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唇が荒れる原因って? 専門家が教えるリップケアの方法

西田美穂(カラーアナリスト/美容研究家)

藤野晶/dcp

冬は空気の乾燥によって、唇が荒れたという経験は誰でもあるものです。これからの季節、唇のケアは必須ですよね。そこで、唇が荒れる原因やオススメのリップケア方法について、美容家の西田美穂さんに聞きました。

唇が荒れる原因は? リップケアの重要性

そもそも唇はとても乾燥しやすく、敏感です。なぜなら唇は角質層が極めて薄く、皮脂膜もなく、保湿機能やバリア機能が低いためです。そんな弱い部位が荒れてしまうのには、3つの要因が挙げられます。

乾燥

冬場や空調の効いた室内など、空気中の湿度が低い乾燥状態にさらされていると、唇の水分が奪われていきます。また、唇をなめる癖や口呼吸の癖がある場合、唾液が蒸発する際に唇の水分を奪っていくので、乾燥を加速させます。乾燥した角質層は徐々に厚くなり、ひび割れや皮むけとなって現れるのです。

摩擦

飲食をする、歯磨きをする、口元を拭う、などの日常的な行為によって唇に摩擦を与えています。加えて、女性は口紅を塗る、直す、メイクを落とすといった際にも唇をこすってしまいます。これらの摩擦は刺激に弱い唇にとってダメージになります。

血行不良

血行不良は、冷えや胃腸の調子がよくない場合に起こりがちですが、このとき唇の色は紫がかって見えます。これは水分や栄養分が十分に巡っていない状態です。この弱った状態ではいつも以上に潤いを保つ力やバリア機能が低下し、カサカサになってしまいます。

日常でできるリップケアとまちがった方法

唇は常に荒れる危険にさらされています。そこで、普段からできるリップケアを紹介します。また、ついやってしまいがちなケアの方法の中には、実は唇に負担のかかるものもあります。まちがったケアについても説明します。

日ごろからできるリップケアの方法

外出時はUVカットリップ

唇もお肌と同様、いえ、お肌以上に紫外線によるダメージを受ける箇所です。素の状態を紫外線の下にさらし続けると、乾燥、シミが発生する恐れがあります。季節を問わず、外出時にはUVカット効果成分入りのリップクリームを塗りましょう。

マスクで保湿

皮むけが気になるとき、通勤時間などにも使える方法です。唇用美容液やリップバームなどをたっぷりと塗り、マスクをして時間をおきます。30分もすれば柔らかくなっていますので、ティッシュでやさしく拭き取ります。強くこすったり、無理やり剥がすのはNGです。耳をつかんで前後に引っ張ると血行もアップしてより効果的。

ラップでパック

お風呂に浸かっているとき、または入浴後にオススメの方法です。口の大きさよりやや大きめに切ったラップと唇用美容液を準備します。そしてお風呂で角質が柔らかくふやけた状態の唇に、唇用美容液をたっぷりと塗り、ラップをピタッと貼り付けます。その後5~10分置いて、お湯に浸したコットンでやさしく拭き取ります。唇用美容液でなく、はちみつを用いて行ってもしっとり仕上がります。

リップスクラブ

細かい粒「スクラブ」で唇をこすることにより、唇の古い角質を取り除いて柔らかくし、血行を促進させるケア方法です。唇を少量の水で湿らせてから、適量のスクラブを指に取り、唇全体をくるくるとやさしくマッサージします。2分程度したら、ぬるま湯ですすぎます。マッサージの後は保湿も忘れずに。入浴後に行うとより効果的です。スクラブのマッサージはリップケアではありますが、薄い皮膚に刺激を与えることにもなりますので、週に1~2回程度で十分でしょう。

シュガースクラブ

その名のとおり、砂糖をスクラブとして用いるケアです。砂糖は、お肌に溶け込む浸透力が高く、吸水・保湿力も高いという性質があります。砂糖と油分を1対1で混ぜるのが基本のレシピ。油分にはバリエーションがあり、オリーブオイルやココナッツオイル、ワセリンやベビーオイルが使用可能です。「シュガースクラブ」の使用方法は、前項のリップスクラブと同じです。皮膚が薄くデリケートな部位である唇にも適したケアといえます。家庭にあるもので、誰でも簡単に手作りできるのもよい点です。

