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彼氏がセックスしてくれない原因は? 男性がセックスを拒否する理由と対処法

森林原人

以前「セックスレスの原因と解消法」について書きました。セックスレスでツラい思いをしている人がたくさんいるからか、予想以上の反響をFacebookやTwitterでいただきました。

ツラい経験など忘れてなかったことにしてしまいたいと思っている人からしたら、改めてセックスレスについて掘り下げたいなんて思わないでしょうが、セックスを完全かつ円満に卒業できた人でない限り、心のどこかで気になり続けているものです。

セックスレスは、快楽行為がないというだけではなく、大切な人との間にあるべきコミュニケーションが不足しているという捉え方ができ、だから寂しいわけです。精神的に満たされる関係を築いたり、維持したりするためには、セックスレスという状況の背景と向き合うことが大いに役立つと思うのです。

今回は、セックスに応じてくれない彼に悩む女性たちに向けて、セックスレス以前にある「男性がセックスを拒むキッカケや心理」について考えていきます。

男性はみんながみんなセックス好きなわけじゃないし、セックスできれば誰でもいいと思っている男性もごくわずかしかいない、ということを大前提とした上で進めていきます。

男性がセックスを拒む11の瞬間

まずは「セックスをしたいという欲望(性欲)」の中身をいくつかに分けて考えます。

その分類によって、「その欲望を満たしたくない」とか「その欲望自体と関わりたくない」とか、「その欲望を持ち合わせていない」といった複数の心情が見えてきます。

そして、これらは内面の出来事。それが表出すると「セックスの拒絶」という言動表現になるのです。

では、いくつかの観点に分けて、セックスを拒む男性心理を探っていきます。

(1)体が疲れている(休養欲>性欲)

3大欲求と呼ばれるものがありますが、多くの男性にとっては、性欲(快感欲)よりも睡眠欲(休養欲)が優先されます。

つまり、眠いときや肉体が疲れているときには、セックスしたいと思いません。

ただし例外があって、そのセックスが貴重(滅多にできない相手とのセックス、セックスが頻繁にない人生を送っている人)だったり、疲れマラと呼ばれる疲労のピーク時など性欲が活発になる場合もあります。

(2)心が疲れている(孤独欲>性欲)

精神的に疲れていたり、病んでいたりするときは、他者とのコミュニケーションを望まなくなることが多々あります。そういった「ひとりでいたいとき」は、性欲よりも孤独欲が優位になります。

いろいろな問題を抱え込んでいっぱいいっぱいになっているときは、気を遣わない相手(金銭でセックスサービスの契約を結んでいる人など)とのセックスは気晴らしになりますが、気遣いや思いやりを求められる相手とのセックスは、セックスすることで気疲れすることが予想されるのでしたくないのが男性心理です。

そういうときには、男女関係なくだと思いますが、セックスするのではなく、ただ側にいて優しく寄り添うように微笑んでくれたり、苦しさや辛さに相槌を打ってくれたりすることを相手に求めます。

(3)老化現象(気持ち≠体)

多くの男性の勃起能力(反射速度、硬度、射精切り替え力、回復)は、10代から20代前半をピークに下がっていきます。

下げないためには日々使い続けることが重要なのですが、それを知らないと久々に使う機会になったときにガクンと能力が落ちていることに驚きます。その驚きが不安を生み、次回使うときのプレッシャーにつながります。

こうなると負のサイクルで、本当はそれほど能力が落ちていないのに、自分で自分の首を絞めるようにプレッシャーと戦う羽目になりどんどんセックスができなくなっていく男性もいます。

(4)対象人物が性的好みとかけ離れている

男性が性的に魅力を感じるのは、若くて胸が大きくてすらっと手足が長くてきれいな顔立ちの女性だと思われていますが、必ずしもそうではありません。

僕が確信を持って発信している格言に「必ず誰かが誰かのストライク」というのがあります、歳をとっている、胸が小さい、手足が短い、太っている、ブスと言われる、など当事者からしたらコンプレックスであることも、魅力的に感じる男性はどこかに必ずいるということ。あらゆる身体特徴に対し興奮する男性が必ずいます。

