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無気力の原因って? 何もしたくない日の過ごし方

大塚統子(心理カウンセラー)

三浦一紀

心理カウンセラーの大塚統子さんに「何もしたくない休日」を有意義に過ごす方法を解説してもらいました。

毎日、仕事仕事で疲れているみなさん。待ちに待った休日、何をして過ごしていますか? あれもしよう、これもしようと計画を立てたりしても、疲れて何もせず、気がついたら夜ということも多いのではないでしょうか。やらなければならないことができなかったと後悔する人もいるかもしれません。そこで女性たちに実情をアンケート調査しました。また「何もしたくない休日」を有意義に過ごす方法を心理カウンセラーの大塚統子さんに教えてもらいました。

休日、何もしたくない?【女性アンケート】

待ちに待った休日。何もしないで一日を終えてしまう女性はどれくらいいるのでしょうか。聞いてみました。

休日は遊びに行く? 何もしない?

休日は外出をして満喫するタイプと、家でゴロゴロするタイプがいると思います。どちらが多数派なのでしょうか。

Q. 休日の過ごし方について質問です。休日は何もしないで一日が終わってしまうタイプですか?

はい (54.4%)
いいえ (45.6%)
※有効回答数375件

 

過半数の女性が、休日は何もしないで一日が終わってしまうと回答しました。意外と多いですね。みなさんお疲れなのでしょう。よくわかります。

何もしないって、休日に何をしているの?

「何もしない」といっても、どこまで何もしないのかは人によって差があると思います。そこで、「何もしない」はどのレベルなのか、休日は何もしない派の女性に聞きました。

Q. 「何もしない」というのはどのレベルでしょうか。以下から選択してください。

ほぼ寝ている (24.5%)
掃除洗濯などの家事以外はやらない (11.8%)
起きてはいるが家からは出ない (48.0%)
近くのコンビニくらいは行く (12.3%)
※有効回答数204件(「休日は何もしない」と回答した人)。単数回答式、その他は除く

 

「何もしない」人の約半数が、「起きてはいるが家からは出ない」ようです。 食事くらいはして、テレビを見たりして過ごすという感じでしょうか。ほぼ寝ている人も、25%弱となかなか多いです。

それでは、どうして「何もしたくない」と思ってしまうのか、またそんなときはどのように対処すればよいのかを、大塚さんに解説してもらいます。

何もしたくないと思う原因って?

気力がわかないときは、心が疲れていたり、燃え尽きていたりしています。同時に、今までのやり方ではうまくいっていないので、新しいやり方にチェンジしたいという心のサインの表れでもあります。

「自分が我慢すればうまくいく」「自分がやるしかない」など、本当はしたくないことを無理して続けてきた場合、心が「もうヤダ」「虚しい」「休みたい」と無気力になることがあります。たとえば、ついひとりで抱え込む癖があるのだとしたら、人を頼るとか「助けてほしい」とお願いすることも取り入れていくと、心に余裕ができて気力が戻ってくるでしょう。

「誰かに何かをやらされている」と思っている場合、自分がやりたいようにできない不自由さ、相手に振り回されている不満を感じています。心のどこかで、「自分がしたくてしていることではない」と怒っています。誰かに「わかってほしい」気持ちがあるのに理解されなくて、「もう何もしたくない」と心がストライキを起こしているのなら、まず「私は何をわかってほしいと望んでいるのか」を自分自身が理解してみましょう。自分の気持ちに気がつけると、気力を取り戻すきっかけが見つかるかもしれません。

人はみな、自分が置かれた立場などで、女性は○○するもの、彼女なら○○するもの、新人なら○○するもの、先輩なら○○するもの、などと思い込んでいることがあります。そして、この思い込みによって「私は○○しなければならない」と自分自身にノルマを課し、人に対して「△△なのに○○していない」とイライラします。そして、「やらなければいけないことがいっぱいある」「思い通りにいかない」とウンザリして無気力になることがあります。この場合、自分の思い込みの修正をすると心が楽になり、活力を取り戻すでしょう。

何もしたくない日、どうすればいい?