まちがったリップケアの方法

こまめなリップクリーム

1日に10回以上塗り直してるかも……という人はご注意を。常にたっぷり保湿をしておきたい気持ちはわかります。ですが「リップクリームをグリグリ塗る」行為そのものが唇にとって刺激になることがあります。特にスティック状(固形)のタイプは注意が必要。メイク前、食事および歯磨き後、入浴後……と考えると、1日に5~6回を目安にしておきましょう。固形タイプがお好みの人は、ポケットに入れたり手で温めたりして、少し軟らかくなった状態で使用すると刺激が小さくなります。

左右に往復リップクリーム

近年見直されている「リップクリームを塗る方向」ですが、正解は「縦」です。左右、横方向に往復させて塗るのは、唇の縦じわの流れに逆らって塗ることになるので、唇にとっては刺激になってしまいます。またリップクリームを縦方向に動かすことで、縦じわの中にもしっかりと入り込んで、ケア効果がアップします。グリグリと往復させる必要はなく、1回で大丈夫です。慣れないかもしれませんが、「縦に」「1回」を心がけましょう。

ゴシゴシメイクオフ

メイクを落とすとき、顔全体をいっぺんに行っていませんか? しかし実際には、顔全体にメイク落としを広げて落とそうとすると落ち切らないことが多いのです。結果、メイクが落ちない気がして、ゴシゴシと強くこすることにつながります。もちろん口紅が残ると色素沈着やケアの妨げになりますが、強くこすることは直接的ダメージを与えることになるのでNGです。

メイクした日は、ポイントメイクリムーバーを使用することをオススメします。これは顔全体のメイク落としの前に行います。コットンに取り、10秒ほど唇の上で押さえます。軽く滑らせれば、大抵の口紅はすっきり落ちるでしょう。落とす力が強く、刺激もやや強めのリムーバーですが、短時間でするっと、かつ確実に落としたほうが唇にはやさしいということです。

自分に合ったリップケア用品を見つける

上記のように、唇が荒れないようにするには日ごろのケアが大切なのですが、市販のリップケア用品ではどのようなものを使えばよいのでしょうか? オススメのリップケア用品を紹介します。

おすすめリップケア用品

資生堂「モアリップ」(第3類医薬品)

1,200円(税抜)※メーカー希望小売価格

無香料・無着色、チューブタイプのリップクリームです。医薬品なだけあって、有効成分を多数配合。唇の荒れを治したいときに頼れる存在です。筆者はリップが合わないと唇がかゆくなることが多かったのですが、これは平気でした。唇の調子が悪い朝も、スキンケア後に塗ると、メイクをしている間にしっとりなじみます。軽くティッシュで拭き取ればつるんとした状態に復活します。

THREE「リップコンシャスプロテクター」


3,024円(税込)

「SPF35/PA+++」とUVカット効果があり、保湿効果も高い、スティック状のリップ下地です。紫外線吸収剤フリーで唇にやさしいのもうれしいポイント。ほんのりとコーラル色がついているので、濃いめの唇色が少し抑えられ、上に塗る口紅の発色を助けてくれます。筆者はすっきりした形が好きで手に取りましたが、潤ってUVカット、口紅がきれいにのる……と、ほしい機能がそろっていて、いつの間にかリピートアイテムになりました。

リップケアは正しい方法で行うこと

唇が荒れる主な原因は「乾燥」「摩擦」「血行不良」の3つです。リップケアの方法には「UVカットリップを塗る」「マスクで保湿」「ラップでパック」「リップスクラブ」「シュガースクラブ」があります。「乾燥」に対しては保湿を行い、「血行不良」に対しては血行改善が効果的です。また、まちがった方法としては、「リップクリームの塗りすぎ」や「ゴシゴシメイクオフ」があります。唇を強くこすったときの刺激は、荒れの原因である「摩擦」につながりますので、気をつけましょう。

(文:西田美穂、構成:藤野晶/dcp)

※画像はイメージです

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