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性格の不一致で離婚する夫婦の割合とは? 離婚の流れと注意点【弁護士が解説】

石濱嵩之

性格の不一致が原因で離婚にまで発展する割合とは? いざ離婚したいとなった場合、性格の不一致は離婚事由になるのかなどの注意点をグラディアトル法律事務所の石濱嵩之弁護士が解説します。性格の不一致を理由にした離婚の仕方や流れを把握しておきましょう。

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長い結婚生活の中では、お互いの性格が合わないと感じることもありますよね。でも、性格の不一致が原因で離婚にまで発展してしまった場合、女性はどうすればいいのでしょうか。グラディアトル法律事務所の石濱嵩之弁護士に「性格の不一致」が理由で離婚するときの注意点について、詳しく教えていただきました。

「性格の不一致」で離婚する夫婦の割合

離婚理由にはさまざまなものがありますが、「性格の不一致」で離婚する夫婦の割合はどれくらいなのでしょうか。

離婚理由に「性格の不一致」を挙げる夫婦の割合

最高裁判所の司法統計(2016)によると、「性格が合わない」という理由で離婚を申し立てた人の割合は、妻が39.5%、夫が61.4%ともっとも高くなっています。「性格の不一致」は、夫婦の離婚理由の中でもかなり多いと言えるでしょう。

「性格の不一致」のほかには、「生活費を渡さない」「精神的に虐待する」「暴力を振るう」「家族と折り合いがつかない」「性的不調和」など、さまざまな理由が報告されています。

性格の不一致を感じる理由

それぞれ生まれ育った環境がちがう者同士が結婚するため、多少の価値観のちがいは当然です。しかし、お互いの価値観のちがいを受け入れることができなくなってくると、「この人とはわかり合えない」として離婚を考えるようになります。

「性格の不一致」を感じる理由はさまざまですが、例えば「収入の一部を隠されていた」とか「『ありがとう』や『いただきます』が言えない」など、重大な理由だけでなく、小さなストレスが積み重なった結果として大きな溝ができてしまうのです。

「性格の不一致」で離婚する夫婦の特徴

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性格の不一致を感じる理由は夫婦によって異なることがわかりましたが、実際に離婚してしまう夫婦にはどんな特徴があるのでしょうか。

性格の不一致で離婚に発展するケースとしては、相手に対する無理解が原因であることが多いです。長年一緒に生活していると、「他人なのだから価値観がちがって当たり前」ということを忘れてしまい、お互いに「お前は間違っている」という考えになってしまいます。性格の不一致で離婚する夫婦には、「お互いを受け入れることができなくなってしまった」という特徴があると言えるでしょう。

「性格の不一致」で離婚する場合の注意点

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もし性格の不一致を理由に離婚することになったら、女性はどうすればいいのでしょうか。必要な別居期間や性格の不一致を証明するもの、そのほかの法的確認事項について、詳しく解説していただきました。

法律が定める離婚事由

もし夫婦の一方が離婚したいと考えたとき、相手も離婚することに同意し、財産分与などの条件についても当事者同士での話し合いができるのであれば、調停や裁判を起こす必要はありません。いわゆる協議離婚(民法763条)です。しかし、なかにはさまざまな理由で、相手から離婚することの同意が得られないことがあります。そんなとき、裁判所はどういう場合に夫婦を離婚させるという裁判が下せるのでしょうか。

民法770条1項は、裁判上の離婚ができる場合として次の5つを定めています。

(1)配偶者に不貞な行為があったとき
(2)配偶者から悪意で遺棄されたとき
(3)配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
(4)配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
(5)その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

上の(1)から(5)のなかに「性格の不一致」が含まれていないことがわかると思います。性格の不一致は離婚を決意する動機であっても、それ単体では裁判上の離婚を成立させるだけの強い意味はないのです。

「性格の不一致」や生活費などの経済的事情、性的不調和といった離婚を決意する動機は、「(5)その他婚姻を継続し難い重大な事由」があるかどうかを判断するための事情の1つとして意味を持つことになります。そして、こうした動機から生まれてしまった夫婦関係の不調和が、婚姻を継続することができないくらいに発展してしまったとき、裁判上の離婚が認められることとなります。

「性格の不一致」を証明できるもの

「性格の不一致」は、必ずしも外面にあらわれるものではありませんから、「性格の不一致」そのものを証明するというのは簡単ではありません。考えられる証拠としては、夫婦で意見の衝突があったときのLINEやメールなどのやり取りや録音データ、日記などがあるでしょう。

