最近ではマッチングアプリの台頭などもあり、めっきりその数を減らした合コン。
しかし、合コンでの会話術やテクニックは合コン以外の恋愛でも応用可能なのは間違いありません。
というわけで今回はマイナビウーマン編集部のたかはしさん&あーりんさんの合コンに幹事として同席し、そのあとに私が働くラブホのスタッフルームで反省会。ダメなポイントとよかったポイントを分析させていただきました。
>前回の【経営者編・第1章】【経営者編・第2章】はこちら
今回の戦場
Koru Takanawa Gateway Hostel, Café&Bar
東京都港区高輪2-6-7
1階はCafé&Bar、2・3階はドミトリールームと個室を用意した宿泊施設。泉岳寺駅から徒歩8分、3月に開業する「高輪ゲートウェイ駅」から徒歩5分。
今回の合コンメンバー
小柳津林太郎
38歳。言わずと知れた『バチェラー・ジャパン』シーズン2に出演した2代目バチェラー。新卒で入社したサイバーエージェントで幹部を務め、アメリカ子会社の立ち上げを牽引。2019年に独立し、株式会社GHOSTを起業した。
熊田勇太
25歳。2010年代にネットで話題になった、中学生4人組のプリクラ「チャリで来た」右上の人物。現在はイケメンシェフとしてテレビなどに出演し、今年から株式会社GHOSTの子会社Fuego代表取締役として飲食事業を経営。
たかはし/マイナビウーマン編集部
29歳。コスメオタク。今気になっているジャニーズグループはSnowMan。好きなタイプは円周率100桁言える人。
あーりん/マイナビウーマン編集部
27歳。群馬の秘境から上京。今気になっているジャニーズグループはSixTONES。好きなタイプはとにかく高学歴。
会社員と実業家は分かり合えない
今回は「実業家男性」との合コンだったわけですが、最後に、実業家の男性が一体どのような男性なのかということを解説させていただきましょう。
もちろん一言で「実業家」といってもさまざまなタイプが御座いますが、最大のポイントとして「サラリーマンではない」ということが挙げられるでしょう。
理想論を言えば「サラリーマンが頑張ることで実業家が儲かる」ということになりますが、現実的にほとんどの企業では雇用主と非雇用主の利害は対立します。
つまり根本的に理解し合えない存在であると言わざるを得ません。お互いが自分の目線で仕事の話をしたら、基本的に意見は一致しないのです。
特に意見が分かれるのが「給料」ですね。仕事に失敗しても給料が出るサラリーマンと、仕事に失敗したら給料が出ないどころか貯金が減る実業家では、お金に対しての価値観が全くと言っていいほど違います。
それじゃあ、お金の話はあまりしない方がいいんですか?
その通りです。ただ、その通りではあるものの、一つ大きな問題があるんですよね。
たしかに今回の合コンでも、仕事の話が多かったですね。
まぁ実業家は基本的に“仕事・命”な人たちですからね……。仕方がないと言えば仕方がないのですが、彼らと話していると大抵の場合、仕事の話題が出てきます。そしてその話題はまさに地雷原。踏み抜くと一発でアウトになるヤバいワードがたくさんあるんですよ。
実業家男性の「不安定さ」を理解する
今回の小柳津さん・熊田さんのように、メディアに登場する経営者は基本的に成功者ばかりなので見落としがちですが、世の中の経営者のほとんどはものすごく不安定な生活をしているのは間違いありません。
月収20万円のサラリーマン時代にはクレカが作れたのに、独立した瞬間クレカが作れなくなった、みたいな話はいくらでもありますからね。実業家は月収20万円のサラリーマンより社会的信用がないほど不安定だと言われているんですよ。
つまり実業家の多くは、半端ではない不安を抱えながら生活をしているんです。もちろんメンタルが強い方も多いので、不安の感じ方は鈍いかもしれませんが……。
これを理解していないと地雷を踏み抜いてしまうんですよ。その際たるものが「羨望」ですね。
隣の芝は青いではありませんが、サラリーマンが実業家に憧れるように、実業家もまたサラリーマンに憧れている部分が少なからずあるんです。
もちろん仕事が順調な実業家は違いますよ? ですが、ほとんどの実業家は仕事に不安を抱えています。そしてその不安を共有できる相手があまりいません。ですので、サラリーマンの立場から「実業家はいいなぁ」的な発言をすると「こいつは何も分かってねえな」と思われてしまいます。
でも、そんなにサラリーマンに憧れるなら、サラリーマンになればいいじゃないですか。
彼らも全く同じことを思っていますよ。実業家に憧れるならなればいいじゃん、って。小柳津さんから「そんなに実業家に憧れるなら、君もなればいいじゃん」って言われたらイラッとしません? それと全く同じことが逆の立場でも起こるんですよ。
もちろん褒められたり憧れられたりして自尊心がくすぐられないわけでもありません。しかし、それは同時に相手との距離を感じてしまうんですよ。
曖昧な褒め言葉はNG
実業家は良い意味でも悪い意味でも仕事の話を好みます。ですので、仕事の話を制することで彼らの心をつかめると言っても過言ではありません。
それでは、合コン中のこの会話を思い出してください。
小柳津「それで店舗を経営して……えっと、あれいくらだっけ?」
熊田「●●万くらい?」
小柳津「○○万とかじゃなかったっけ?」
熊田さんと小柳津さんが計画している店舗の話ですが、この発言に対する正解はなんだと思いますか?
