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あざができやすい原因とあざをできにくくする方法

小澤佑美

「知らないうちにあざができてることがよくある」「少しぶつけただけであざができてしまう」……など。あなたはあざができやすいことに悩んでいませんか? 今回はあざができやすい原因とあざをできにくくする方法について皮膚科医の小澤佑美先生の解説を元に紹介します。

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<目次>

あざとは?

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そもそも、「あざ」とはどうやってできるのでしょうか? また、青あざ、茶あざ、黒あざなど、同じあざでも色に違いが出るのはなぜなのでしょうか? あざができる仕組みやあざの種類について、教えてもらいました。

(1)「あざ」ができる仕組み

まずはじめに、「あざ」とは何を指すのか定義を確認しましょう。

一般的に「あざ」とは、皮膚をぶつけてできる「出血斑」または「打ち身(打撲)」のことを指す人が多いのではないでしょうか。中にはシミのことを「あざ」と総称する人もいるようですね。しかし医学的に「あざ」とは、生まれつき皮膚に生じた色の変化をいいます。

このように医学的に「あざ」とは、生まれつきのものを指し、シミや打ち身と区別するのですが、シミとあざが混在しているケースが実際にあるなど、日常シーンではよく混同されています。これらを踏まえ、ここからは一般的な「あざ(出血斑)」と医学的な「あざ」、それぞれの原因について解説していきます。

さて、まず「あざ(出血斑)」ができる原因について。これは基本的に内出血が原因ですが、数日しても消えない場合は青あざ(※次で解説)の可能性があります。

続いて「あざ(シミ)」ですが、これは紫外線を浴びることによって、後天的にメラニンが増えたり代謝されずに起こります。

最後に「あざ(生まれつきのもの)」ができる原因について。これは主に“メラニン”という色素が関係しています。皮膚は表皮、真皮、皮下脂肪の3層構造になっているのですが、メラニンを産生する細胞、“メラノサイト”があるのは通常一番外側にある「表皮」のみ。しかしメラノサイトやメラニンが真皮に存在すると、いわゆる「あざ」として身体に現れます。また、生まれつき皮膚の一部に血管が増えていることが原因の場合もあります。

<あざができる原因 まとめ>
あざ(打ち身):打撲したことによる内出血で起こる
あざ(シミ):後天的にメラニンが増えたり代謝されずに起こる
あざ(生まれつきのもの):主にメラニンの増加や血管の増生による

(2)「あざ」の種類

一般的なあざと、医学的なあざのできる原因について紹介してきました。ここからは生まれつきのものである「あざ」の種類について紹介していきます。

青あざ

“メラニン”が真皮で部分的に増加しているもので、深い部位にあるほどより青く見えるのが特徴です。蒙古(もうこ)斑が代表的で、顔面に生ずる母斑(太田母斑)も皮膚科でよく見かける症例です。そのほか、乳幼児期にできる青色母斑というものもあり、これはやや硬い青色の小さな隆起や、しこりとして触れることができます。

茶あざ

茶あざは、真皮の浅い場所や表皮に存在するメラニンが多いため、周りの皮膚より茶色く見える症状です。医学的には年をとって生ずるシミやソバカスとは区別されていますが、色素沈着といって皮膚に炎症が生じた後に色素が残ってしまうものを茶あざと呼んでいる方もいるようです。

黒あざ

「黒あざ」は別名、色素細胞母班といってメラニンを多く含んだ色素細胞が増えたものをいいます。「ほくろ」というのは色素性母斑の俗称ですが、黒あざとのちがいは「大きさ」と「形」です。比較的小さくて円形のものは「ほくろ」、拡がって面の形をしているのが「黒あざ」に相当します。

赤あざ

赤あざは、真皮や皮下脂肪にある血管が増えたり、血管が破れて赤血球が漏れ出ると生じます。医学的には血管腫などがこれに当たります。

※打ち身によるあざは青~紫色で次第に黄~茶色になります。

あざができやすい人の特徴

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「あざ」についてわかったところで、次に「あざができやすい人の特徴」について見ていきましょう。小澤先生によるとあざができやすい人には、ある共通点があるそうです。(※この章では「あざ」=打ち身やシミと定義し解説していきます)

(1)屋外にいることが多い

いわずもがな、紫外線はシミの原因として皆さんすでにご存じだと思います。シミや色素沈着は、紫外線に当たると色が濃くなるため、あざが増える原因となります。

(2)顔をよく触る

肝斑に似たあざの中に後天性真皮メラノサイトーシスという病気があります。大人の女性に多いのが特徴で、肝斑もこの病気も皮膚に過剰な摩擦を加えると濃くなると考えられています。

