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大人の女子旅は“恋するうどん県”に決まり―アートも、電車も。うどんだけじゃない「香川県」の魅力

県知事が記者会見を開き、香川県出身のイケメン俳優「要潤うどん県副知事」が「香川県はうどん県に改名します」と宣言してから、観光客が増加中という香川県。そんな香川県の今年のテーマは、“恋するうどん県”。インパクトのあるプロモーションで、観光客のさらなる増大をはかっているそう。

【香川県あるある「そば食べない」「雑煮にあんこ」「すき焼きに大根」】

女性としてやはり気になるのが“恋する”というフレーズ。恋するほどの魅力? うどん以外に何があるの?という素朴な疑問を解消するために香川への旅を決意! オフを利用して行ってきました!

●延長運転中の「サンライズ瀬戸」に乗って琴平へ

瀬戸内海国立公園指定80周年を記念し、寝台特急「サンライズ瀬戸」が、9月から11月の金曜日、土曜日、休前日に東京駅を出発する下り便のみ、高松から琴平まで延長運転中というタイミングと重なったため、寝台列車を選んで、琴平へ。鉄道オタクではないものの、初体験の寝台列車に大興奮! JRと住宅メーカーの共同設計という車内は、木の温もりが漂うインテリアで、完全個室のシングルとツインがメイン。

シャワールームも完備しているから、お風呂に入れないという心配もなし。電車であることを忘れてしまう快適さで到着までぐっすり。

今回利用したのはB寝台の「シングル」。ベッドのほか、ミニテーブルとオーディオあり。

9月~11月末までの金・土・休前日に出発する下り便のみ高松~琴平間の延長運転を実施中。

●琴平の鉄板スポット、こんぴらさんでパワーチャージ

琴平に到着したら、こんぴらさんの名で親しまれる金刀比羅宮を参拝。ご祭神は大物主神と崇徳天皇で、海上安全や五穀豊穣などにご利益があるといわれ、全国から参拝者が耐えない全国有数の大社。参道にあるソフトクリーム屋やお土産店に立ち寄りながら、目指すは、785の石段の先にある御本宮へ。

軽い登山という噂にたがわず、道のりはややハードなものの、緑したたる自然の空気を感じたり、奥書院で特別公開中の「秋の特別展―若冲邂逅」の作品を鑑賞したり、石段500段にある資生堂パーラー「神椿」で休憩をはさみながら向かえば、あっという間に到着。

御本宮社殿前にある展望台からは、讃岐平野ののんびりとした景色が広がり、石段の疲れも瞬時に吹き飛ばしてくれます。

サンライズ瀬戸の延長運転期間に合わせて特別公開中の奥書院。目玉は伊藤若冲の《花丸図》。

石段26段目にあるセレクトショップ、YOHAKU26には旅の記念になるお土産がいっぱい。

御本宮への石段は786段(なやむ)であったことから語呂を忌み嫌い、一段下がる石段が。

一段下がる石段の拡大

海抜251mにある御本宮。農業、殖産、医薬、海の神様として古くから信仰を集めています。

香川の郷土お菓子、おいりをトッピングしたソフトクリーム。食べればお嫁に行ける!?

●日本最古の芝居小屋、金丸座の歴史に触れて

お参りの後は、門前町にある旧金比羅大芝居(金丸座)を見学。春の歌舞伎シーズン以外は自由に鑑賞することができ、こんぴらさんと一緒に回るのが鉄板の観光コース。現存する日本最古の芝居小屋とあって、足を踏み入れた途端、タイムスリップしたような感覚におちいります。

当時のまま残された座席や舞台はもちろん、楽屋、風呂場、奈落(舞台や花道の床下の総称)といった舞台裏ものぞくことができ、高揚感は増すばかり。来年春の歌舞伎シーズンに再訪しようと夢想を膨らませ、ますます大興奮するのでした。

四国路に春を告げる風物詩になっている「四国こんぴら歌舞伎大芝居」が行われる金丸座。

時間の経過を忘れて鑑賞してしまうレトロな空間。桟敷席も平場席も昔はすべて畳敷き!

