【医師監修】妊娠後期のおりものは色やにおいが変わる? 変化や特徴まとめ

【医師監修】妊娠後期のおりものは色やにおいが変わる? 変化や特徴まとめ

おなかが大きくなり、出産が近づく妊娠後期。このころになると、おりものの変化に悩む妊婦さんも増えてきます。おりものは、体の変化をみるバロメーターでもあります。日頃から気をつけるようにしましょう。もし、おりものの状態に不安があれば、診察を受け、必要であればおりもの検査なども受けるようにしましょう。


妊娠後期・臨月におりものが変化する理由

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※画像はイメージです

女性ホルモン分泌量の増加

おりものの分泌量というのは、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量で変わってきます。エストロゲンには、子宮や乳房を大きくしたり、子宮頸管の粘液を増やしたりする働きがあります。妊娠するとエストロゲンの分泌量が増加し、それによって頸管粘液が増加するためおりものの量も多くなります。エストロゲンの分泌量の増加は妊娠週数と正比例するので、妊娠後期にはおりものの分泌量も増加するのです。また、女性ホルモンの影響でおりもののにおいや色に変化が出てくることがあります。

赤ちゃんが出てくる手助け

妊娠後期、特にお産間近になると、粘り気のあるおりものがさらに増えてきます。赤ちゃんが産道を通って、外に出てきやすくするように、潤滑剤の役割を担っているのです。この時期のおりものの増加は出産前の兆候のひとつともいわれており、出産の1週間ほど前から特におりものの量が増加するケースが多いようです。ただ、個人差があり、臨月の妊婦さん全員にこの傾向が見られるわけではありません。

妊娠後期のおりものの特徴4つ

(1)量が多くなり、かたまりが出る

出産が近づくと、ドロッとしていたおりものが、かたまりで出てくることもあります。このようなおりものが出たら、出産が近づいて来たかな……と心の準備をしておいてもいいかもしれませんね。

(2)色が変わる

妊娠後期になるとおりものは色が濃くなる傾向があります。色が濃くなるのは黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌に伴う変化でもあります。痒みや痛みなどを伴わなければ、問題はありません。心配な場合は健診時にたずねましょう。

(3)においが強くなる

個人差はありますが、臨月になると生臭いにおい、甘酸っぱいにおい、鼻につくようなにおいなど、においがきつくなる場合もあります。痒みや痛みを伴う場合などは、性感染症やカンジダ腟炎の可能性もありますので、受診しましょう。

(4)水っぽくなるor粘り気が出る

おりものシートがびっしょりになるほど、水っぽいおりものが出てくることもあれば、粘り気のあるおりもの(ゼリー状)が出ることもあります。水っぽくて量が多い場合は破水の可能性もありますので、注意しましょう。おりものに粘り気が出てきたら、お産が近いしるしともいわれます。

妊娠後期のおりもののにおいや色で見る6つの症状

異常の可能性があったり、注意したいおりものの特徴や症状をご紹介します。当てはまるものがあれば、受診する(病院に電話で確認する)ようにしましょう。

1.【カンジダ腟炎】ポロポロした固形のおりもの

強い痒みがあり、おりものがポロポロとしていたら、カンジダ腟炎にかかっている可能性があります。下記のような症状がないかチェックしてみましょう。

・カッテージチーズのようなポロポロとしたおりもの
・ヨーグルトのようにドロッとしたおりもの
・チーズのようなにおいがある
・量が多い

デリケートゾーンの症状
・強いかゆみがある
・熱を持つ
・赤く腫れる、かぶれる

いくつか当てはまる場合は、カンジダ腟炎にかかっている可能性があります。免疫力の下がっている妊婦さんはカンジダ腟炎にかかりやすくなっています。完治せず出産を迎えると、産道で赤ちゃんが感染し、皮膚炎や鵞口瘡(口腔カンジダ症)を引き起こす可能性もあります。投薬などで症状は改善しますので相談しましょう。

