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嫌いだけど羨ましい!  「図々しい人」の心理と対処法

相手の都合を考えず、自分の要望だけを押しつけてくる図々しい人……。あなたのまわりにもいませんか? 忙しい仕事中に「ついでにお願い!」と関係ない仕事をやらせようとしたり、「コンビニ行くなら一緒に飲み物買ってきて!」と頼むのにお金を渡さなかったり。図々しい人に迷惑をかけられて悩んでいる人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、心理コーディネーターの織田隼人さんに図々しい人の対処法を聞きました。

「図々しい」の意味とは

図々しいとは、人に迷惑をかけながらも平気でいられる状態を指します。他人への遠慮がなく、自分中心になってしまう人がその例ですよね。あなたのまわりも、こんな図太い性格の人はいませんか?

図々しい人の特徴と心理とは?

まわりに一人でもいるとうんざりしてしまうのが、図々しい人。そもそも図々しい人の特徴や心理はどうなっているのでしょうか。くわしく分析していきましょう。

自覚がないと危険! 図々しい人の特徴とその心理

1.「もらいたい」の精神が強い

図々しい人は、「自分からは人にあげたくないけれど、人からはもらいたい」という考え方をしていることが多いです。たとえば、すぐにお礼としてお返しができる人ならば図々しいとは思わないですよね。しかし、もらうだけの一方通行を押し通そうとする人には「図々しい」という印象を抱いてしまうもの。このように「もらいたい」精神が強い心理は、自分で努力をするよりも与えられるのが好きだという気持ちが隠れています。自分が頑張るのではなく、与えてもらうことに意識が向いているので、人から何かをしてもらうことに対して頑張るというズレが生じるのです。

2.相手の意図をくまない

誘われていないのにイベントや飲み会などに参加したり、相手が嫌がっているのに仕事を押しつけたりと、相手の意図をくまない人も図々しいといえます。自分の意思を優先して、他人の考えに気を配っていないと図々しいととらえられてしまいます。図々しい人は嫌われることに鈍感なので、相手の意図を読まない、空気をあまり気にしないという心理があるようです。好かれる・嫌われるよりも、思い通りに行くかどうかのほうを大事にしているので、ある意味率直に何でも言いたいことを言う傾向も。

3.自分の損は受け入れられない

まわりから好かれる人は、自分がたとえ損をする決断であっても受け入れることが多いもの。そうすると、自分以外の誰かが幸せになって、全体としてはうまくいく場合もあります。しかし、図々しい人は自分が中心なので、全体が良くなるとしても自分が損をするときには受け入れないことが多いのです。こういう人は「他人は損をしてもいいので、自分は損をしたくない」という考え方をしています。そのため自分が損をしそうになると、なんとか回避しようと努力し、それをしっかり主張します。

4.与えられたことや親切にしてもらえたことに感謝をしない

図々しい人は、何かを与えられたときや親切にしてもらえたときにお礼を言わないことも。しっかりと相手に感謝すればお互い幸せになれるのに、その感謝をサボってしまいます。そして、図々しいと周囲から思われてしまうのです。面倒なことをやりたくないと考えていたり、自分が良くしてもらって当然と考えたりしている場合、「ありがとう」を言うことができない人になるのです。

参考記事はこちら▼

「これくらいならOKだろう」と思っていることが周りの人には図々しいと思われている可能性も。あなたはの図々しさ度を10の質問から導き出します。

図々しい人の対処法と付き合い方って?

図々しい人の特徴や心理がわかったところで、次は上手な付き合い方を教えてもらいました。あなたの身近にいる図々しい人には、こんな対応を心がけてみて!

図々しい人への上手な対応

図々しい人が苦手な場合にはできるだけ距離を置く、話をしない、用件だけ伝えるといった接し方が一番。なぜなら苦手な人と無理して付き合う意味はあまりないからです。仕事などで仕方なく付き合いがある場合、面と向かって調整することを増やせば増やすほど面倒ごとが多くなります。図々しい人との仕事上でのやりとりは、対面ではなくメールなどエビデンス(証拠)が残るもので行い、コミュニケーションコストを減らしていきましょう。

実は出世する? 図々しい人になる方法

嫌われる図々しい人がいる一方で、うまいこと上司に取り入って出世している図々しい人もいます。ときには自分本位に意見を伝えることが重要な場面もありそうですよね。ここでは、図々しい人が出世する理由や、図々しくなりたいと密かに思っている人に向けたアドバイスを紹介します。

図々しい人は出世する?

図々しい人は、人の手柄も自分のことのように話したり、自分の言いたいことや、やりたいことを伝えたりするのがある意味上手。そのため、出世に良い影響を与えることもあります。たとえば、ちょっとしたアイデアがあって、それを実現するには謙虚に勉強するだけでは時間がかかります。それよりもえらい人に会ったり、能力のある人に会ってズバズバ本音を伝えたりしたほうが、結果物事も進みやすいのです。「図々しい」というのもある意味、長所になる場合があるでしょう。

図々しい人になりたいなら

では、図々しいことを長所ととらえて、積極的に行動できる人になるにはどんな心がけが大切なのでしょうか。ちょっと図々しくなるためのコツを教えてもらいました。

1.嫌われてもよいと考える

嫌われない程度に図々しくなりたい人へのアドバイスは「嫌われても大丈夫」と考えることです。「でも、嫌われたくないんだけど……」と思ってしまうかもしれませんが、ちょっとくらい相手が嫌な思いをしてしまっても、それはすぐに忘れてしまうもの。たとえば、1年前にされた嫌なことを10個くらい思い出してみてください。案外出てきませんよね。人はすぐに忘れてしまう生き物なので、少しくらい踏み切った言動をしても問題ないのです。

2.相手のことをあえて考えない

図々しくなるには自分のことを意識しつつ、相手のことをある程度「考えない」ことがよいでしょう。他人について考えすぎても、その状態が100%見えてくる、なんてことはありません。相手のことばかり考えていると、気を遣いすぎて自分の言いたいことを伝えきれない場合が多くなります。したがって、相手のことを考慮しすぎないほうがちょうど良いのです。図々しくなりたいと思っている人は、「ちょっとくらい嫌われてもいいや」の精神で自分の言動を大切にしてみてください。そのほうが言いたいことを伝えられて、お互いの関係も良くなることでしょう。

図々しい人とうまく付き合うには工夫を

相手の都合を考えず、ずけずけと自分の要求を通そうとする図々しい人。できれば、図々しい人とは関わらず、平和に過ごしたいもの。距離を置ければいいのですが、仕事上で関わる必要がある場合、相当なストレスになりますよね。日ごろから不本意な要求を受けないよう、最低限の会話のみする、2人きりにならないようにするなどの距離感を意識してみてください。とはいえ、自分が図々しい人になったほうが得する場面も。ほどよい匙加減で、周囲とコミュニケーションが取れるといいですね。

(文:織田隼人、構成:唐沢未夢)

※画像はイメージです

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