●弘法大師誕生の地、総本山善通寺へ

四国八十八ヶ所霊場第七十五番札所の善通寺は、和歌山の高野山、京都の東寺とともに弘法大師様の三大霊跡です。国の重要文化財である本堂(金堂)のご本尊は、薬師如来坐像。また、総高43m、日本で三番目の高さを誇る五重塔をはじめ、良縁成就のパワースポットの大楠、再現された弘法大師様のお声を聞くことができる「戒壇めぐり」、宝物館などがあり、見どころ満載。

お参りの後、御朱印帳を探すと、なんと、四国八十八ヶ所霊場の線描画入り納経帳なるものを発見! 珍しさにテンションが上がり、すぐさま購入。善通寺の御朱印をいただき、近い将来、お遍路さんに挑戦しようと決意したのでした。

善通寺西院近くにある熊岡菓子店は、古くから地元民に愛されている堅パンが有名なお店。

国の重要文化財に指定されている本堂の金堂。現在の建物は元禄12年(1699)の上棟。

金堂や五重塔が建ち並ぶ東院にある二株の大楠は、香川県の天然記念物に指定されています。

●まだまだあります、香川の魅力をクローズアップ!特別名勝、栗林公演でお姫様気分を満喫

JR高松駅から程近い場所にある栗林公園は、国の特別名勝に指定されている文化財庭園の中では最大の広さ。歴代の高松藩主により百年余りの歳月をかけ、完成した大名庭園は、今もその美しい姿が守られ、引き継がれているとのこと。

紫雲山を借景に、6つの池と13もの築山が配され、手入れの施された松と多彩な花々が四季折々の表情を見せてくれます。園内をブラリお散歩して緑のグラデーションに彩られた景色を堪能したら、お目当ての“舟遊び”を体験。

南湖と呼ばれる7900平方メートルの広大な池を、船頭の解説を聞きながら周遊できるという粋なサービス。優雅な時間が流れ、お殿様ならぬお姫様気分が味わえちゃいます。

●ちょっぴり足を延ばして男木島へ

瀬戸内の島々を舞台に開催される瀬戸内国際芸術祭をはじめ現代アートが盛んな香川。帰りの飛行機まで時間があったので、2010年、2013年と2回瀬戸内国際芸術祭の舞台になった男木島へ行ってみることに。高松からフェリーで約40分、船上から見えてくるのは、山の斜面に重なるように密集した石垣の集落。

ノスタルジックな光景に目を奪われながらフェリーを降りると、今度はスペインのアーティスト、ジャウメ・プレンサの現代アートが視界に飛び込み、その対比が印象的。島内には映画の舞台にもなった古い灯台があるかと思えば、カラフルな壁画アートがあったり、古いものと新しいものを絶妙に混在させた、独特の空気感が漂います。

高松港からフェリーで約40分。桃太郎の鬼退治伝説が残る島、女木島を経由して男木島へ。

面積1.37キロ平方メートル、周囲4.7km、人口約200人の島。島の中央には標高213mのコミ山が。

ジャウメ・プレンサの作品《男木島の魂》。各国の様々な言葉をモチーフにした屋根に注目。

眞壁陸二《男木島 路地壁画プロジェクトwallalley》。民家の壁にはカラフルなアートが。

栗真由美《記憶のボトル》。島民から集めた思い出のものなどをボトルに入れ、LEDライトで照らしだした美しい作品。

●まとめ

江戸時代、お伊勢さんと並んで庶民の憧れだったこんぴらさんをはじめ、善通寺、栗林公園、瀬戸内海にたたずむアートの島々……日本一面積が狭い県でありながら、香川には女子のハートを射抜く魅惑的なスポットがたくさん。

行楽シーズン真っ只中の今、女子旅の目的地に選んでみてはどうでしょうか?

※この記事は2014年09月30日に公開されたものです

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