(3)身体を洗うときナイロンタオルを使っている

これも擦れることが原因です。摩擦黒皮症といわれるものです。やせ形の若い女性に多い傾向があります。鎖骨や肩甲骨、腰骨や背骨におこります。ナイロンタオルでなくても、強い摩擦力が長期間加わることで生じます。

(4)湿疹などができるとよく掻いてしまう

皮膚に強い力が加わったり、長期に摩擦を繰り返すことで、メラニンが増える原因となります。スキンケアは欠かせませんが、長時間皮膚に触れることや、過剰に力を加えてしまうと「あざ」ができてしまいます。

(5)血管が弱い

皮膚が薄かったり血管が弱いと少しぶつけただけでも毛細血管という細い血管が破れ、赤血球が漏れて打ち身のあざができます。高齢の方ではぶつけなくても自然に皮下出血を起こします。

(6)皮膚が薄い

皮膚は外的刺激を防御する働きがありますが、皮膚が薄いと摩擦に弱かったり、ぶつけた際の衝撃が血管にまで及びやすいのでやはりあざができやすくなります。

あざができにくい体を作るには

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あざができやすい人の特徴、あなたはいくつ当てはまりましたか? ここからは解決編、「あざ」ができにくい体を作る方法について小澤先生のアドバイスを紹介します。(※小澤先生によると本来のあざ<生まれつきのもの>は予防できないとのこと。ここでは先ほどと同様、打ち身とシミに対する対処法をお教えします)

(1)紫外線対策を行う

あざだけでなく、シミ対策にもなります。顔や手など日光にあたる部位であれば日焼け止めを塗るようにしましょう。首の後ろや夏場に露出する脚もお忘れなく。

(2)皮膚に過度な刺激を与えない

身体を洗うときは、強い力が加わらないようにしましょう。ナイロンタオルは摩擦が大きく、力が入りやすいので、なるべく使用を避けたほうが無難です。おすすめは肌当たりがやさしい綿のボディタオルや素手です。ボディソープや石鹼をよく泡立てれば、手の平で洗っても皮脂汚れは十分落ちます。

同様に、洗顔も力を入れすぎないことが大切です。たとえば、クレンジングをミルクタイプにしたのに強い力でこすっては意味がありません。洗顔のコツは、「生まれたての赤ちゃんやゆで卵を洗う力加減」で。洗顔後のお手入れ(化粧水や乳液)も、力みすぎないように気をつけましょう。あざ(シミ)を薄くしたいあまり、たくさんの化粧品をこするようにつけていたことがかえって悪化させる原因だった、なんてこともあります。

(3)掻かない

掻くことも皮膚には大きな刺激となります。かゆい場合には皮膚科を受診し、適切な塗り薬を処方してもらい、掻かないようにしましょう。

(4)保湿する

皮膚の乾燥はさまざまなトラブルを引き起こします。保湿力の高い肌は弾力があるので打ち身などのあざができにくくなります。具体的な方法は保湿剤を塗って乾燥を防ぐのが効果的です。また、バランスのとれた食事と十分な睡眠をとることも健やかな肌を作るには重要です。

(5)ビタミンCを積極的に摂る

ビタミンCはコラーゲンの生成に大きく関係しています。ビタミンCが不足するとコラーゲンが正常に作られないため、お肌のハリが低下します。ハリが低下した肌は弾力もなく、(4)で説明したように、打ち身ができやすくなります。

また、血管の壁にもコラーゲンは存在しているので血管も弱くなってしまいます。ビタミンCは果物や野菜に多く含まれています。これらを積極的に摂るようにしましょう。また、一度にたくさんとっても代謝されてしまうので続けることが大事です。毎日摂るのが難しければ、サプリメントを補助的に利用するのもいいと思います。

上記を実践しても、あざができやすいまま……という人は、病気が隠れているサインかもしれません。あざ以外にも体の不調がある場合は医師に見てもらいましょう。

まとめ

あざができる原因やあざをできにくくする方法について紹介してきました。いかがでしたか? 「あざができやすい」と悩んでいた方はぜひ、先生のアドバイスを実践してみてくださいね。

(文:小澤佑美、構成:マイナビウーマン編集部)

※画像はイメージです

※この記事は総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックを行いました(2018.05.14)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

 

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