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世代や男女による恋愛観のちがいとは

織田隼人(心理コーディネーター)

中田ボンベ@dcp

「恋愛観」は男女はもちろん、世代でも大きく異なるものだといわれています。その「恋愛観のちがい」が原因で、意中の相手へのアプローチや付き合い方で悩むこともあるでしょう。そこで今回は、この「世代や男女による恋愛観のちがい」を紐解きます。

「恋愛観」の世代間、男女間のちがい

世代や男女によって恋愛観はどのように異なるのでしょうか? 心理コーディネーターの織田隼人さんに解説してもらいました。

男女のちがい

男女の恋愛観でもっとも異なるのが、「気持ちが盛り上がるタイミング」です。男性は付き合う前に気持ちが盛り上がることが多い傾向があります。そのため、男性は女性と「付き合うため」にがんばるのです。よく「男性は釣った魚にエサをやらない」といいますが、付き合うまでにがんばる男性は、付き合ったあとに気持ちが落ち着く傾向があるからです。一方、女性は付き合ってから気持ちが盛り上がることが多いため、女性は彼と「いい付き合いをするため」にがんばります。

恋愛は一種のストレスですので、ずっとがんばり続けることはできませんし、付き合う前に男女両方の気持ちが盛り上がり切ってしまうと、付き合った直後に別れやすくなります。そのため、付き合う前は男性、付き合ったあとは女性の気持ちが盛り上がるようにして長期の付き合いができるよう、生物として設計されているのです。

結婚観についても男女で異なり、男性は「責任」と考えていることが多いです。彼女を一生責任を持って守っていく、と男性は考えるのです。女性はというと、「幸せな時間を紡いでいく」ための結婚と考えることが多く見られます。

ミニマムライフ世代とゆとり世代のちがい

世代で恋愛観はどのようにちがうのでしょうか? 例として「ミニマムライフ世代(現在の30代)」と「ゆとり世代(現在の20代)」の2つでどのように異なるのかを、織田さんに解説いただきました。

ミニマムライフ世代は「就職氷河期世代」といわれているように、不景気の中で育ったので、「安定を求める傾向」にあります。恋愛もそうですが、結婚においても「長く続けていけること」「問題が起きないこと」を意識する傾向が強く見られます。そのため、お互いの収入、仕事の安定度などが恋愛・結婚に影響します。

ゆとり世代はデジタルネイティブの世代で、物心ついたときには身のまわりに電子機器があり、コミュニケーションも携帯端末を使っていた世代です。ベンチャー企業が大きく成長する様子など、社会的にも明るいニュースを目にしているので、人生に対する悲観的な考えはミニマムライフ世代に比べて少し薄くなっています(それでも不景気が長かったために、あまり楽観的ではありませんが)。

ゆとり世代は教育の効果も含めて「自由」を求める傾向が強いので、恋愛においても「お互いに縛り合わないこと」を重視する傾向がわずかに強いといえます。お互いの意思を尊重し合う、という点ではプラスの面も多いといえますね。

恋愛観の培い方や恋愛観の変え方

そもそも、「恋愛観」はどのように培われ、そして一度培われた恋愛観は変えることはできないのでしょうか? 織田さんに聞いてみました。

恋愛観はどうやって培われる?

恋愛観はこれまでの経験により培われていくものです。経験といっても自分の実体験だけでなく、友だちの恋愛を見たり、ドラマや映画で見た理想を重ねたり、漫画や小説からの情報をもとに自分の恋愛観を作っていきます。

このうち、娯楽作品を見ると恋愛に対しての理想が少し高まる傾向にあります。ドラマ・映画・小説・漫画は、理想の恋愛を表現していることが多いからです。こうした理想の恋愛を知ることはいい影響を与えます。

いい影響のひとつが「恋をしたくなる」ことです。恋をしたい、という気持ちや恋への憧れが薄いと、なかなか異性と付き合うための一歩が踏み出せません。しかし理想を高く持つことで一歩前に踏み出すことができ、経験を深めることができます。さらに、恋愛のノウハウを学ぶことで「人との付き合い方」を理解し、それらが統合されて自分なりの恋愛観が構築されるのです。

恋愛観の変え方

恋愛観を変えたいとき、手っ取り早いのは「人の恋愛体験に興味を持って聞くこと」です。そうすると、恋愛に対する自分の考え方とのちがいなどに気づくことができます。そこで気づいたことに「こういう考え方もあるんだ」と感じ、知識として頭に入れるだけでも恋愛観は変わります。

「自分だけが正しい」という考え方をすると、恋愛観が固定化されて変化は起きません。「こういう考え方もあるのだ」とちがった見方をすることで、ほかの恋愛を広く見渡すことができるようになり、恋愛に対する自分のスタンスも少しずつ変わります。たとえば、一途な人間になりたいのであれば、一途な人の考え方を聞いてみましょう。そこで「初恋の人とずっと付き合って、そして結婚できれば最高!」と一途な考え方を聞くことで、その人の恋愛観が見えてきます。

また、たくさんの人と付き合ってみたいと思うのであれば、いろいろな人と付き合っている人に話を聞いてみるといいでしょう。「付き合いが増えるたびに、人それぞれにちがった魅力があることがわかるよ!」と聞けば、またちがった考えを得ることができます。

いろいろな考え方があり、それぞれに正しいのが人間社会です。自分の考えを切り替えたいときには「人の考えを聞いてみるのが一番」といえます。もし、人の話を聞くのが苦手な場合は、ネットで体験談を探してみるのもいいでしょう。そうすると、誰かに会わずとも他人の体験を知ることができ、自分の考えもアップデートできますよ。

いろんな恋愛観に触れてみよう

男女や世代で恋愛観の特徴が異なるものの、恋愛観を培う上で大事なのはやはり「経験」とのこと。もし自分の恋愛観を変えたり、アップデートしたいなら、創作物から理想の恋愛像を得たり、多くの人から恋愛に関する話を聞いたりして、自分自身の経験を深めることが大事。恋愛観を変えることで、魅力的な恋を引き寄せられる可能性もありますから、できるだけ多くの恋愛観に触れてみるといいかもしれませんね。

(文:織田隼人、構成:中田ボンベ/dcp)

※画像はイメージです

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