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海外旅行のトラブル対処法はこれだ!「パスポートなくした→最寄りの警察署へ」

海外旅行の際、パスポートの紛失や盗難など、思わぬハプニングに巻き込まれる可能性があります。では、そういったトラブルに遭遇した際には、どんなふうに対処すればいいのでしょうか? 一般社団法人日本旅行業協会(JATA)の広報・佐藤栄子さんに対処法を伺いました。

万が一のために海外旅行保険は必ず入ろう!

――海外旅行でトラブルに巻き込まれた際の対処法を教えてください。

佐藤さん 旅行会社の海外パッケージ商品を購入して海外旅行をしたときに、パスポートを紛失したり、事故に遭ったり、病気になった場合は、添乗員付きの場合は添乗員が対応します。添乗員が同行しない場合でも、現地のアシスタントや緊急連絡先に連絡するとアドバイスや対応をしてくれます。

――なるほど。海外旅行のパックツアーなどは、旅行会社の方が対応してくれるんですね。

佐藤さん ただ、個人旅行で海外旅行をする場合は、自分で対処しなければなりませんので、出発前に現地の情報等を十分に収集しておく必要があります。

また、いずれの場合も、海外で事故に巻き込まれたり、病気になったりして手術や入院をした場合、高額の治療費が必要となりますので、海外旅行保険には必ず加入することをお勧めします。

盗難? 紛失? パスポートをなくしたら?

――個人旅行でトラブルに遭遇した際は、自分で対処しないといけないとのことですが、具体的にどんなことをしないといけないのでしょうか?

佐藤さん まず、パスポートを紛失した場合です。パスポートを盗まれたり、紛失したら、まず最寄りの警察署へすぐに届け出て、紛失・盗難届の受理証明書をもらいます。そして受理証明書を持って現地の日本大使館(領事館)へ行き、再発給や、「帰国のための渡航書」の発給の申請をします。

――なるほど。パスポート以外の貴重品を紛失した場合も同じですか?

佐藤さん 貴重品の場合も、最寄りの警察署へすぐに届け出て、紛失・盗難届の受理証明書をもらいます。この書類は保険請求などの際にも必要です。

――パスポートや貴重品の盗難を予防するにはどんなことに気を付けるといいでしょうか?

佐藤さん 予防法としましては、

・上着やズボンのポケットなど、盗まれやすい所には貴重品を保管しない
・かばんなどはいつも手から離さない
・ビュッフェ形式の料理の場合、バッグを置いたまま、料理を取りに行かない
・ホテルの部屋の中に貴重品を置いたまま出掛けない

などが挙げられます。

パターン別のトラブル対処法は?

――例えば、海外で交通事故に遭ったり病気になったりした場合はどうすればいいのでしょうか?

佐藤さん 交通事故に遭った場合は、まずは警察に届けることが一番です。それから保険会社に連絡し、日本大使館や領事館に相談しましょう。病気になった場合は、ホテルに滞在しているときは、ホテルから病院を紹介してもらう。また、旅行保険に加入している場合は、保険会社のサポートデスクに連絡すれば、日本語が通じる人がいる病院を紹介してくれることもありますので、保険会社のハンドブックなどを読んでおきましょう。

病気の予防や備えとしては、持病がある人は英文の診断書を携帯したり、旅先の感染症などの情報を得ておく、また手洗いをまめにして生水を飲まないなどを心掛けましょう。厚生労働省のサイトで海外の流行している病気などが分かるので、確認しておくといいですね。

厚生労働省検疫所
http://www.forth.go.jp/

ここに注意! 海外旅行にあたって
http://www.forth.go.jp/useful/attention/index.html

――なるほど。こういった渡航先の病気の情報を確認することも大事ですね。

佐藤さん 他には、両替の際にはレートをチェックしてその場で必ず確認したり、銀行など公的な機関で両替をするなどをして、トラブルを避けたりすることも大事です。JATAのホームページには安全な海外旅行のヒントが掲載されています。ぜひ参考にしてください。

JATA 安全な海外旅行のヒント
http://www.jata-net.or.jp/travel/info/safety/hint/hint_index.html

また、外務省の海外安全情報専門のホームページにかなり詳細なトラブルの対処法などが掲載されているので一読をお勧めします。
http://www.anzen.mofa.go.jp/


■自分でできるリスク回避

――そのほか、海外旅行でトラブルに遭う可能性を減らす、またリスクを減らすにはどんなことに気を付けるといいですか?

佐藤さん JATAでは、自分でできるリスク回避の方法をまとめています。

http://www.jata-net.or.jp/sptravel/sub/pdf/lesson_safety.pdf

今回はその一部を抜粋してご紹介します。

●パスポートや現金は自己管理が基本
国や地域によって異なりますが、ホテルはたとえ部屋の金庫の中であろうと一切の責任を負わないのが一般的。フロントのセーフティーボックスに預けるよう指示がありますが、ホテルによってはそれすら万全とはいえない場合もあります。パスポートや現金、貴重品の保管については、結局「自己責任」としかいいようがないのです。

●巧妙なスリに注意を
スリのグループは巧妙な手口で旅行者の隙を狙っているということをお忘れなく。クレジットカード利用時も注意が必要です。サインをする前に金額を確認したり、店員の不自然な動きに気を付けて、思わぬカード詐欺に遭わないように用心しましょう。また、どんなに仲良くなっても、絶対にOKしてはならないのが、「日本の友人に荷物を届けて」といった類の依頼。麻薬が入っていたばかりに、何十年も海外の刑務所に服役している日本人もいるのです。

●財布の中身は見せない、現金はまとめて持たない
両替や買い物の後でお金を財布にしまうときは、周囲から見られないように素早く、こっそりと。また、一つの財布に全財産を入れるよりも、あらかじめ何カ所かに分散させておくと、万一のときも被害が少なくて済みます。

●旅行会社のツアー中にトラブルに遭ったら
旅先でトラブルに巻き込まれたら、慌てずに旅行会社のスタッフか現地支店に連絡をして指示を仰ぐ。盗難の場合は、たとえバッグ一つであっても、後で海外旅行保険の携行品の補償を請求する際には、現地警察へ届け出て盗難証明書をもらっておく必要があります。傷害や交通事故など事件性の高いトラブルの場合は、現地の日本大使館または領事館にも知らせる必要があります。

あれこれ考えながら旅行するのは嫌、という人もいるかもしれませんが、トラブルに巻き込まれてしまっては元も子もありません。日本とは言葉も文化も違う海外でのトラブルは身に危険の及ぶ可能性もあります。しかし、トラブルさえなければ旅行は楽しいものです。しっかりと準備をし、今回紹介したような対策法を頭に入れて旅立つようにしましょう!

一般社団法人日本旅行業協会HP
http://www.jata-net.or.jp/

(貫井康徳@dcp)

※この記事は2013年06月23日に公開されたものです

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