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【弁護士が解説】女性がする初めての一人暮らしで気をつけること

刈谷龍太(弁護士)

三浦一紀

実家を出て初めての一人暮らし。自由気ままな生活がはじまるという期待はもちろんありますが、その一方で不安なこともたくさん。特に女性は、いろいろと心配なこともありますよね。そんな一人暮らし初心者の女性のために、初めての一人暮らしで知っておきたいポイントと楽しく生活するコツをアンケート調査してみました。さらに弁護士の刈谷龍太さんに一人暮らしの女性が気をつけるべきことと防犯対策を聞きました。

まずは一人暮らしの準備から

一人暮らしをするには、いろいろとやらなければならないことがあります。まずは、一人暮らしをする際に必要なポイントを、一人暮らし経験者に聞いてみました。

お部屋探しのポイント

一人暮らしをする上で、もっとも重要なのが住むお部屋。そこで女性の一人暮らしはどんなところがいいのか、アンケートの答えをピックアップしてみました。

1階は避け、オートロック、モニターフォンつきを選ぶ

・「オートロックやモニターフォンつきは必須。ドアを開けたらなかが見られるので、2階以上がいいです」(33歳/その他/販売職・サービス系)

セキュリティ面は重要です。各種勧誘や不審者の侵入を防ぐためにも、オートロックとモニターつきのインターフォンは必須といえるでしょう。また、1階よりも2階以上、できれば高層階が防犯上いいようです。

帰り道の街灯はチェック

・「帰り道に街灯が多いほうがいい。また、近所に保育園が多い地域は治安がいい」(34歳/自動車関連/事務系専門職)
駅から部屋までの道のりに街灯が多いところを選ぶ、という答えは多く見られました。保育園や小学校があるところは治安が比較的いいようです。

駅からの距離やスーパー

・「駅から近い。駅と家の間にスーパーがある。仕事帰りに買い物して帰れる」(23歳/その他/販売職・サービス系)
駅近物件は、利便性はもちろんセキュリティ面でも安心。スーパーやコンビニがあると便利ですね。コンビニが近くにあれば、何かあったときに駆け込めるからという理由も見受けられました。

女性用マンションでも気を抜かない

・「女性専用マンションは必ずしも安全というわけではない。男の人と同棲している人もいるし、女の人しかいないのがバレるから」(27歳/食品・飲料/事務系専門職)
女性専用マンションをおすすめする声は多かったのですが、この意見は逆ですね。でも納得。たしかに女性専用マンションは「女性しかいません」と言っているようなものですからね。部屋の内部の希望としては「バス・トイレ別」「収納が多い」「洗濯機が置けるスペースがある」といった答えが多くありました。料理をする人なら、キッチンにもこだわったほうがいいでしょう。

一人暮らしの必需品

次に、一人暮らしをする際の必需品について聞いてみました。どんなものがあったら便利なのでしょうか。

遮光カーテン

・「遮光性のあるカーテンをかける。帰ったときに明るくならないように」(22歳/人材派遣・人材紹介/営業職)
帰宅した際に部屋の電気を点けたとき、外から見えてしまうのを防ぐためですね。これはなかなか気づかないところかもしれません。

パックご飯

・「パックご飯。炊くのはけっこうめんどくさい」(33歳/情報・IT/事務系専門職)
炊飯器は一人暮らしでは必須と思われがちですが、なんだかんだお米を研いで炊くのは、面倒なときも。最近は電子レンジで温めるだけで食べられるパックのご飯もおいしいため、こちらをメインにするのもアリかもしれません。

意外に便利な脚立

・「脚立があると、高いところに手が届くため便利だと思う」(33歳/運輸・倉庫/営業職)
これは女性ならではかもしれませんね。蛍光灯を変えたり、タンスの上にあるものを出し入れしたりするとき、イスなどに乗ると不安定で危険です。3段くらいの脚立なら安いですし、持っておいたほうがいいでしょう。そのほかの答えとしては、室内で洗濯干しができる突っ張り棒や、殺虫剤、薬、非常食などがありました。特に薬と非常食は、具合が悪くなったときなどに役立ちます。

一人暮らしを楽しむコツ

一人暮らしは、自分で家事などを全部やらなければなりません。最初は楽しいかもしれませんが、どんどん面倒になることも。一人暮らしを楽しむには、家事を楽にこなすことが重要。先輩たちは、どうやって家事をしているのでしょうか?

一人暮らしの生活の知恵

がんばりすぎない

・「掃除はほこりがたまったら、洗濯物はたまってから、料理は作りおき」(34歳/小売店/その他)
一人暮らしでは、毎日掃除や洗濯をする必要はありません。ひとり分の洗濯は量も少々。3日に一度や1週間に一度というように、サイクルを決めてやったほうが効率的です。掃除や料理もできるときにやって、忙しいときはあと回しに。そういう気持ちでいれば、楽になりますね。

バスタオルは使わない

・「入浴後はバスタオルじゃなくてフェイスタオルにすると、洗濯物もかさばらないしすぐ乾く」(27歳/医療・福祉/専門職)
実はこれ、筆者も実践しています。お風呂上がりはバスタオルというイメージですが、フェイスタオルでも事足ります。髪の毛が長い女性の場合、フェイスタオルを2枚使えば問題ないでしょう。洗濯がとても楽になりますよ。

上手に冷凍保存

・「お米は一度にたくさん炊いて、ラップに包んで冷凍する」(28歳/人材派遣・人材紹介/事務系専門職)
これは基本中の基本かもしれません。炊飯器で長時間保温すると、どうしても臭みが出たりしますし、電気代もかさみます。ご飯は炊いたら冷凍する。それが一人暮らしの基本です。

必要と感じてから買う

・「引っ越しをしてからものを揃えていくのがいいと思う。結局使わないものがわりと多かったり、100円ショップにあったりするので」(29歳/学校・教育関連/販売職・サービス系)
たしかに、必要かなと思い買ったものでも、全然使わないものとかありますよね。大きな掃除機を用意しても、クイックルワイパーやハンディタイプの掃除機で十分なことも。必要なものを徐々に揃えていくというのは、賢いかもしれません。

女性の一人暮らしに役立つ防犯対策は?

