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【新連載】神さま、どうか今年こそあの人と縁を切れますように……

遅いランチが終わった後、
わたしたちは島の出口に向かって歩き出した。
途中、お土産物屋の貝細工をのぞいたり、
かわいらしく大人しいネコの画像を撮ったり、
ふらふらと寄り道しながら帰り道をたどった。
すると灯台の門の前で中尾さんは言う。

「せっかくだから灯台に登りませんか?
今からなら夕焼けが見られるかもしれない」

急ぐ旅でもない。中尾さんに誘われるまま、
わたしは灯台に登ることにした。
入場券を買う列に並び、
さらに展望台へのエレベーターの列にも並ぶと、
冬の太陽はひどく駆け足で西に傾き、
展望台に上がる頃ちょうど日没となった。

それは完璧な風景だった。
海岸線はベージュがかった灰色に、
長くなだらかな弧を描き、
海の青はさっきよりもずっと濃く、
そして富士山の薄紫色のシルエットの脇に、
オレンジに燃える太陽が身をおさめていく。
その風景はわたしの胸にじんと響き、
一気ににじんで流れさった。
いやだ……
わたしは泣き出してしまっていた。

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