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仕事か、家庭か。キャリアにも人生にも悩むアラサー女性が後悔しないために今すべきこと

コラム

トイアンナ

昇進や転職など、おめでたい話題がよく耳に入る季節は、同時に「自分、このままで大丈夫?」と不安になりやすいもの。これまで仕事に全力投球してきた人も、アラサーになってキャリアプランやライフプランの悩みが増えてくるのではないでしょうか。今回はそんな悩みをライターのトイアンナさんに相談してみました。

こんにちは、トイアンナです。2023年、「なぜ、女性は年収が伸びないのか」を明らかにした研究が、ノーベル賞を受賞しました。結論だけ言うと「女性は、時間外労働ができないから」年収が伸びないのだそうです。

逆に言えば、男性は夜中や早朝に呼び出されるかもしれないかわりに、高い給与を得ていたのです。

家庭を優先せざるを得ない女性たち

なぜ、私たちが柔軟に、言い換えればオンコールで働けないか。理由は明確で、そこに子どもがいるからです。だから、女性でもバリバリ働く人は出世しています。そして、そろって独身です。

「もっと男も家事育児をやれよ!」と、叫んできたのが平成までの私たちですが、実は男性は自動的に「オンコール」な仕事を割り振られてしまうので、彼らも精いっぱい。そのうえ家事育児なんてやったら、過労死しちゃうよね。

……じゃあ、私がキャリアダウンしますよ。と、妥協しつつも「こんなはずではなかった」と感じている。それが、私たちの世代です。そりゃあ、子どもを持つ人も減りますよね。

絶対に出世したい! とか、絶対に子どもが欲しい! と、スタンスが決まっている人はいいでしょう。あとはリスクを取るだけだ。けれども、悩める女性はどこへ行けばいいのか、その道筋を、誰も描いてくれません。

後悔はいつも「やらなかった」ことに起きる

私は「全部ほしかった」人間です。つまり、仕事は好きだし、子どもも欲しかった。それで両方を追求することにしました。「もう無理かも」と思ったことは、何度もあります。この先、心が折れるかもしれません。

しかし、そこに後悔はありません。なぜなら、やれるだけやりきったからです。人生における後悔の多くは、「やらなかった」ことから生まれます。もっと真剣に勉強しておけば良かった、あのとき付き合っておけば良かった、やっぱり進学しておけば……。

こういう、「やらなかった」後悔は、尾を引きます。私も、後悔しているのは「やらなかった」ことばかり。どうせなら、ダメ元でも東大受験すれば良かったと、なんと2008年時点での選択ミスを今も悔やんでいます。

この後悔を払拭するには「やる」しか無いんですね。つまり、東大を受け直すしかない。働きながらだと、かなりしんどいです。多分無理。だから一生後悔するんだと思います。

悩むくらいなら、どれかにコミットした方がいい

ですから、悩むくらいなら何でもいいから「やった」ほうが良いです。やったことは、後悔しません。もちろん、失敗もあります。しかし、失敗が後悔にならない。「だって、あのときの私ができうる限り、ベストを尽くしたんだから」と、自己肯定感を高めてくれます。

アイドルを始めても良い、婚活に全力投球しても良い、年収を最大化するために、転職したって良い。さすがに違法なことはストップをかけたいですが、とりあえず合法なら、やってみたほうが良い。やりきって「あー、大変だった!」と言えたほうが、成功しても失敗しても後悔しません。

決断のリミットは35歳と40歳に置く

そういう意味で、タイムリミットが決まっているのは出産です。子どもが嫌いなら、産む必要はありません。選択的DINKS(子なし共働きカップル)もたくさんいます。ただ、幸せそうに生きているDINKSの夫婦は、子どもを持たない人生を「選択」しています。子どもがいない人生を歩むことに、きちんと全力投球しています。だから、後悔しないのです。

同じDINKSでも「結婚して、そのまま子どもをなんとなく作らなかった」夫婦は、40歳を超えてから、やっぱり子どもが欲しかったとどちらかが言い出し、泥沼の戦争を始めることがしばしばあります。

あるいは、「なんとなく結婚しなかった」女性が35歳を過ぎてから「やっぱり、結婚したい」と婚活をスタートしたものの、マッチする男性の少なさに絶望することもしばしばあります。なぜなら、世間の男性は35歳までにあらかた結婚していますし、その他の男性も、出産しやすい年齢である35歳以下の女性を求めるからです。

「なんとなくやらなかった」ことで、多大なツケを払わされるのです。

いま、ここで腐らないために、30歳から女性ができること

まずは、35歳までに「結婚する、しない」「産む・産まない」の決断を完了させましょう。自分で期限を設けるのです。それまでは、趣味と仕事に全力投球する。なぜなら、全力投球して出世ができなければ、それはそれで諦めがつくからです。35歳なら、フリーランスや副業など、新しい選択に手を出す体力もあります。

いまいる場所で、女性だからと昇給や昇進が望めないなら、やっぱり35歳までに転職したほうが良い。35歳以上は管理職でないと、転職が難しくなるからです。

「悩める」のは、あくまで時間があるから。タイムリミットを考えてみると、あなたは35歳で自動的に「結婚や出産以外の道を選び、出世も選ばなかった人」という扱いを受けるのです。そんなの、悔しくないですか。だったら、まずは目の前のなにかひとつに、力を注いでみてください。

(文:トイアンナ、イラスト:タテノカズヒロ)

※この記事は2025年05月09日に公開されたものです

トイアンナ (コラムニスト)

1987年生まれ。慶應義塾大学卒業後、P&Gジャパン、LVMHグループにてマーケティングを担当。2015年にライターとして独立し、その後編集プロダクション「WERITE」を設立。「書く」プロフェッショナルとして、企業サイトの制作、オウンドメディア運用、SNS運用代行などを幅広く手掛ける。ライターとしては5,000人以上の人生相談に携わった経験をもとに「人事採用・婚活・医療」分野で主に執筆。著書に『改訂版 確実内定』(KADOKAWA)、小説『ハピネスエンディング株式会社』(小学館)など。

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