この千差万別の性的好みは、人と人とを多種多様に組み合わせますが、好みが変化したり、その相手が変化したりもするので、出会いと別れを繰り返させます。

性的側面からは終わっても、築き上げた信頼関係や情によって一緒にいる選択をすると次第にセックスレスになります。

(5)性欲を嫌悪する価値観

冒頭で説明したように、性欲は社会的に下品なことと思われがちです。そういった価値観やイメージを物心つく前から周囲(多くは家庭)から刷り込まれた人は、男女関係なく性的なことを拒絶します。

セックスすること、セックスに興味を持つこと、セックスで快感を得てしまう自分、あらゆる視点から拒絶・否定を繰り広げます。

不思議なことに、そういった価値観の人がふとしたきっかけで反転し性的に奔放になるということも多々あります。いずれにしても、性に人一倍とらわれている人生といった意味では同じ括りです。

(6)セックスへのプレッシャー

セックスで、「愛情を証明して」とか、妊活として妊娠をしたいとか、結果や課題を与えられると、意識的に勃起や射精をしていくことになります。

プライベートな行為だからパンツを脱ぐわけで、社会性を捨て去る瞬間であるはずなのに、そこに社会活動的な意識を持ち込まれると気分が乗りにくくなる男性もいます。

(7)過去の恋人や理想との比較・代替

セックスをしている2人の、その瞬間にある感情や欲望が互いに向かうことで行為がなされるのではなく、意識が過去や未来、どこか違う場所や相手にいっていると、体と頭が解離します。

それは相手の体だけとセックスしていることになるので、どこか上の空だったり、見えない相手と戦ったりすることになり疲労します。

体だけでなく、そこにある心(意思や感情)も含めてその人なわけで、体だけを求められると物化されていると感じ、比較や代替の対象にされている相手もやるせなくなります。

(8)セックス市場における自信のなさ

セックス市場での評価とは、モテるかどうかといった表現に変換されることが多いのですが、高齢になっても性的経験がなかったり、性的魅力がうまいこと発揮できず気づいてもらえなかったりすると、セックスと関わりたくないと思うようになります。

学校において苦手な科目は意欲的に勉強しようとならないのと同じです。

それは自分自身の評価を下げないためで、セックスを通して突きつけられる性的敗北感への恐怖と防衛からなるものです。

(9)女性や女性器そのものへの嫌悪

前述の(5)と近いものですが、セックスを通して快楽を得ることの否定ではなく、女性性への恐怖、拒絶からセックスを避けるパターンもあります。

それは女性から性暴力を加えられたり、育つ環境で女性(多くは母親)に虐げられてきたり、強烈な映像や状況を見てしまった、過去の性的体験の中で傷つけられたといった要因があります。

これを自分の中で受け止め処理するときに、自分を守るために歪んだ認識で記憶することになります。結果、対個人への否定や拒絶ではなく、「女性」や「女性性」といった大きな括りで嫌悪していきます。

(10)愛着の未学習

育つ環境で、愛着関係を誰か(中心は両親)と築けず体感できていないと、本能が成長・成熟できなかったり、損傷したりします。

すると他者や自分を愛し、大事に思うことができません。

なので、愛おしいと思いその相手に愛情を本能的に持つことができません。ただし、思考として愛情表現を学習すると、その視点で対応することができます。

日常生活の中で例をあげれば、傘を持たず雨に濡れ凍えている人に対し、家を用意するのが良いと考えるのが思考で、自然と抱きしめ温めてあげようとするのが本能です。

どちらかを正解と決める必要はありませんが、セックスに至りやすいのは、後者の本能タイプのほうです。

(11)セックスの貴重性の低下

付き合う人ができたり、結婚したりすることでセックスが日常的な行為になると、セックスの貴重性が弱まります。

セックスそのものだけでなく、相手の性的側面も好奇心を駆り立てなくなり、性的新鮮さが欠如するとセックスへの興味、する動機がなります。

若いころに刺激的なセックスをたくさんした人に多いのは、セックスの奥深さがわかったと自覚し、探求することを卒業してしまう例です。

彼氏が彼女のセックスを拒む理由

では、この「男性がセックスしたくない瞬間」をカップル間に落とし込んで考えてみます。

上記11パターンの中から、“カップル間でかつてはセックスをしていた彼氏が彼女の誘いを断る理由”は、

(1)体が疲れている(休養欲>性欲)
(2)心が疲れている(孤独欲>性欲)
(3)老化現象(気持ち≠体)
(4)対象人物が性的好みとかけ離れている
(6)セックスへのプレッシャー
(7)過去の恋人や理想との比較・代替
(10)愛着の未学習
(11)セックスの貴重性の低下