女性の一人暮らしで気になるのが、防犯対策です。こればかりは、いくら気をつけても足りないほどではないでしょうか。一人暮らしの女性は、どんな防犯対策をしているのでしょうか。

外のひとり歩き中も気をつける

・「イヤホンしたり、スマホを見て歩いたりしないこと」(25歳/建設・土木/秘書・アシスタント職)
これは、道中で誰かにあとをつけられたりする可能性があるからですね。周囲もきちんと確認しながら、歩いたほうが安全です。

男性が一緒に住んでいることを装う

・「外に男性用の傘を置き、ベランダに男服を干す」(31歳/その他/営業職)

女性だけではなく、男性もいるように見せるというのはよくある防犯方法です。また、玄関に靴を何足も置き、一人暮らしではないと思わせる方法もあります。

守ってくれる人を作る

・「彼氏をつくる……」(33歳/小売店/営業職)
彼氏がいれば、家に頻繁にきてもらうことによって防犯になります。さらに夜が遅くなったら送り迎えしてもらえるなど、とても安心ですね。

鈴をつけてみる

・「玄関のドアノブの内側に鈴をつける。不審者は聞き慣れない音がすると、逃げる傾向があるため、部屋に入ろうとしたときに鈴の音がすると十中八九逃げてくれるため」(26歳/金融・証券/事務系専門職)

ドアを開けたときに、意外な音がするとびっくりしますよね。これはなかなかいいアイデアかもしれません。

弁護士に聞いた! 一人暮らし女性に気をつけてほしいこと

一人暮らし女性に気をつけてほしいことについて、グラディアトル法律事務所の刈谷龍太弁護士に聞いてみました。

一人暮らし女性が遭いやすい危険性とは

・ストーカー被害

元交際相手や職場の人間、ときによっては近所のコンビニ・飲食店等の店員がストーカーとなり、被害を受けるケースもあります。一人暮らしの場合、ほかに誰も同居していないことをいいことに、ストーカー行為をされやすかったり、エスカレートしたりする傾向があるように思います。

・玄関先トラブル(強盗、性犯罪、押し売りなど)

女性が一人暮らしをしている部屋であると目星をつけ、配達員などを装い、玄関のドアから押し入るケースもあります。同様に、女性ひとりであるがゆえ強く拒絶できないところにつけこみ、なかば恐喝まがいの押し売り被害に遭ったケースも。

・盗撮、盗聴

以前の借主を狙って、元交際相手などが設置した盗撮・盗聴器が残ったままになっていて、そのまま盗撮・盗聴が行われている可能性もあります。なかには、引っ越し業者や電化製品の設置業者が、女性の一人暮らしであると知ったうえで、作業のふりをして設置することもあるようです。

・名前、住所等個人情報の流出、誹謗中傷

家の中で撮った写真をSNSに投稿したところ、写真の位置情報設定をオフにしていなかったことから、掲示板サイトなどに投稿した写真とともに住所が晒されたり、誹謗中傷を受けたりするケースがあります。たとえ位置情報設定をオフにしていたとしても、写真に写りこんでいる情報やその他SNSで公開している情報などから調べ上げ、ある程度の居住地域まで特定されるケースもあります。

一人暮らし女性がするべき防犯対策

・ストーカーに対する防犯対策

元交際相手がストーカーになるかもしれないと思う場合には、費用は掛かりますが鍵の交換をおすすめします。また職場の人間には安易に住所を教えないほうが得策です。たとえばタクシーで送ってもらうような場合だとしても、最寄り駅付近までにしておくべきでしょう。さらに近所のコンビニ・飲食店などの店員に対しては、買い物の際にはあえて箸を2膳入れてもらったり、誰かと住んでいる素振りをしたりするなど、一人暮らししていることを悟られないようにすべきといえます。

・玄関先トラブル(強盗、性犯罪、押し売り等)に対する防犯対策

インターホンを鳴らした配達員などに不安を感じる場合には、身分証の提示をモニターや覗き窓越しに求めてください。また扉を開ける際も、安全が確認できるまで上部についているドアガードはかけたままでいるべきといえます。もし配達ボックスがあるなら、在宅中であっても不在を装い、そこに入れてもらうこともひとつの防犯対策となるでしょう。

・盗撮、盗聴に対する防犯対策

盗撮・盗聴されている疑いを感じる場合、発見器を購入して調べてみるべきでしょう。場合によっては、専門業者に依頼を検討することも考えるべきといえます。

・名前、住所等個人情報の流出、誹謗中傷に対する防犯対策

写真の位置情報設定をオフにすることはもちろんのこと、居住地域や普段の行動範囲が判明するような写真については、SNSに投稿すべきではないでしょう。そもそもSNSへの個人情報記載は最低限で行い、公開範囲も友だちなど限定しておくべきといえます。

憧れの一人暮らしを楽しく安全に

初めて一人暮らしをする女性は、刈谷弁護士の意見や先輩たちのアドバイスを参考にしてみてください。特に防犯対策は、やってやりすぎということはありません。自分の身を守ることも、一人暮らしの一部だと思って、必ず対策をしておきましょうね。

(刈谷龍太、三浦一紀)

※画像はイメージです
※マイナビウーマン調べ
調査日時:2018年2月28日~3月5日
調査人数:378人(22~34歳の一人暮らし経験のある未婚女性)

 

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