えーっと……失礼かもしれないですけど、わざわざ金額を出しているってことはそれを自慢したいんですよね? だからそれに乗ってみたんですが……。
ええ、仕事の話でわざわざ金額を出す方は、基本的にそのことを褒めてほしい方です。そういう意味ではあーりんさんの対応は間違いではないでしょう。ですが、ここであーりんさんに聞きたいことがあります。
熊田さんと小柳津さんは都内某所にテナントを開く準備をしていくらかお金を使ったわけですが、この金額は高いんでしょうか?
私も不動産に明るいわけではないので断言はできませんが、立川にテナントを出すのと、六本木にテナントを出すのでは全く話が違いますよね? そもそもテナントの家賃っていくらくらいかご存知ですか? 飲食店の場合は敷金っていくらになるか分かりますか? 内装工事費がどれくらいか分かりますか? 火災保険だってバカになりませんよ?
で、ここからが問題なのです。小柳津さんと熊田さんも、あーりんさんが分からないことくらい分かっているんですよ。つまり、あーりんさんから「すごーい」と褒められると、うれしい反面「どうせ分かってねえくせに、適当に褒めやがって」というバカにした気持ちも生まれてしまうんです。
死ぬほど面倒くさいですが、人間ってそういうもんですよ。ただ、褒められてうれしいのは本当なので、軽くその場をやり過ごしたいなら「すごーい」で良いでしょう。ですが、もしも彼らと本気で付き合いたいのであれば「すごーい」だけではいけません。
普通に聞けばいいんですよ。「すいません。〇〇万円ってすごいのかどうか分からないんですが、それってどれくらいすごいんですか?」とね。
大丈夫ですよ。こういうふうに聞いたら、その金額がどれほどすごいか解説してくれるはずです。仮に彼らが自慢したくて言ったのだとしたら、より詳細に自慢ができますし、詳細な説明を聞いた上で「すごい!」と言えば説得力が段違いです。どちらにとっても得な対応ですので非常におすすめです。
もちろんこの方法は、仕事熱心なサラリーマン相手にも使えます。知りもしないのに「すごい!」と言うくらいだったら、相手のどこがどれくらいすごいのかを質問してから褒めた方がはるかに効果的です。
実業家男性が自信満々に見える理由
ところでお2人から見て、小柳津さんは自信満々な方に見えましたか?
ですよね。実際、小柳津さんは合コンの最中も会話の主導権を握って、自信満々な振る舞いをしていました。
ですが、考えてもみてください。小柳津さんが優秀な方であるのは全面的に同意しますが、それでも独立して起業する今、本当にそんなに自信満々でいられると思いますか?
小柳津さんは賢い方です。ですので、例え事業が失敗しても、次の仕事をすぐに見つけられることでしょう。ですが、新しく始める事業に対して不安を抱かないような自惚れ屋でもないはずです。
実業家。特に経営者として会社をリードしていく立場にある方は、自信がなくても自信があるようなふりをしないといけないんですよ。
もしも会社のトップである経営者が不安そうな顔をしていたら、従業員は付いてきません。ですので、実業家は本人の自信の有無に関係なく、人前では自信があるふりをしなくてはならないのです。
小柳津さんが先ほどテナントの金額の発言をしたのもこのせいだと思います。きっと日頃から自信を持った振る舞いをしているので、どうしても自信のあるような発言が増えてしまったのでしょう。
起業家や実業家の根底にある不安。それは最初に申し上げた通り「極度の不安定さ」が原因です。
仕事に失敗すれば給料が出ないどころか、自分の貯金が切り崩されていく。仕事がうまくいく保証なんてどこにもない。そんな不安を抱えていながら自信があるふりをしなければならない実業家という仕事は、我々の想像を絶するほどつらいものでしょう。
つまり、この不安を理解してあげられるかどうかこそが、実業家の男性と付き合えるかどうかの最重要ポイントと言っても過言ではありません。
実業家男性と付き合うために必要な覚悟
それじゃあ、「あなたの不安は分かってるよ」という立場で接してあげればいいんですか?
もしもあーりんさんが実業家ならそれでもいいんですが、あーりんさんが会社員である以上、それでは伝わりません。どれほど本心からそう言っても、相手からすれば「リスクも負ってないお前に何が分かる!」となってしまいますからね。
彼の仕事が頓挫して経済的に苦しくなったとき、そのときはサラリーマンである私が最低限養う。その覚悟こそが、実業家が恋人や結婚相手に求める素質の一つです。
そこまでは言いません。そうではなく「あなたが社長じゃなくなっても、私はあなたと一緒にいる」という程度の話ですね。
相手の「社長」という肩書きが好きなのか、相手自身が好きなのか、試されますね。
この覚悟があるかないかが、実業家の男性と付き合えるかどうかの分岐点になるでしょう。というかこの覚悟がないのなら、実業家とは付き合わない方がいいですよ。
(文:ラブホの上野さん、撮影:masaco)