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好かれる人は無意識にやっている「ミラーリング効果」

高見綾(心理カウンセラー)

ミラーリングとは、鏡のように相手を真似ることで、好感を持たせる心理テクニックのこと。好かれる人は無意識にこのテクニックを使っていることでしょう。今回は恋愛で使えるミラーリングのやり方を心理カウンセラーの高見綾さんに教えてもらいました。

「ミラーリング効果」という言葉をご存知でしょうか。

ミラーリング効果とは、自分と同じようなしぐさや表情をする相手に自然と好感を抱く心理効果のことをいいます。

代表的なミラーリングには、

・飲食店で同じものを注文する
・同じタイミングで食べたり飲んだりする
・同じテンションで話す
・同じ表情をする
・相手の言葉をそのまま繰り返す
・同じタイミングでトイレに行く

などがあります。

今回は恋愛に効果的なミラーリングのやり方を具体的に紹介しますので、ぜひ活用してみてくださいね。

なぜミラーリングが効果的なのか

なぜミラーリングをすると好意を持ってもらえるのでしょうか。

初対面の人でも地元が一緒だと話が盛り上がるように、私たちは共通点のある人に対して親近感を抱きます。「自分と似ている」と感じたときに自然と好感を持つのです。

また、私たちは好きな人や興味のある人の真似をします。子どもが、親が食べているものと同じものを食べたがったり、親の言葉遣いを真似たりするのはそういうわけです。

仲の良い友達同士やカップルの雰囲気がどこか似ているのは、似ているから仲が良い一方、好きだから自然と真似をしているというのがあるのでしょう。

人間関係が上手な人は、無意識のうちにミラーリングをしていることが多いです。真似することで、「あなたに好意を持っています」「あなたに興味があります」というメッセージを相手に送っているのです。

恋に効くミラーリングのやり方

それでは、恋愛に効果的なミラーリングのやり方を具体的に紹介します。

(1)会話のテンポを合わせる

相手のテンポに合わせて話すと、リズムよく会話が進み「この人とは合う気がする」と相手に思ってもらいやすくなります。

相手がはきはきと話すなら同じ調子ではきはきと、相手がゆっくり話すなら同じ速さでゆっくり話すようにしましょう。

(2)相手の言葉を繰り返す

相手の言葉を繰り返すオウム返しは、カウンセラーがクライアントの話を聞くときにもよく使うテクニックです。相手が心を開きやすくなる効果があります。

彼が「今日は忙しくて疲れたよ」と言ったら、「そっか、忙しかったんだね、それは疲れちゃうよね」と同じ言葉を繰り返します。

同じ言葉を繰り返すだけなので、気の利いた一言を言おうとするより簡単。ですが、効果は絶大です。

相手は「自分の話を聞いてもらえた」「自分の気持ちを受け止めてもらえた」と感じます。

同じ言葉を使わず、別の言葉で言い換えると、ニュアンスが変わってしまい、「いやいや、そうじゃなくて……」と相手が言い出して会話の流れが悪くなることがあるので気を付けましょう。

(3)表情を合わせて感情を共有する

相手が楽しそうに笑ったら自分も同じように楽しそうに笑います。相手が怒っていたら「そっかそっか、それは腹立つね~」と相槌を打ちながら表情を合わせます。

楽しい雰囲気のときは少しオーバーにリアクションするといいでしょう。「この人と一緒にいると楽しいな」と思ってもらいやすくなります。

(4)動作を合わせる

相手が食べたり飲んだりしたら、同じタイミングか、ワンテンポ遅いタイミングで、食べたり飲んだりするとミラーリング効果が高まります。

会話中、相手が身を乗り出したら、自分も前のめりになって聞き、相手が首をかしげたら、自分も首をかしげるようにしましょう。

移動するときに歩く速度を相手に合わせるのもおすすめです。

(5)同じものもしくは似たものを注文する

相手がコーヒーを注文したら、自分もコーヒー、もしくはカフェラテやカプチーノなどを頼みましょう。オレンジジュースを頼んだり、自分だけデザートセットにしたりすると、ミラーリングにはなりません。

相手がカレーライスを注文したら、自分はハヤシライスにしてみるのもいいですね。似ているけど少し違うものを注文すると、「それおいしい?」など、会話のきっかけにもなるので一石二鳥です。

(6)メールやLINEは相手と同じ文調にする

メールやLINEの言葉遣い、改行の仕方などには個性が出ます。

相手が句読点を使わないなら自分も使わない、「笑」を使うなら自分も使うといったふうに真似をします。絵文字やスタンプも相手がよく使うものを選ぶといいでしょう。

文章の雰囲気を似せられると、「合う」と感じてもらいやすくなります。

注意するポイントは「自然に」行うこと

ミラーリングの最大のポイントは相手に「自分と似ている」と思ってもらうことです。

相手が「真似された」と思ったらむしろ逆効果。あくまでも自然にさりげなく行いましょう。

慣れるまでは難しいので、まずは簡単なものから取り入れるようにしてください。

自然に見える動作とは?

比較的簡単にでき、かつ、相手に気付かれにくいのは、

・会話のテンポを合わせる
・相手の言葉を繰り返す
・歩く速度を相手に合わせる
・同じものもしくは似たものを注文する

などです。

動作を真似るのは難易度が高い

難しいのは相手の動作を真似ること。相手が気付かないくらいさりげなく行わないと、不自然に映ってしまいます。

また、品のない言葉遣いや、足や腕を組むしぐさ、髪の毛や顔を頻繁に触る癖など、いい印象を与えない言葉や動作については、相手がしていても真似をしないほうがいいでしょう。

ミラーリングはあくまでも自然にさりげなく

ミラーリングは仲の良い友達同士やカップルなどでは、自然にやっていることばかりです。

あまり考えすぎず、まずは、会話のテンポや表情を合わせたり、同じ言葉を使ったりといった、簡単なことから取り組んでみましょう。

相手が「この人とはウマが合う」「この人は自分のことを理解してくれる」と感じると、2人の距離がぐっと近づきます。

恋愛だけでなく職場の人間関係にも使えるテクニックですので、いろいろ試しながら活用してみてくださいね。

(高見綾)

※画像はイメージです

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