはぜひ継続してください。
その上で、毎日のストレッチなど簡単な運動習慣を持つことは、心身ともにリフレッシュさせることができとても効果的です。
(2)複数のコミュニティに参加する
自分の属する集団を複数持つのもいいでしょう。学校や会社だけでなく、料理教室やサークルなど。
1つに限らずいくつかのコミュニティに参加すると、ダメな自分も複数ある自分の一面にすぎないと感じられ気持ちが楽になるものです。
(3)カウンセリングなどに相談する
カウンセリングを受けるのもおすすめです。カウンセリングは、重く考えず「ちょっと気分が晴れない」程度で気軽に利用してほしいものです。
(4)ネガティブな自分も許す
気分が落ち込んでいるとき、無理して気分を上げようとすると余計落ち込んでしまいます。
時間を決めて「この時間内ならネガティブ思考に陥ってもいい!」と自分を許してあげましょう。その方がかえって気分も回復するものです。
ストレスマネジメントするには
ストレスから受ける影響は、人によってさまざまです。
ストレスは必ずしも悪いものではありません。ストレスに強い人は、ストレスをプラスのエネルギーに変えることもできるのです。
ただ、ストレスに弱い人もいることでしょう。そんな人に実践してほしい、日々のストレスに強くなるおすすめの方法があります。
それは「日記を付けること」です。
ただ思うままに書くのではなく「最低一回は自分を褒める」というルールで、書いてみてください。「朝予定通りの時間に起きられた」など本当に簡単なことでも、無理やりだと感じても、とにかく自分を褒めてあげてください。
最初は難しいかもしれません。しかし、続けるとネガティブな出来事以外の良い出来事にも気付けるようになり、より客観的に事実を振り返ることができるようになります。
するとネガティブな出来事に引きずられて気分が落ち込むことが減っていきます。気持ちをフラットに保てると、ネガティブな出来事にも前向きに対処できるようになるでしょう。
五月病にさよならしよう!
一口に「五月病」といっても、不安症、パニック障害などの病気を含んでいる可能性もあります。ただそこまで心配し過ぎず、5月が過ぎるころにはいつも通りの状態に回復することも多いので、気楽に過ごしてください。
ただ、もしいつもと違う感覚が長期にわたって続く場合や、日常生活が送れないほど苦しいときは、医師へ相談してください。
あなたに合った対処法で、つらい時期を乗り越えていきましょうね。
(ゆうきゆう)
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