「カリスマ性」の意味と正体。カリスマ性のある人の特徴とは
「カリスマ性」という言葉はどういう意味を持つのでしょうか。また、カリスマ性のある人に共通する特徴とは? ライターの仁科友里さんにカリスマ性のある有名人・芸能人を挙げてもらいながら、「カリスマ性の正体」に迫ってもらいました。
こんにちは、ライターの仁科友里です。
一時期、カリスマという言葉をよく聞きました。今日はカリスマ性とはどんなものなのか、考えてみましょう。
カリスマ性とは
カリスマの意味
辞書を引いてみますと、カリスマとは超人的、非日常的な資質や能力とされています。
つまり、「生まれながらに卓越した才能を持っている人」ということができるでしょう。
カリスマ性のある有名人
それでは、実際にどんな人が「カリスマ」と呼ばれたかを見てみましょう。
カリスマ経営者4人
日本のカリスマ経営者と言えば、ソフトバンクグループ・孫正義会長兼社長、ファーストリテイリング・柳井正会長兼社長、楽天・三木谷浩史社長、女優・剛力彩芽との熱愛で世間を騒がせた元ZOZOの前澤友作社長を思い浮かべる人も多いでしょう。
いずれの会社の製品も、わたしたちの生活になじんでいるものばかりです。
カリスマモデル2人
モデルにもカリスマといわれる人はいます。
ファッション雑誌『Popteen』の元モデル・益若つばさは身に着けたものが売れ、経済効果は100億円ともいわれていました。
同じく元『CanCam』専属モデルの蛯原友里も身に着けたものが飛ぶように売れ、その現象は“エビ売れ”という造語を生み出すほど。蛯原がCMに出演したマクドナルドのえびフィレオは、当初は限定メニューの予定でしたが、売れ行きが好評だったことから定番メニューの仲間入りを果たしました。
カリスマアーティスト2人
昨年引退した安室奈美恵や、浜崎あゆみも単なる歌手としてではなく、カリスマ性の持ち主として話題になりました。
’90年代後半に安室がブレイクした際は、彼女の細眉、ロングブーツなどのファッションをまねる若い女性が急増、アムラーと呼ばれました。彼女はTRFのSAMと結婚会見を開いた際に着ていたバーバリーのミニスカートは完売につぐ完売を記録したそうです。また、引退を表明してからは、1000億円もの経済効果があったといわれています。
「女子高生のカリスマ」と呼ばれた浜崎あゆみは、ネイルアートやヒョウ柄、金髪などのファッションで大ブームを巻き起こしました。2004年に浜崎の育ての親である松浦勝人氏が、所属事務所であるエイベックスから離れようとしたときは、浜崎も行動を共にすると表明。その結果、エイベックスの株価が下落するなど、存在感の大きさを物語っています。
有名人・芸能人だけじゃない。カリスマ性のある人
「カリスマ」の称号がついたのは経営者やモデルといった有名人だけではありません。
カリスマ店員
カリスマ店員と呼ばれる人もいました。
カリスマ店員に密着した番組を見たことがありますが、渋谷の109のギャルショップの中には、ひと月に2億円を売り上げるお店もあったそうです。
その秘密は、カリスマ店員のセンス。店員が歩くマネキンとして服を選び、自分で身に着けます。するとお客さんは「あのコーディネートをまるまるください」という感じで買っていくのです。そのため、当時のカリスマ店員は一日に何度も着替える必要があったそうです。
カリスマ美容師
カリスマ美容師という人もいました。
今でこそ、ヘアメイクが本業の美容家・IKKOさんがタレントとしてテレビに出ていますが、少し前まではテレビの世界では表に出る人と裏方(ヘアメイクや制作スタッフ)の役割分担ははっきりとしていました。
しかし、カリスマとして美容師にスポットが当たるようになると、女性誌で彼らの特集が組まれるなど注目を浴びる存在となっていきました。
カリスマ主婦
アメリカでは、料理、園芸、室内装飾をプロデュースしていたブロガーで、主婦のマーサ・スチュワートの商品がブレイク。カリスマ主婦と呼ばれました。
「カリスマ性」の正体
さて、こうやって見てみると、カリスマ経営者、カリスマモデルといった具合に、カリスマという言葉は職業にプラスされることに気づきます。
これはなぜかというと、カリスマという称号は、動かすお金が大きい人に与えられるものだからです。
ということは、カリスマと呼ばれている人たちは生まれつき備わった才能よりも、自分を見せる自己プロデュースの才能や、時代の空気を読むのに長けている人のことを指すのかもしれません。
カリスマ性がある人の共通点
「新しいもの」を提供できる
カリスマと呼ばれる人たちに共通するのは、それまでになかった「新しいもの」を提供していること。
たとえば、ユニクロが登場したとき、「安い分、品質やデザインはいまいちだろう」と思う人もいたでしょう。しかし、ユニクロはアーティストとコラボするなど、「安くて使い捨てる服」ではなく「安くてイケてる服」へとうまくイメージを移行させていきます。
CMにも女優・藤原紀香を起用するなど、幅広い層へアピールしていきました。今では女性誌でユニクロを使ったコーディネートを取り上げることは、もはや当たり前となっています。常識を知り、常識を破るのがカリスマの戦略なのかもしれません。
いつも輝いていられるとは限らない
カリスマは時代の波に乗れるかがポイントになりますが、時代は常に動き続けています。当然、カリスマとて、いつも輝いていられるとは限りません。常に全盛期を更新することは難しいでしょう。
また、注目されるがゆえに、足をひっぱりたい人が出てくるものなのかもしれません。カリスマ美容師として名を馳せた美容師の中には、美容師資格を持たない人がいることも発覚しました。
前出のマーサ・スチュワートは離婚を経験し、主婦とはいえなくなってしまいます。さらに娘に「料理は全然せず、冷蔵庫の中はいつも空っぽ」「子どもが嫌いで、ハロウィンの時は居留守を使っていた」など暴露本を出されてしまいまいました。
数人の家族のために料理を作ることと、ビジネスとしてより多くの人に受け入れられるものを作る能力は全く別物ですので、私はこの事実に驚きませんが、イメージという点でいえば、あまりよろしくはないでしょう。
その他にもマーサはインサイダー取引の疑いで逮捕されるなど、人生は波乱続き。センスある幸福な主婦がカリスマ化したというイメージからは大きくかけ離れ、セールスも低下してしまいました。
「カリスマ性がある」ことだけが成功ではない
みなさんは『セブンルール』(関西テレビ系)という番組をご存じでしょうか。様々な分野で働く女性に密着して、彼女たちのセブンルールを掘り下げていく番組ですが、この番組に出る女性は、必ずしもカリスマ(経済的効果が大きい)とは限りません。
1日1000個売れるおにぎりを作る女性や、県庁職員から漁師になった女性、フィギュアスケートの羽生結弦選手の衣装を作るデザイナーなど、通常あまりスポットの当たらない職種の女性に密着しています。紆余曲折を経て、現在の地位を築いた彼女たちは、しっかりと自分の仕事を全うしています。
カリスマを目指すもよし、『セブンルール』のように地道に行くもよし。自分が向く方向の働き方を選択してほしいと思います。
(仁科友里)
※画像はイメージです
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