2.【腟トリコモナス症】黄緑色の泡立ったおりもの

黄緑色がかった泡立ったおりものが出てきたら、腟トリコモナス症かもしれません。腟トリコモナス症はトリコモナス原虫が原因で起こります。性行為で感染しますが、共同のトイレやお風呂などからも感染する可能性があります。妊娠中は免疫力が低下していることから、感染しやすいとされています。

・黄緑色の泡状のおりもの
・悪臭がする
・腟の発赤

3.【細菌性腟症】魚の腐ったようなにおいがするおりもの

腟内の常在菌(ブドウ球菌、大腸菌、レンサ球菌など)が妊娠中の免疫力の低下などにより、異常に繁殖することから起こるのが細菌性腟症です。

・魚の腐ったようなにおいのおりもの
・灰色っぽいおりもの
・サラサラしていて、量が多い

このような症状が見られたら細菌性腟症の可能性があります。前期破水や早産の原因となることがありますので、治療が必要です。

4.【おしるし】血が混じったおりもの

妊娠後期、特に臨月ごろになるとおりものに血液が混じるることがあります。いわゆる「おしるし」です。おしるしは、赤ちゃんを包んでいる卵膜がはがれることで起こり、お産の準備が始まっている証拠です。一般的なおしるしは、おりものに茶褐色や薄いピンク、少量の鮮血が混じっている程度ですが、個人差があり、ナプキンいっぱいになるくらいの量が出る人もいます。

5.【不正出血】

血液混じりのおりものが長い間続く場合、出血量が多く止まらない場合は、かかりつけの産科に連絡をして指示を仰ぎましょう。内診時に使った器具の刺激などにより出血している可能性もありますし、前置胎盤、常位胎盤早期剥離などが原因の可能性もあります。

6.【破水】尿漏れと間違いやすい

赤ちゃんを包んでいる卵膜が破れ、中の羊水が流れ出てくることを破水といいます。破水の量は卵膜が破れた場所が子宮口に近いかどうかで異なり、大量に出てくる場合もあれば、少しずつ流れ出ることもあります。

以下のような場合は破水の可能性があります。かかりつけの産科に電話をして指示を仰いでください。

・安静にしていても流れ出てくる
・無色透明、または少し血の混ざったようなピンク色をしている
・甘酸っぱいにおい、生臭い特有のにおいがする
・粘り気がなく水っぽくさらさらしている

また破水を疑う場合は、感染症予防のため、入浴・シャワーは避けましょう。

おりものに異常が見られるときは受診・検査を

妊娠後期になると、おしるしや破水などが気になる頃。おりものの変化に特に敏感になる方も多いでしょう。後期に限らず妊娠中は感染症に注意したい時期。今回紹介したように、異常と思われるようなおりものの変化があった場合は早めにかかりつけの産科を受診しましょう。おりものの検査は、腟の中のおりものを専用の綿棒で採取して培養し調べるものです。採取は数秒で終わり、痛みもないので必要以上に不安になることはありません。

まとめ

妊娠後期は赤ちゃんに会えるときが近づいてきますが、油断は禁物ですね。おりものに気になる点があれば、恥ずかしがらずに医師に相談し、必要に応じておりものの検査なども受けるようにしましょう。私たちの体の声でもあるおりもの、上手に付き合って変化に気づいてあげてくださいね。

この記事の監修ドクター
産婦人科専門医 中林稔 先生
日本医科大学卒業、虎の門病院医長を経て、現在三楽病院産婦人科部長。 診療のみならず、学会・各地講演をはじめとする医学の普及活動を行う傍ら、教育にも幅広く従事しており、2008年には中林助産師学院を共同設立。自ら講師を務め、6年間連続助産師国家試験合格率100%を達成中。医師+(いしぷらす)所属

※この記事は 医療校閲・医師の再監修を経た上で、マイナビウーマン子育て編集部が加筆・修正し掲載しました(2018.08.27)

※記事の修正を行いました(2019.06.06)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
※新型コロナウイルス感染症についての最新情報は、[内閣官房][厚生労働省]妊婦に関する情報[日本小児科学会]幼児に関する情報など公的機関等で発表されている情報をご確認ください。

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