です。

(1)~(4)の場合、彼女に原因はありません。

(6)(7)は彼女側に原因がある例です。ただ、一方的に彼女がセックスレスを引き起こしているわけではなく、半々か、少なくとも4対6くらいの割合で双方に原因があるといえるでしょう。

(10)の場合、思考で対応することができる男性もいますが、日常にも触れ合いがないのに、セックスという行為だけしておこうとなるので、日常とセックスをつなぐ前戯の前兆となるようなものがなくなってしまいます。

(11)の場合、お互いの存在が日常的になり、性的魅力の欠如や、次があるという余裕がセックスレスを引き起こしていますが、代わりに、情や信頼が増したり絆が強まっているフェーズにあることが多いです。

上記のパターン以外にも、社会的な職務や責任が山積みで、日常を忘れセックスモードへの切り替えが困難なパターンもあります。

一緒に暮らしている2人が1週間にたった2時間、くっつく時間が取れない、作れない場合は、仕事を含む生活スタイルを見直す必要があるでしょう。

セックスを拒否されたときの切り返し方は?

セックスを拒否されたときに、まず何よりも心がけなければいけないのは、行為の否定であって、関係性や人格、魅力の否定ではないときっちり分けて受け止めることです。

拒む理由をすぐに聞いてはいけない

それから、拒否した理由をその場で突き止めておきたいと思うのが人情ですが、その場では動揺したり、すぐ訳を聞いたりせずに、お互いへの信頼が安定しているときにサラッと聞きましょう。

そのほうが関係の否定という勘違いに陥らず、本音を聞き出しやすいし素直に受け止めやすいのです。

そして、そのタイミングで、自身が何を望んでいるのかも伝えましょう。できる限り簡潔な言葉で、相手を一方的に責めることのないようにしてください。

当然そのときも、過去や一般論と比較して望みを伝えないことが大切です。2人のことなのだから、社会の代表、もしくは女性の代表という立場で相手を責めないようにしてください。

もしも、社会的行為としてセックスを捉えている場合の話し合いなら一般論を持ち出しても良いでしょうが、セックスする当事者は個人であることを忘れずに。

セックスを拒む彼氏との向き合い方

最後に、セックスを拒む彼とのコミュニケーションのコツをお伝えします。

これは、助産師の清水幹子さんから教わった方法を僕なりにアレンジしたものです。

日常と、パンツを脱ぎ性器という非日常的器官を接触させる行為の間は、ワンステップではありません。

3週間で、3ステップかけて久しぶりのセックスにたどり着こうとする方法をおすすめします。

1週目

性的な意味を持たず、純粋に相手へマッサージを毎日する1週間を送りましょう。

2週目

今度は逆に、自分にもマッサージをしてもらいつつ、引き続き毎日マッサージをする1週間を。

後半では、マッサージ以外のときも、お互いの体に触れ合うコミュニケーションを積極的に取る(「凝ってない?」「揉み返し大丈夫?」と言いながらしつこくない程度にベタベタ触る)。

3週目

ハグを出かける前、帰宅時、寝る前、(家の中で)すれ違ったときなどにする。時間を決めて(5分、10分、15分など)、寝る前に薄暗い中で裸(下着あり)で抱き合う。

そのとき、出会った当初の楽しかった思い出などを話したり、キスと性器以外の部分を撫でたりすることも同時に行う。

最終日

軽い口調で「リハビリを兼ねてショートコースのエッチしてみない?」と誘う。

実際にすることとなったら、目を見て、名前を呼んで、「好き」と言葉に出し、心から甘えたり、深く抱きしめたりすることが重要です。挿入すること、完璧に終えることにはこだわらないでください。

3週間してきたことの延長にある自然な流れの行為だけをすればいいです。

触れる喜びを思い出そう

もしも3週間で何も解決しなかったり、どの段階もうまくいかなかったりしたら、十分にできることはやったと自分を褒めてあげ、性的なことに関しては外に気持ちを向けてみましょう。

さぁ、触れる喜びを求める本能を呼び覚ましてください。

(森林原人)

※画像はイメージです

 

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