何もしたくないときは、心の疲れや燃え尽きた感を抱いていることが要因です。それは日々生きていく中で避けがたいことでもあります。「何もしたくない」と思ってしまうことをどのように受け入れ、少しずつ気力を取り戻すためにどうすればいいかを、説明していきます。

何もしたくない日の過ごし方

一番大切なのは、「私は何もしていない」とか「何もしたくないと思う自分はダメだ」などと自分を責めないことです。「今日は何もしたくないな~」とただその気持ちがあることを認めましょう。

そして、「何もしたくないと思うほど、がんばってきたのかも」と自分をほめたり、「疲れている私を休ませてあげよう」と自分を大切にしたりしてはいかがでしょう。

たとえ体を動かして何かをしていなくても、「何もできていない」と自分に否定を向けていると、心は休まりません。「今日は休むことができた」とか「何もしたくないのに料理をした私はスゴイ」などと自分を肯定していくと、心は元気になりやすいでしょう。また、「何もしない」と自分が選択していると思えると、充実を感じやすいでしょう。

「何もしたくない」と思うことは悪いことではありません。ただ、何かしら心身に負担がかかって無気力になっているのなら、今までのやり方では何かうまくいっていない部分があるのかもしれません。「自分は何を感じているのだろう」「何を感じるのがイヤなのだろう」と心の声を聞く時間を過ごしてみてもいいでしょう。

無気力を脱するには?

何もしたくないとはいえ、やらなくてはいけないことがある場合は、次のような方法を試してみてはいかがでしょうか。

導入の作業を目標にする

たとえば、掃除をしなければならないのなら、掃除用具を持ってみる、メール連絡をしなければならないのなら、メールソフトを開く、勉強しなければいけないのなら、テキストを開くなど、導入の作業までを目標にして行動してみましょう。導入となる作業をはじめると、その流れで取り組みやすくなることがあります。

しなければならないことを細分化する

たとえば、「プレゼンを成功させなければならない」だと、すぐには実行できません。こういった場合、プレゼンを成功させるために必要な作業を細分化してみましょう。調べ物をする、データをまとめる、構成を決める、資料を作る、話す練習をする、などと細かく分けると、「今何をするか」が決めやすくなるでしょう。作業の単位が小さければ小さいほど、簡単に達成できるので、気軽に取り組みやすくなります。

やめることを決める

やらなければいけないことがたくさんありすぎて動けなくなっているのなら、絶対にやること・やらなくてもいいことを取捨選択する必要があります。やらなければいけないと思っていることのリストを作り、その中から「やらなくてもいいこと」「やめること」を決めましょう。やめる決断には勇気がいりますが、やめた後はスッキリするでしょう。

終わった後にご褒美を用意する

やらなくてはいけないことが終わったら「○○をしてOK」と、自分にご褒美を用意してみましょう。ご褒美のためにがんばろうという気持ちを使って、やらなくてはいけないことを終えてしまいましょう。

新しいやり方を取り入れる

今までとはちがうやり方を取り入れてみましょう。たとえば、これまでひとりでしていたことを、周囲の人にお願いして分担してもらうとか、「絶対こうでなければ」とこだわっていたことをやめてみるとか。「これだけはしたくない」と避けていたようなことを試してみるのもよいでしょう。新しいやり方で、新しい自分に進化してみましょう。これまでの自分の限界を超えることができると、気力を取り戻すことができるでしょう。

「何もしたくない」のは日々のかんばりの証! 自分を認めることからはじめよう

休日に「何もしたくない」と感じて一日を過ごしてしまう人は多いようです。無気力になってしまうのは、心の疲れや我慢が原因。「何もしたくない」と思っても、できない自分にイライラしたり責めたりせず、「日々がんばっている証拠だ」と自分を肯定することが大切です。何もできなくても、ゆっくり休めたことを認識しましょう。また、無気力なのは、何かを変えたいという心のサインでもあります。今までのやり方を変えてみたり、やらなければならないことだけを細分化してひとつ取り組んでみたり……少しの心がけで、徐々に気力が戻っていくでしょう。

(大塚統子、三浦一紀)

※画像はイメージです

※マイナビウーマン調べ
調査日時:2018年5月10日~5月11日
調査人数:375人(22~34歳の未婚女性)

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