お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

職場結婚をどう報告する? 社内恋愛で結婚するときに気をつけたいこと

藤井佐和子(キャリアアドバイザー)

仕事を通じてさまざまな出会いがあることは、とてもよいこと。お互いのよいところも悪いところもすべて見えてしまう仕事の場面。日ごろのお互いの仕事ぶりをみて、恋愛・結婚対象と思えるって素晴らしいことですよね。しかし一方で、恋愛はまだしも、結婚となると、面倒なことはたくさんあるようです。「結婚後も同じ職場で大丈夫? 周囲のみんなはどう思っているの?」「結婚の報告をいつ、誰にしたらいいの? 上司になんて言えばいいの?」と、おめでたいことなのに、頭を悩ませている人も多いようです。そこで、職場結婚を周囲に報告する段取りや、仕事を続けるときに気をつけたいことについて、説明していきます。

職場結婚を報告する段取り

職場結婚が決まったら、いつ、誰に、どのように報告するのがよいでしょうか。また、結婚の報告と同時に伝えておくとよいことについても、説明していきます。

職場結婚を報告するタイミング

職場が同じ相手との結婚が決まった! おめでたいこと、うれしいことですが、職場だからこその面倒なことも。それは報告のタイミングです。

以前筆者は、ある管理職の方からこんなことを聞いたことがあります。「部下から結婚しました、と結婚後、報告があった。別に悪いことではないけれど、なんか腑に落ちない。最近の若い人は、そんなもんなのかなあ……。確かにプライベートと仕事は関係ないといえば関係ないから何とも言えないが」、というもの。実は事後報告した部下の理由は、あとからわかったのですが、「言うタイミングを逸してしまった」というものでした。姓が変わる、家族構成が変わる、など、福利厚生に関わることは、会社側の手続きも必要にあるため、報告する必要があります。しかし、それ以前に、職場の人たちへの配慮として、周囲への報告はしたほうがよいでしょう。

では、どのタイミングで伝えるのがベストでしょうか。披露宴に上司やメンバーを招待する場合は、招待状を渡すなどのタイミングで伝える人も多いようです。しかし、身内だけの結婚式だったり、海外挙式を予定していたりする場合があります。または籍だけ入れる場合もあるでしょう。その場合は、結婚式をするしないにかかわらず、タイミングは3~4カ月前くらいが望ましいでしょう。

特に、披露宴に招待する場合は、日程をおさえておいてもらう必要がありますし、結婚式をしない場合でも新婚旅行や引っ越しなど、家庭環境が変わることで仕事で周囲にお願いすることも出てくるかもしれませんから、早めに伝えておく方が安心です。

職場結婚を報告する順番

さて、報告の順番ですが、組織上で言えば、まずは上司からがよいでしょう。チームマネジメントをしているのは上司です。当人が不在の際は、誰に任せるのか、などを考える必要がありますから、最初に伝えるべきです。しかし、日ごろから仲の良い同僚に恋愛・結婚の話はすることもあるのではないでしょうか。そんな会話の中で、結婚の報告を先にすることもあります。そんな時は、上司への報告をするまで、周囲に話すのは待ってもらってください。また、夫婦で上司が異なるケースもよくあるもの。その時は、同タイミングで、それぞれが報告するのが無難です。

職場結婚を報告の仕方

メールで伝える

メールで報告のための時間をおさえることはよいですが、すべてをメールで伝えるのはNGです。例えば、「お伝えしたいことがありますので、今日か明日、どこかで15分程度、お時間いただけますでしょうか」といった内容がシンプルです。

直接報告する

上司と席が近いなど、わざわざメールでのワンクッションを置かなくてもよいケースもあります。その場合は、上司の手が空いていそうな時や一緒に移動する際に、伝えてもよいでしょう。「仕事の件ではないのですが、報告したいことがありまして。今よろしいですか?」といった感じで切り出すのがよいでしょう。

報告の際に今後について伝える

報告するだけでなく、結婚に関して決まっていること、たとえば、式の日時や、新婚旅行、引っ越しなどで休む旨は、自ら伝えましょう。そしてその際、自分の仕事を周囲にサポートしてもらう必要があれば、そのことも伝えましょう。

結婚報告のときにあわせて伝えたほうがいいこと

結婚報告の際に今後について伝える必要があるわけですが、では一体、何をどう伝えるべきでしょうか。

結婚式を行うかどうか

上司を招待する場合は、日時を伝えましょう。また、スピーチをお願いしたい場合もあると思いますので、お願いすることは可能かも確認しましょう。また、結婚式を行わない場合もその旨、たとえば「式は身内だけで海外で」など、こちらから状況を伝えましょう。

仕事は休むのかどうか

新婚旅行や引っ越しなどでお休みを取る場合、不在時の引継ぎも発生しますから、いつ休む予定か、どれくらいかかりそうか、など伝えましょう。また、新婚旅行を先延ばしにする人もいますよね。その場合も、「すぐに新婚旅行は予定していないので」と自ら伝えておきましょう。

仕事は続けるかどうか

上司の心配は、今後の仕事についてです。特に職場結婚の場合、どちらかが辞めるのではないか、と心配されることもありますから、続ける意志があるときは、自らはっきり伝えましょう。

妊娠もあわせて報告するときはどうしたらいい?

