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各市区町村に1億円を配ったふるさと創生交付金って結局どうなった?「日本一長いすべり台⇒三日天下」

皆さんは、日本政府が1988年から1989年にかけて行った「自ら考え自ら行う地域づくり事業」、通称「ふるさと創生事業」という政策を知っていますか? これは地域活性化のために、各市区町村に対し資金1億円を配布したもの。

「一億円事業」という呼び方の方がピンとくるかもしれませんね。

当時非常に話題になったこの「ふるさと創生事業」ですが、各市区町村が1億円を使って行った事業はどんなものだったのでしょうか? また、結局どうなったのか、ピックアップしてご紹介します。

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今でも残っているものもあれば……悲喜こもごも

●金塊のレンタル(兵庫県津名郡津名町)※現在の淡路市

兵庫県津名郡津名町が行ったのは、1億円を担保にした「1億円相当の金塊のレンタル」です。ニュースでも大きく取り上げられたこともあり、一番知名度の高い事業内容かもしれませんね。レンタルした金塊の重さは62.696キログラム。

金塊見たさに訪れる観光客も多かったそうですが、金相場のレートが上がったことが原因となり、返却されました。担保金は市に返却され、現在はレプリカが展示されているそうです。

●日本一長いすべり台(山梨県北都留郡丹波山村)

山梨県丹波山村が交付金の1億円で行ったのは、「日本一長いすべり台」の製作でした。日本一のすべり台を体験するために観光客がやって来るという目的だったのでしょう。すべり台は1990年に完成。全長は247メートルで、当時日本一でした。

しかし、完成から3日後に悲劇が起こります。なんと静岡県の日本平動物園に、全長390メートルのローラースライダーが登場したのです。3日間だけの日本一でした。

●キャバレー(秋田県仙北郡仙南村)※現在の美郷町

秋田県仙北郡仙南村が1億円をかけて行った事業は、遊興施設の建設でした。「フォーラムハウス」という名称のこの施設ですが、白塗りの派手な建物や数千万円の高額カラオケ機材などに注目が集まり、「村営のキャバレーのようだ」と話題になりました。

会員費も高かったため利用者は少なく、結局は赤字がかさみ閉鎖となりました。

●純金の像の建設(高知県高岡郡中土佐町)

高知県高岡郡中土佐町は、1億円を使って純金の「カツオ像」を作りました。金色に光るカツオの像は注目が集まりましたが、後に盗難に遭い、最後は溶かされてしまったそうです。同じように純金の何かを作る自治体は複数あり、

・純金のこけし(青森県黒石市)
・純金の雌雄の鯛(大分県日田郡中津江村)※現在の日田市

などが有名です。こけしは後にオークションで2億円近い金額で落札され、純金の雌雄の鯛は片方が盗まれてしまったそうです。

●貯金(群馬県北群馬郡榛東村)

何かに使ってしまう自治体が多かった中、群馬県北群馬郡榛東村は1億円を丸々貯金しました。15年間で約6,000万円の利子が付いたそうです。こうした活用方法もアリなのかもしれませんね。

●温泉の掘削(大分県竹田市)

1億円を投じて温泉掘削を行ったところ、温泉ではなく「水」を掘り当ててしまいました。しかし、この水が大変良質でなおかつ湧出量も豊富だったため、「水の駅おづる」として活用しています。現在も多くの人が水をくみに来るそうです。

まとめ

これら以外にも、多くの各市区町村が1億円を投じてさまざまな事業を行いました。中でも多かったのが、その地域ゆかりのモニュメントの建設でした。よく分からない像が建てられたりしたため、「無駄遣いだ」と批判されることも多かったそうです。

もちろん、「水の駅おづる」など、役に立った事業も多くあります。

バブル絶頂の当時だからこそできたこの事業。もし今行われたとしたら、各自治体はどんなことをするのでしょうね。

(中田ボンベ@dcp)

(C)Bakkai

※この記事は2014年09月17日に公開されたものです

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