【医師監修】妊娠中期のおりものの特徴は?受診するのはどんなとき?

【医師監修】妊娠中期のおりものの特徴は?受診するのはどんなとき?

妊娠中、特に中期になると量の増加が顕著になる「おりもの」。多くは心配のない生理的な変化ですが、中には病気などのトラブルのサインのこともあります。妊娠中のおりものについて、どんな時に受診した方がいいのか、早速チェックしてみましょう。


この記事の監修ドクター
産婦人科専門医 太田寛 先生
松岸レディスクリニック(千葉県成田市)勤務。京都大学電気工学科卒業、日本航空羽田整備工場勤務。東京医科歯科大学卒業後、茅ヶ崎徳洲会総合病院、日本赤十字社医療センター、北里大学医学部公衆衛生学助教、瀬戸病院を経て現在に至る。日本産科婦人科学会専門医、日本医師会認定産業医、医学博士、インフェクションコントロールドクターICD)、女性のヘルスケアアドバイザー、航空級無線通信士。

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妊娠中はおりものが変わる?

妊娠して、おりものの量が微妙に変化したことに気づいていた人も多いのではないでしょうか。ここでは「妊娠中期のおりものの変化」について解説します。

おりものって何? 通常はどんな状態?

まずは「おりものとは何か」という話からスタートしましょう。

おりものとは、子宮や腟からの分泌物のことです。健康な女性なら色は透明または乳白色で、下着について乾燥したものは薄い黄色に見えたりします。また、ややすっぱい匂いは、子宮内に雑菌が侵入しないように腟内が酸性に保たれているためで、これも正常なおりものです。

おりものの量は、女性ホルモンなどの影響を受けて変化します。例えば、排卵の時期や性的興奮時、そして妊娠中はおりものが増加します。

妊娠によるおりものの変化

妊娠に伴うおりものの変化は、生理的な(自然な)変化のほかにも、何かしらの異常によって変化する場合があります。まず、生理的な変化についてお話しします。

おりものの量が増え、色も濃くなる

妊娠が成立すると月経(生理)が止まります。同時に、おりものの変化に気づく人も多いようです。

妊婦さんに行ったアンケートでは「妊娠中におきた体の変化」として「おりものの変化があった」という人が67.6%という結果でした。また、変化の具体的な内容は、「量が多くなった」(86.4%)、「色が付くようになった」(35.6%)、「水っぽくなった」(21.2%)、「においがするようになった」(16.9%)などが挙げられました[*1]。

おりものの変化は妊娠初期から始まる人も多くいますが、同じぐらいの割合で「妊娠中期から『おりものの変化』を感じた」という妊婦さんがいるようです[*1]。

妊娠するとおりものが増えるわけ

妊娠に伴うおりもののこのような変化は、女性ホルモンの一種・エストロゲンの分泌が増えることと、腟内の乳酸桿菌(にゅうさんかんきん)の作用が高まり酸性度が強くなることが関係しています。おりものの量が増え、かつその酸性度が高くなるということは、腟から細菌が子宮へと侵入し繁殖するのを防ぐ仕組みが、非妊娠時より強化されることを意味しています。つまり、妊娠をより安全に進行させるという目的にかなった変化と言えます。

なお、妊娠が順調に進み出産が近づいてくると、その前兆でおりものが増えることもあります。これは分娩時に潤滑剤の働きをする腟分泌物が増えるためと考えられます。

妊娠中、おりもののこんな変化には要注意!

ここまでに解説したおりものの量が増えたり色が変わるという現象は、妊娠に伴う生理的な(自然な)変化です。おりものの臭いやかゆみが強くなることはあまりなく、量もパッドが必要なほどにはなりません。

では、生理的ではない変化とは、どのような変化かというと、色やにおいが強かったり、かゆみを伴ったりするときなどです。そのような場合でも、自覚症状が強くなければ、すぐに産婦人科を受診する必要はありません。次回の妊婦健診の時に相談してみましょう。ただし、痛みを伴う出血がある、腟の周りがかゆくて眠れない、などの場合には2~3日以内くらいに産婦人科を受診しましょう。

