【医師監修】妊娠13週の体調管理は? 食生活の注意点

【医師監修】妊娠13週の体調管理は? 食生活の注意点

妊娠13週になるとつわりの症状がピークを越え、楽になってくるママが多いでしょう。妊娠初期に多い流産の可能性もこの時期には減ってきますが、まだ油断はできません。食生活など、妊娠13週頃に注意したい点を解説します。


妊娠13週ってどんな時期?

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つわりの症状が楽になってくるころ

個人差はありますが、このころにはつわりのピークを過ぎ、症状が楽になって来るママが多いでしょう。つわりの原因は判明していませんが、妊娠初期に分泌量が増えるヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)とのかかわりが深いと考えられています。

このホルモンは胎盤から分泌されますが、分泌量は妊娠11週ぐらいから減り始めます。これとほぼ同じ時期に、つわりの症状も徐々におさまってきます。

「流産の頻度」が少なくなります

「流産」とは、妊娠の早い時期に胎児が母体の外に出てしまったり、お腹のなかで亡くなってしまうこと。全妊娠の約15%に起こり[*1]、 そのうち約8割は妊娠12週未満に起こるとされています[*2]。なお、妊娠12週未満で起こる流産のことを早期流産と呼びます。

妊娠12週を過ぎれば、流産の心配はかなり少なくなってきますが、妊娠12週~妊娠22週未満に起こる後期流産は、早期流産と異なり、頸管無力症や絨毛膜羊膜炎といったママの体に起こった異常を原因とすることが多いとされています。

頸管無力症は無症状のことが多いのですが、絨毛膜羊膜炎の前段階である細菌性腟症では、おりもの量の増加や生臭いような臭いがするようになったなどのほかに発熱が見られることがあります。

また、切迫流産(子宮口は開いておらず赤ちゃんは生存しているが、流産の可能性がある状態のこと)では性器からの出血や腹痛・腰痛などを症状とする場合があります。こうした症状が見られたら、受診が必要かどうか、主治医に電話で相談するようにしましょう。

妊娠13週に体内で起こる変化

赤ちゃんの変化

仕切りがなく1室だった心臓がこのころには2心室・2心房になり、赤ちゃんは胸とお腹を使って呼吸に似た動きをするようになります。心拍数は140/分ぐらいで安定してきます[*3]。

妊娠13~14週頃から、時おり下あごを動かして口をあけるような動作をしたり、手を顔の前に持っていき、手の指を伸ばす動作もします。飲みこんだ羊水から、おしっこやうんちも作り始めます。おしっこは羊水内に排泄し、うんちは「胎便」として貯めていきます。

ママの変化

つわりがかなりおさまり、楽になるママが多い時期。妊娠してからずっと続いていた高温期が、この頃から低温期に移行して、ノボセやほてりもおさまってきます。

基礎体温の上昇はプロゲステロンにより起こりますが、 妊娠初期には卵巣にある妊娠黄体から分泌されていたプロゲステロンが、妊娠12~15週ごろには胎盤から分泌されるようになります[*4]。胎盤由来のプロゲステロンには体温を上昇させる作用はないため、妊娠4カ月ごろには体のほてりやだるさがとれ始めると言われています。

妊娠13週で必要なこと

体重の増加に気をつけ始める

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つわりがおさまり始めると、何でもおいしく感じて、食べ過ぎてしまうこともあるかもしれません。そこで注意しなければいけないのが体重増加です。 ただ、体重の増加量を厳格に管理することの根拠はかならずしも十分ではないため、個人差を考慮しながらゆるやかにコントロールしていく、という方針を日本産科婦人科学会は示しています[*5]。

妊娠中の体重管理のめやすは、妊娠前のBMI(Body Mass Index)によって変わってきます。BMIは肥満度ともいい、体重(kg)÷身長(m)²で計算します。

厚生労働省によると、妊娠前のBMIが18.5未満では9~12kg、BMI18.5~25では7~12kgが全妊娠期間中の体重増加量の推奨値です。BMIが25より大きい場合は、個々の状況により調整することが推奨されています[*6]。

なお、妊娠期間中の体重増加量は、妊娠初期1.1kg、中期4.9kg、後期5kgで、全期間合計11kgが平均的とされています[*7]。これも目安にすると良いでしょう。

かかりつけ医から示される栄養指導を参考にしながら、急激に増加しないよう、注意するようにしましょう。

妊娠中の食生活で必要なこと

妊娠中の食生活で必要なことは、栄養バランスの良い食事を心がけることです。妊娠中期以降になると妊娠前と同じ摂取カロリーでは不足しますが、妊娠初期にはカロリーより栄養バランスが重要です。
厚生労働省が推奨する「妊産婦のための食事バランスガイド」を参考に以下の点を心がけましょう。

