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【新連載】結婚退職者がこれで3人目……私、どうなるの?

部屋には松波さんとわたしだけが残った。
「これ、イオン飲料とおかゆを持ってきました。
あと、元気になったら何かごちそうさせてください。
このままじゃ申し訳なさすぎる」
松波さんまで、しきりに恐縮している。

「じゃあ、回復したらお言葉に甘えちゃいます。
松波さんも……ちゃんとご飯を食べてくださいね。
ちょっと心配です」
「そうします。もうこりごりです」
そう笑った彼は、品よくステキだった。

そしてお見舞いに来てもらった翌々日には、
わたしもすっかり元気になって店に出勤できた。
これを機会に他のスタッフにも、
わたしの仕事を積極的に振り分けることにした。

仕事の帰り道、ちょっとだけ勇気を出して、
松波さんに「おかげさまで元気になりました」
と、メールを出してみた。
「よかった! 正直かなり気にしていました。
ぜひ、何かごちそうさせてください。
予定の空いている日、教えてくれますか?」
わたしはスマートフォンに向かって、
ニッコリと微笑んだ。
もうすぐ春だし、きっといいことある予感がする。

(おわり)

※この記事は2014年02月06日に公開されたものです

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