妊娠中のおりもののよくある変化

妊娠中は次のようなおりものの変化はよくあります。多くの場合は急いで対処する必要はありませんが、自覚症状が強い場合には受診してください。

・においが強くなる(魚のような生臭いにおいなど)
・色が変わる(黄色、黄緑(緑色)など)
・性状が変わる(カッテージチーズ状など)

妊娠中のおりもの変化と主な感染症

腟カンジダ(外陰腟カンジダ症)

カンジダという真菌による感染症で、75%の女性が一度はかかると言われるほど多いもので [*2]、かゆみのほかにおりものの変化のほかにかゆみを伴うこともあります。

おりものは典型的な場合、おから状、カッテージチーズ状、ヨーグルト状、顆粒状と呼ばれるような性状に変わり、下着に白または灰色、黄色の顆粒のようなものが付着します。自覚症状が強くなければ、様子を見てもかまいません。かゆみが強い場合には治療をしますので、かかりつけの産婦人科を受診しましょう。

細菌性腟症

細菌性腟症も珍しくない病気で、検査をすると女性の10~30%は罹患していると言われるほどです。症状がある場合は治療しますが、無症状であっても治療(特に妊娠20週までの早期)が、早産予防に有効な可能性があるとされています[*3]。ほとんどの場合は何もせずに症状の変化を追っていきます。かゆみが強くなったりしたときには治療する場合もあります。

妊娠中はおりものが増えるので、自覚症状が少なくても、おりものシートを小まめに替えるなど清潔を保つように心がけてください。下着は通気性のいい木綿がおすすめです。

切迫早産・早産とおりものの関係

妊娠中のおりものの変化で注意すべきは、出血が混じっている場合と、量が多くて破水が疑われる場合です。この場合には、切迫早産や早産の可能性があるので、すぐに診察を受けて必要なら治療を行う必要があります。

「切迫早産」とは、子宮収縮や子宮頸管の開大などがあって、早産のリスクが高い状態を言います。切迫早産の状態がさらに進行すると早産になります。「早産」とは妊娠22週~37週未満での出産のことです。

切迫早産の自覚症状は、定期的なおなかの痛み、性器からの出血などです。また、破水が、最初の自覚症状の場合もあります。破水とは、赤ちゃんと羊水を包んでいる膜(卵膜)が破れ、羊水が流れ出すことです。漏れ出る量によっては破水と水っぽいおりものとの区別が付きにくいので、量が異常に多い(おりものシートが大量に必要など)場合には、すぐに産婦人科へ行きましょう。

おりものの変化が現れた時は

妊娠中におりものの変化が見られても、自覚症状が強くなければ、多くの場合は様子を見ていてかまいません。ただし、痛みを伴う出血がある、おりものシートが大量に必要なくらい量が多い、などの場合には、早産・切迫早産のリスクはないかを調べる必要があるので、すぐに受診をしてください。その際には、出血の量や下腹部痛の程度、おりものの色やにおいの変化、かゆみの有無などを医師に伝えます。

妊娠中期に起こりやすい、その他のマイナートラブル

おりものの変化のほかにも、妊娠中期は、動悸や息切れ、貧血、腰痛、便秘・痔、皮膚の痒みなどのマイナートラブルが起きやすい時期です。

それらの自覚症状が強い場合には、産院で相談して医師の指示を仰ぎましょう。
また、医療機関での治療は必要ないとされた場合でも、自覚症状を抑えるために市販薬やサプリメントの使用を希望する場合は、その前に医師に相談しましょう。

まとめ

おりものは腟の中の健康を保ち、特に妊娠中は健康な赤ちゃんを産むために大切な働きをしています。妊娠週数が進むほどおりものの量は増えてくることが多く、色やにおいなどの変化があっても多くの場合、心配ありません。ただし、痛みを伴う出血がある場合と多量のおりものがある場合には、すぐに受診をしましょう。

記事を監修してくれた<太田寛先生>プロフィール

(文:久保秀実/監修:太田寛先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]「女性と暮らしの生活意識データ集2001」(食品流通情報センター)p.401(ビジョン「女性マーケットデータブック2001」)
[*2]「産婦人科 診療ガイドライン ―婦人科外来編2017」(日本産科婦人科学会)p.22
[*3]「病気がみえるvol.10 産科 第4版」(メディックメディア)p.172-173

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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