【新連載】彼に振られたあの日から、もう何もかもが面倒で……
将と知り合ったのは2年前、
友だちが主催するバーベキューでだった。
気持ちのよい川風に吹かれながら、
8人もの男女が集まった中で、
不思議にわたしと将は話が合い、
その日の帰りにはメールの送り合いになり、
すぐにふたりきりで会うようになって
将からの告白で、
お付き合いが始まった。
それから2年間、交際は順調なはずだった。
毎週、会う約束をして、
ドライブに行ったり、映画を見たり。
お盆休みには将の田舎でご両親にもお会いした。
だからわたしは、こうして過ごすうち、
いつかは結婚できるもの、と思い込んでいた。
しかし今年の春、将が突然
「実は、好きな人ができたんだ」
と言い出した。
「好きな人って、わたしじゃなくて?」
そう聞くと将は首を大きく縦に振った。
そんなバカな。
いつからわたしは将の
「好きな人」じゃなくなったんだろう。