もっとも、結婚とは、そもそも生まれ育った環境がちがう他人同士が行うものであり、お互いの価値観がちがうことが通常ですから、単なる「性格の不一致」だけでは離婚が認められない可能性があります。

「性格の不一致」による離婚を裁判で認めてもらうためには、「性格の不一致」の程度が大きく、夫婦共同生活を送ることが極めて困難であることと判断される必要があります。そして、夫婦共同生活を送ることが極めて困難かどうかを見極めるための事情として、いわゆる「別居期間」の長短が考慮されることになります。

「性格の不一致」で離婚する場合に必要な「別居期間」

上述のとおり、法律は「(5)その他婚姻を継続し難い重大な事由」があるかどうかという総合的な判断で離婚の是非を決めるという態度をとっていますから、何年別居すれば離婚できるという決まりはありません。

別居期間が長ければ長いほど、夫婦としての実体がなくなっていくため、夫婦関係が回復される見込みがないという結論に傾いていくことになります。それまでの婚姻期間の長さにもよりますが、特別な理由(勤務先都合による単身赴任など)のない別居期間が3~5年にも及ぶとか、婚姻期間の半分が特別な理由のない別居という場合には、離婚が認められやすい傾向にあります。

仮に、「別居期間2年で離婚できた」という裁判例があったとしても、その裁判ではほかの事情(経済的事情や子どもの有無、人数、年齢など)も全部ひっくるめて考慮した結果、別居期間2年の夫婦に離婚を認めただけかもしれないのです。

結局のところは、「性格の不一致」や「別居期間」などの事情をもとに、いかに夫婦関係が破たんしてしまっているのかを、裁判所に対して説得的に主張し、証明していくことが裁判上の離婚を成立させるための指針となります。

「性格の不一致」で離婚するときに確認すべきこと

単純な性格の不一致で離婚する場合、「どちらが悪い」ということはないので、基本的に慰謝料などは発生しないでしょう。しかし、一方の配偶者が離婚に消極的であるのに、離婚を押し切りたい場合などは、解決金として一定の金額を支払う場合があります。これは当事者の納得の問題ですので、金額が決まっているわけではありません。もちろん、いくら解決金を積んだとしても、離婚に応じてくれないということもあり得ます。

また、「性格の不一致」だけの離婚に限らず、離婚する場合には、夫婦の共同生活の中で築いた財産を折半する「財産分与」や、子どもがいる場合の「親権」や「養育費」、「面会交流」、「年金分割」の取り決めが行われます。子どもがいる場合、原則として親権者を父母のどちらにするのか決めなければ、離婚届は受理されません。このような取り決めは、あとで「言った言わない」の論争を防止するために、合意書や公正証書にして、きちんと残しておくほうがよいでしょう。

「性格の不一致」があっても離婚しない方法

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世の中には、性格の不一致があってもうまくやっていける夫婦もたくさんいます。性格が合わなくても離婚しないようにするためには、どんな工夫が必要なのでしょうか。

性格の不一致は、お互いの無理解が原因となっているため、「考え方がちがって当たり前である」ということを思い出し、相手とじっくり話し合うことが大切です。お互いがお互いの考え方を極力理解するように心がけ、受け入れられない部分については折衷案を設けるなどして、離婚という最悪の事態に発展しないようにしましょう。まずは相手のことを思いやって、お互い助け合う気持ちで接することが大切です。

「“性格の不一致”で離婚するときに注意すべきこと」まとめ

離婚は、子どもや親族などを巻き込む大きな問題です。特に多感な時期でもある子どもにとっては、自身の生育環境が大きく変化する事態でもあり、できれば避けたいものです。大きな夫婦喧嘩をしたときなどには、「性格の不一致だ」「もう離婚しかない」という気持ちになりがちです。しかし、「お互いもともと他人なのだから、考え方がちがって当たり前」ということを思い出して、決断を早まらないようにしたいですね。

(監修:石濱嵩之/グラディアトル法律事務所)

※画像はイメージです

(※)最高裁判所 司法統計 「第19表 婚姻関係事件数―申立ての動機別」
(注)申立ての動機は、婚姻関係事件の申立人の言う動機のうち主なものを3個まで挙げる方法で調査重複集計したもの

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