みんなが憧れる「自己イメージ」は「信頼」。憧れないイメージは?
日本写真印刷は、生活者心理データベース「裏づけくん」の活用事例サイト「裏づけくんアカデミック」にて、マーケティングリサーチ企業であるマイボイスコムのリサーチャー・森義博氏による執筆によるレポート「『憧れのイメージ』が消費行動に与える意外な影響!」を公開した。
「裏づけくんアカデミック」では、同社が独自に保有する生活者心理データベース「裏づけくん」の結果をもとに、マーケティングの専門家によるレポートを掲載。第5弾となる今回は、自分がどう見られたいかという?憧れのイメージ?が消費者の行動に影響を与えることを分析している。
●憧れる自己イメージは「信頼できる」「親しみやすい」「誠実な」
「かっこいい」「責任感が強い」など、憧れるイメージを70に分類して聞いたところ、全体では「信頼できる(42%)」「親しみやすい(37%)」「誠実な(35%)」が上位。逆に人気のないイメージは、「刺激的な」「セクシーな」「斬新な」だった。
●性別・年齢によって、自己イメージにはっきりとした違いがみられる
コレスポンデンス分析という手法により特徴を視覚化し整理したところ、男性の10代、20代は「斬新な」「たくましい」「冷静・クールな」「独創的な」イメージへの憧れが強い。また、女性の10代、20代、30代では、「清楚」「おしゃれ」「雰囲気のある」「芸術性のある」「楽しい」「素直」などが特徴的だった。
男性の60代は、「理性的」「決断力のある」、女性の50代、60代では「品性がある」「暖かさ・人間味がある」「はつらつ・若々しい」など、性別と年齢によってはっきりとした志向の違いがうかがえる。
●現実とギャップが大きいイメージは「美しい」や「かっこいい」
憧れと現実のギャップを見るために、「憧れのイメージ」と「現実のイメージ」がどれくらい一致している人がいるのか?充足割合?を算出。この値は、例えば、「かっこいい」に憧れている人のうち、何人が現在の自分を客観的に見ても「かっこいい」と考えているかを表している。
この結果、ギャップの大きいイメージとしては、「美しい」「洗練された」「清楚な」「かっこいい」「さわやかな」「ワクワクさせる」などがあげられた。
さらに、この「美しい」に着目し、「美しい」に憧れている人は現在の自分をどう考えているのか、プロビット分析という手法を用いてデータをふるいにかけたところ、「美しい」という憧れを持っている人は、現在の自分についても「美しい」と考えている傾向が強いことが読み取れるという。
これは、「これからもその美しさを維持したい」、「より高めたい」という気持ちの表れだと推測され、逆に「穏やかな」という自己イメージがある人は「美しい」というイメージをあまり求めていないことがわかった。
●?美しい?にあこがれている人が重視したいことは「パチンコ・スロット」?
「美しい」に憧れている人に「今後重視したい関心事」について聞いたところ、最も明確に関係性が見られたのは「パチンコ・スロット」となっている。そのほか、「株式投資・FX・不動産投資」など、「婚活」「化粧・メイク」に比べて、「美しい」とはすぐには連想しづらいこともあげられた。
●美しいイメージに憧れる人は、自分の感性・センスに自信を持っている
なお、「美しい」に憧れている人の意識や行動の傾向を「裏づけくん」の別のデータで確認したところ、「美しい」に憧れている人は「自分の感性・センスに自信」を持っている人であることがわかった。
さらに「パチンコ・スロット」が関心事になりつつある人は、「人付き合い」、「人脈作り」に意欲的な人。「株式投資・FX・不動産投資」に関心がある人は「政治経済」にかなり関心があり、自由に使えるお金が多い人、「化粧・メイク」に関心が高まっている人は「人付き合い」に意欲があるが、「自分の能力」にはあまり自信がない人、という傾向がみられたとのこと。
※この記事は2013年04月23日に公開されたものです