結婚と同時に、産休育休で長期休暇を取得することになりますから、結婚の報告と同時に伝えましょう。報告する際、今後のスケジュールについて、オブラートに包まず、はっきりと予定を伝えることが大事です。特に上司からは聞きづらいことかもしれませんので、こちらから正しく言う配慮も必要です。

【みんなの本音】職場結婚ってどう思う?

職場結婚は、おめでたいもの、みんなも理解してくれるのでは、と思いたいですが、中にはいろんな感じ方をする人がいます。流される必要はありませんが、一応知っておくことで、配慮するポイントがわかります。

問題ない派の意見

全然問題ないのでは?

・「特に不満とかはない。和やかな雰囲気になるならいい」(30歳/ホテル・旅行・アミューズメント/販売職・サービス系)

・「特に問題ないんじゃない?寿退社とかって言って女性が辞める理由がわからない」(30歳/建設・土木/技術職)

公私混同しないのであればOK

・「特に何も思わないが、ケンカなどを持ち込まないでほしい」(39歳/情報・IT/クリエイティブ職)

・「仕事に支障がなければ何も問題ありません」(32歳/不動産/営業職)

仕事に支障がなければ問題ない、という意見がほとんどです。つまり、問題ない、という意見の人も、仕事にプライベートの状況、私情を持ち込んできたら、あっという間に問題ある派になります。あくまでも切り分けることと、夫婦だからこそ、スムーズに仕事ができている、というメリットを感じてもらえるように自然体でふるまうことが大事でしょう。

ちょっと迷惑かも……派の意見

では一方で、迷惑と思っている人は、どんな理由なのでしょう。今後のふるまいの参考になりますので、ちょっと耳を傾けてみましょう。

気を使うのでやめてほしい

・「望ましくない。家庭の延長になられては困る」(38歳/商社・卸/営業職)

・「うちの会社の場合、同じ部署にならないように配慮されている。ただし、片方と仲が悪い場合、もう片方とも、自然と折り合いが悪くなる」(36歳/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)

このように意見を見ると、やはり、仕事とプライベートを切り分けられていない状況にNGを出している人が多いようです。

【まとめ】オンオフを切り替えていれば問題なし!

賛否双方の意見を合わせて見てみると、オンオフを切り替え、プロフェッショナルな意識で仕事をしていれば、問題ないといえるのではないでしょうか。仕事をきちんとしていれば、誰も文句は言わないはず!

職場結婚後、仕事を続けるときに配慮したいこと

職場結婚後、周囲との人間関係、協力体制を崩さないためにも、自身の行動は気をつけたいものです。自分自身だけでなく、パートナーと以下のような話を合わせておくのもよいでしょう。

仕事を続けるとき配慮したいこと

今まで通りの自分を心がける

周囲に気を使わせないためにも、より、今まで通りのふるまい、発言を心がけるとよいでしょう。自分は意識していなくても、周りには気を使う人もいる可能性が。そんな人に負担をかけないためにも、ときには、「今まで通りでお願いします!」と自ら周囲に公言してしまうこともオススメです。

家で話した仕事の内容は周囲に安易に話さないようにする

自分もパートナーもそれぞれ社内・社外に仕事関係の人がいるわけですから、心証を悪くしないように意識した発言を心がけましょう。以前筆者が聞いた話ですが、奥さんが、他部署の旦那さんから聞いた話を自部署で軽くしたところ、上司から「内緒の話も君にはできないなあ。なんでも家庭で伝わってしまう」と言われてしまった、ということがありました。周囲から、あの人に話すと全部家庭内で共有されてしまう、と思われてしまうと、大事な話をしてもらえなくなるかもしれません。

パートナーと社内でおおっぴらにプライベートの会話をしない

仕事にプライベートを持ち込んでいる、オンとオフの切り分けのできない夫婦、と思われてしまいますし、周囲に気を使わせることもなりますから、緊急の話以外は家に帰ってからするのが無難です。もちろん、社内メールもご法度です。

職場結婚後に退職、異動するケースは多いの?

以前に比べると、職場結婚で退職する女性は減ってきていますが、キャリア相談では、転職したほうがいいのか、といった内容も少なくありません。しかし結婚を理由に会社を辞めることは非常にもったいないことです。なぜなら、今までの実績や人脈を手放すことになるからです。もちろん、自身のキャリアを考えての転職であればよいと思いますが、単に周囲に気使ってであれば、辞めずに続けることをオススメします。

また、会社によっては未だに、同部署内の結婚の場合、どちらかが異動する、という風潮の会社も存在します。しかし、仕事と結婚は関係のないものですから、自分自身がしっかり線引きしてやっていきたいことをまずは会社に伝えてはいかがでしょうか。

大事なことは、自分の意識と周囲の理解

今や、共働きはあたりまえの世の中です。結婚によって、どちらかが辞めるなんてもったいない話。ましてや、結婚を機にキャリアアップのための転職であればよいですが、周囲に遠慮しての退職であれば、その必要はありません。自分たちが同僚や上司など、仕事でかかわる人たちに気を使わせない配慮をすれば、そして、プロフェッショナル意識を持ち、よい仕事をすれば、まわりはむしろ、「結婚を理由に辞めてほしくない」と感じ、きっと理解してくれるはずです。

(藤井佐和子)

※画像はイメージです

※『マイナビウーマン』にて2016年9月にWebアンケート。有効回答数200件(22歳~39歳の働く男性)

SHARE