●主食を中心にエネルギーをしっかりとること
●不足しがちなビタミン・ミネラルを副菜(おかず)からたっぷりとること
●体づくりの基礎となる主菜(メインのおかず)は肉、魚、卵、大豆料理を適量とること

厚生労働省 「妊産婦のための食事バランスガイド」
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/dl/h0201-3b02.pdf

妊娠13週の注意点

1本のたばこが危ないことも

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たばこは、自分で吸うのも受動喫煙も、ママの体とお腹の赤ちゃんの成長には「百害あって一利なし」です。たばこの煙には有害物質がたくさん含まれており、とくに妊娠中のママには悪影響を及ぼします。

たとえばニコチンは血管を収縮させ、子宮や胎盤の血液循環を悪くします。また、一酸化炭素は血液中の酸素の運搬能力を下げ、全身に運ばれる酸素の量を減らし、赤ちゃんを低酸素状態にしてしまいます。こうした悪影響を受けると、赤ちゃんは体重増加が妨げられます。

ママが喫煙者だと出生時の赤ちゃんの体重は平均200g少なく、赤ちゃんが低出生体重で生まれる頻度は2倍、早産率は約 1.5倍になるなどの報告があります[*8]。受動喫煙でも有害物質を取り込みますから、パートナーや周りの人に禁煙や分煙で協力してもらいましょう。

トイレをがまんしない

妊娠中に分泌が増えるホルモン、プロゲステロンには、体内に水分を蓄える作用や筋肉をゆるめる作用があります。このため、腸の動き(ぜん動運動)が弱くなり、消化物がゆっくりと腸を通過するため、水分が腸に吸収される時間が長くなって、便が硬くなりがちです。

つわりが軽くなってくるこの時期は、とくに食が進み、便秘に悩まされるようになるママも出てくるでしょう。ガスがたまり、お腹が張ることもあります。また、便秘が続くと便が固くなってしまい排便のときにいきみ過ぎて、痔も起こりやすくなります。

便秘の予防には、とにかく水分を十分に摂ること。腸を刺激するために、朝起きたらコップ1杯の水を飲んだり、ヨーグルトのような発酵食品を摂るのも良いとされています。規則正しい生活、散歩や軽い運動も大切です。便意を催したらがまんせずにトイレに行きましょう。生活習慣を改善しても便秘が予防できないときは、自己判断で市販の下剤を飲むのでなく、かかりつけ医に相談して、下剤や座薬の処方を検討してもらうようにしてください。

このころは膀胱も赤ちゃんの成長に伴って圧迫されるため、頻尿にもなりやすくなります。「お水を飲むとおしっこが近くなる」といって水分を控えると、便秘の原因になります。水分は十分に摂り、尿意をがまんせずにトイレに行くようにしましょう。

安定期が近いからといって油断しない

一般に、妊娠中期(妊娠16週~27週)になると「安定期」といわれますが、医学用語にはない言葉で、「安定期が近いからもう安心」ということではありません。妊娠12週以降はそれまでに比べ流産の頻度が低くなってはくるものの、リスクがゼロになったということではありません。また、流産の一歩手前の状態である切迫流産にも注意が必要です。仕事・運動のし過ぎにはできるだけ避けて、決して無理をしないように気を付けましょう。

まとめ

つわりの症状がおさまってくるママが多いこの時期は、食べ過ぎや便秘に注意が必要です。栄養バランスの良い食事、十分な水分補給を心がけましょう。妊娠16週まででは、妊娠前と比べて1.1kgの体重増が平均的と言われています。これを目安に、軽い運動・規則正しい生活を心がけ、急激に太りすぎないように注意して過ごしましょう。

この記事の監修ドクター
産婦人科専門医 中林稔 先生
日本医科大学卒業、虎の門病院医長を経て、現在三楽病院産婦人科部長。 診療のみならず、学会・各地講演をはじめとする医学の普及活動を行う傍ら、教育にも幅広く従事しており、2008年には中林助産師学院を共同設立。自ら講師を務め、6年間連続助産師国家試験合格率100%を達成中。医師+(いしぷらす)所属

(文:山崎ひろみ/監修:中林稔先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]厚生省心身障害研究班報告書(平成3~5年度)
[*2]『NEWエッセンシャル 産科学婦人科学 第3版』 医歯薬出版 p399
[*3]『目でみる妊娠と出産』文光堂 p14、p26
[*4]『病気が見える』産科, 7p
[*5]日本産科婦人科学会 産科 ガイドラインp53~57
http://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_sanka_2017.pdf
[*6]妊産婦のための食生活指針-「健やか親子21」推進検討会報告書, 4 「妊娠期の至適体重増加チャート」について
http://rhino.med.yamanashi.ac.jp/sukoyaka/ninpu_syoku.html
[*7]『最新産科学 正常編』第6刷 文光堂 p101
[*8]厚生労働省「たばことお酒の害から赤ちゃんを守りましょう」
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/dl/h0201-3a3-02h.pdf

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
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