【管理栄養士監修】ダイエット中でも太りにくい夜食と食べ方のポイント
ダイエット中や仕事が夜遅くまで続いたときは、夜中にお腹が空いてしまうこともありますよね。一般的に夜食を食べると太ると言われていますが、どうしてもお腹が空いてしまったときはどうすればいいのでしょうか。夜食に向いている食材や太りにくい食べ方について、管理栄養士の園部裕美さんに教えていただきました。
<目次>
夜食にする食材選びのポイント
どうしてもお腹が空いて眠れないときもありますよね。ダイエット中に夜食を摂るなら、どんなものを食べればいいのでしょうか。夜食におすすめの食材について聞いてみました。
ダイエット中の夜食におすすめの食材
園部:血糖値が上がりにくいもの=低糖質で、消化が早いものがおすすめです。糖質と脂質は少なめ、たんぱく質と食物繊維は多めであることが望ましいでしょう。たんぱく質はエネルギーになるだけでなく、筋肉や肌や髪の毛など、身体を作るための材料にもなります。さらに、糖質よりもたんぱく質のほうが満腹感を得やすく、必然的に食べる量が少なくて済むというメリットもあります。具体的には、赤身肉、魚介類、卵、豆腐や納豆などの大豆製品、火を通した野菜がおすすめです。海藻やきのこ類もよいでしょう。
ダイエット中の夜食におすすめのコンビニ食材
園部:コンビニで買えるものも、低糖質、低脂質、高たんぱく、高食物繊維を念頭に選んでいきましょう。コンビニでは、調味料などによって高糖質になっている食品もあるので、パッケージの裏面などに記載されている成分表をチェックしながら選ぶことが大切です。
夜食におすすめのコンビニ食材
ゆで卵、ヨーグルト(できれば無糖)、おでん、焼き魚、魚の缶詰(ツナ、サバ、さんま、牡蠣など)、チーズ、するめ、おしゃぶり昆布、豆乳(できれば無調整)、枝豆、みそ汁、納豆、冷奴など
ダイエット中の夜食には避けたほうがいい食材
園部:糖質を含む食品、特に砂糖が使われている甘い菓子パンやお菓子類は避けたほうがよいでしょう。パン、麺などの小麦製品や精製されたご飯も血糖値を上げやすいため、大量に摂るのは控えてください。運動量がとても多い人などは別ですが、一般の人であれば、夜にご飯などの主食を減らすことも有効です。むしろ、夜にパスタやラーメン、お好み焼き、カツ丼など、ご飯や麺が中心のものを食べないようにするだけでも、ダイエット効果は出やすいと言えます。
もし摂る場合は、しっかりとたんぱく質のおかずと、野菜や海藻・きのこ類などの食物繊維を多く含むものを一緒に食べるようにしましょう。また、油は消化に時間がかかり、睡眠の質を下げる可能性があるため避けたいところですが、その中でも特に酸化した油(揚げ物、スナック菓子など)は控えるようにしてください。
調味料に関しても、大量に使わないことをおすすめします。糖分(砂糖など)・塩分(塩、ドレッシングなど)・油分(サラダ油、マヨネーズなど)は、どれも夜食では大量に摂ることを避け、適量または少量を心がけましょう。
ダイエット中の夜食におすすめのレシピ
ダイエット中の夜食には、たんぱく質や食物繊維がメインの食材を選び、糖質を多く含む食材や油類などを避けることがポイントだとわかりました。そこで、これらの食材を使って自宅で作れる「夜食レシピ」を2品、園部さんに教えていただきました。
豆腐となめこのトロトロ卵とじ
材料(1人分)
・絹ごし豆腐……150g
・なめこ……1/2パック
・玉ねぎ……1/8個
卵……1個
小ねぎなど……少々
<A>
・水……50cc
・かつお節……1.5g(だし汁50ccでも可)
・しょうゆ……大さじ1
・みりん……大さじ1
作り方
1.玉ねぎはくし切りに、なめこはサッと洗っておく。
2.小鍋に<A>と玉ねぎ、なめこを入れて加熱し、フタをして弱火で煮る。玉ねぎに火が通ったら、豆腐を手でちぎって加え、蓋をする。
3.豆腐が温まったら、溶き卵を回し入れ、半熟になってきたら器に盛り、小ねぎなどをちらす。
鶏ひき肉の生姜ホットスープ
材料(1人分)
・鶏ひき肉……60g
・しょうが……1かけ
・にら……1/4把
・もやし……50g
・ごま……適量
<A>
・水……250cc
・酒……大さじ1/2
・塩……ひとつまみ
・こしょう……少々
・しょうゆ……小さじ1/2
作り方
1.しょうがはみじん切り、にらは5cm幅に切る。
2.フッ素樹脂加工のフライパンに、油をひかずに鶏ひき肉を入れて炒め、しょうが、もやしを加えてサッと炒める。(フッ素樹脂加工のフライパンがない場合は、少量の油で炒める)
3.しょうがの香りが立ったら<A>を加え、3分ほど煮る。にらを加えて色が鮮やかな緑色になったら、火を止める。
4.器に盛り、ごまをちらす。
太りにくい夜食の食べ方
ダイエット中、夜食にしても太りにくい食材の選び方やレシピについて教えていただきましたが、太りにくい食べ方のポイントもあるのでしょうか。園部さんに聞いてみました。
園部:BMAL1や成長ホルモンの分泌がピークとなる22時までには、食事を済ませておくことが基本です。しかし、ダイエット中や仕事が遅くなってしまう場合には、どうしても寝る前にお腹が空いてしまうこともあるでしょう。そこで、もし夜食を食べる場合は、夜中に血糖値を上げないような食べ方をすることが大切です。肉や魚、卵、大豆製品、野菜類などは血糖値の上昇がそれほど起こらないのでおすすめです。
また、食べる順番も意識しましょう。まずは野菜やたんぱく質の食品から手をつけはじめ、糖質の多いご飯や麺などを食べる場合は、なるべく最後にしてください。糖質の多いものをあとから食べることによって、血糖値の急上昇を防ぎます。さらに夜は睡眠がほとんどで、身体を動かすことが少ないため、カロリーの消費量も減ります。夜食は腹八分目程度に抑えることもポイントです。
夜中にお腹が減らないようにするコツ
そもそも、お腹が減らなければ夜食を摂らずに済みますよね。夜中にお腹が空いてしまわないようにするには、どうすればいいのでしょうか。
園部:夕食時に、たんぱく質(肉・魚・卵・大豆製品)をしっかりと摂取し、食物繊維を多く摂ることが大切です。食物繊維は、野菜、きのこ、海藻類に多く含まれます。どちらも片手分くらいの量を目安に摂りましょう。夜中にお腹が空いてしまうのは、夕食に消化が早く、血糖値の上がりやすい食品を多く食べている可能性が高いです。たんぱく質・食物繊維はどちらも血糖値を穏やかに上下させるので、腹持ちがよく、夜中にお腹が減るのを防いでくれますよ。
まとめ
ダイエット中の夜食は、食材と食べ方に気をつけることが大切です。食材は低糖質、低脂質、高たんぱく、高食物繊維を意識し、たんぱく質や食物繊維を含む食材から先に食べるようにしましょう。また、寝る直前にどうしても何か食べたい、とならないように、夕食時に満腹感の持続する食材をしっかりと摂っておくことも大切です。ダイエット中に夜食を食べる際は、これらのポイントを思い出してくださいね。
(監修:園部裕美)
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