医師に聞く! ベジタリアンは、本当に長生きできるの?
■ベジタリアンが増えている?
ベジタリアンという言葉をこのごろ、よく聞くようになってきました。肉を食べないのはもちろんのこと、魚や卵、牛乳もとらないベジタリアンの方も見かけるようになっています。おしゃれなカフェなどではベジタリアン対応メニュー、として野菜や豆をメインにした食事を提供しているところもありますね。
おそらく日本では、生まれたときからベジタリアン、という方はそう多くないと思います。なぜいま、たくさんの方がベジタリアンになるのでしょう。宗教上の理由、動物愛護の精神、その方によっていろいろな理由があると思いますが、ひとつには「健康のため」ということがあるのではないでしょうか。
■「ベジタリアンは長生き」は本当?
食生活の欧米化が問題視されるようになってから、肉や動物性脂肪の取りすぎを避け、緑黄色野菜や果物などを積極的にとるようにすすめられています。肉類を食べすぎると、コレステロールや飽和脂肪酸の摂取量が増え、脂質異常症や動脈硬化の発生が増えます。また、肥満や2型糖尿病、高血圧が増えることも証明されています。
しかし、「まったく」動物性食品を摂取しない、つまりベジタリアンの食生活が体によく、長生きなのかといわれると、実はまだ、はっきりした結論は出ていないようなのです。
■沖縄県は長生きの人が多い?
実際、肉類を好んで食べるひとよりもベジタリアンのほうが長生きする、という研究結果も海外では報告されてはいますが、いまのところ限定的なものに過ぎないようです。逆にコーカサス地方や沖縄県など伝統的に長寿の人が多い地域として有名なエリアでも、ヨーグルトや豚肉の摂取量がほかの地域よりぬきんでて多いというデータもあります。
また、ベジタリアンの方には、ほかの生活習慣、たとえば喫煙や運動の有無などにおいても健康に気を使う方の割合が多く、単純に2つのグループを比較するのがなかなか難しいという側面もあります。
■まとめ
いまの段階では、ベジタリアンであってもそうでなくても、長生きをするためには栄養バランスのいい食事をとり、喫煙や過度のアルコールを避けて、定期的に運動する、といったことを守って生活していくのが一番のようですね。
(文:28歳女性内科医/Doctors Me、構成:マイナビウーマン編集部)
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※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.05.31)
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