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投資を始めたけど、値下がりして不安。どう動くべき?

#令和のマネーハック

丸山晴美

働き方も、恋愛も、生活様式も、全てのあり方が少し前とは違う令和の今。数えきれない変化の裏にある「新マネーハック」を、さまざまな分野の専門家たちが回答します。今回の回答者は、FP(ファイナンシャルプランナー)の丸山晴美さん。

今回のお悩み「投資を始めたけど、値下がりして不安。どう動くべき?」

今年、投資を始めたのですが、株価の変動についつい一喜一憂してしまいます。今年の夏に株価が暴落しましたが、下落したり、逆に回復したり……株価の変動はそれぞれどうとらえ、どう動くべきなのでしょうか?(30代前半/企画職)

元本が減って不安になるのは当然のこと

投資は預貯金とは異なり、元本が保証されない金融商品です。そのため投資を始めたころは元本が増えたり減ったりと安定しないものです。

そのため、株価が変動し元本がマイナスになると、投資は怖い……と不安になってしまうのは、投資経験が浅い人にとっては当然のこと。投資は元本が減るリスクがありますが、そのリスクを軽減させることは可能です。

預貯金と投資をバランス良く

株式会社ロイヤリティマーケティング「第60回Ponta消費意識調査2024年6月発表(※)」によると、夏のボーナスの使い道として「貯金・預金」が11年連続1位となりました。

夏のボーナスの支給金額の半分以上を「貯金・預金」したい人は、約6割と半数以上、その中で用途を決めていると回答をした人は4割おり、その用途は「老後の生活への備え」が約6割と最も高く、次いで多かったのは「将来の消費への備え」と4割弱という結果に。また、少数ではありますが、ボーナスの使い道として、「投資信託」2.8%、「株式」2.1%という回答もあり、ボーナスを投資に回す人もいることがわかります。

元本が保証されている預貯金は、長期間預け入れをしていたとしても、増えるのは利息分のみです。利息からさらに税金が引かれるため、利息だけで資産が大きく増えるということは、この低金利の現状では難しいものがあります。

また、今後さらにインフレが進むことで、現金の価値が目減りする可能性は十分にあります。預貯金だけで老後の資金や将来必要となるお金を貯めていた場合、インフレが進むことで不足する可能性もあるのです。

しかし預貯金と投資を併用することで、将来のインフレリスクを軽減させることもできます。どちらか一方ではなく、どちらもバランス良く資産形成をすることが大切と言えるでしょう。

投機的な投資になっていませんか?

いきなり大きなお金を投資に使い、短期間で利益を出そうとすることは投資ではなく投機であり、リスクが高くなります。余裕資金ならまだしも、生活費として必要なお金を使ってしまうのは、もはやギャンブルですので絶対にやめましょう。

このように1つの商品に集中させたり、買うタイミングを集中させるとリスク分散ができません。そのため高騰すれば大きな利益となりますが、暴落した場合は損失が大きくなります。

相談者さんの夏の暴落は、この状況に近いものがあり、不安になったのだと思います。不安になるのであれば、投資における不安要素を減らすために、投資方針や投資方法の見直しをしてはいかがでしょうか。

資産運用は「長期・積立・分散」投資を心掛ける

NISAやiDeCoで運用する場合、「長期・積立・分散」投資が基本です。

長期とは、金融商品の変動価格に一喜一憂せずに、長い目で保有し続けることで、一般的に数年~数十年の期間で投資をすること。積立とは、月々1万円ずつ投資をするなど、コツコツと継続させながら投資をすることです。

分散とは、1つの投資商品や、1回の投資タイミングに集中させるのではなく、複数の商品に投資をして、リスクを分散させることです。例えば、国内債券、国内株式、外国債券、外国株式、金(純金ファンド)や不動産投資信託(REIT)など、タイプの違う数種類の商品にバランス良く積立投資をすることが「分散」になります。

また、一度買ったら終わりではなく、購入後も動向をチェックし、リバランスといった適宜銘柄の見直しをして配分などを調整するようにすると、さらにリスクを軽減することができます。

このように、「長期・積立・分散」投資をすることで、運用時のさまざまなリスクを軽減させることができます。つまり、評価額がマイナスになったとしても、長期で運用をしているなら、慌てたり落ち込む必要はないのです。

毎月定額を積立投資する場合、商品の価格が高いときは少ない購入量となり、低くなれば購入量は多くなります。これを長期間続けることで、価格変動によるリスクを抑えることができます。これは「ドル・コスト平均法」と言われる投資手法の一つです。

一度の失敗で投資をあきらめるのはもったいない

「貯蓄から投資へ」と言われているように、お金を蓄える「貯蓄」だけではなく、「投資」でお金に働いてもらう仕組みを作ることがこれからは大切です。「iDeCo」や「NISA」といった自分自身で年金や資産形成を有利にする仕組みもできています。

もちろん投資にはリスクがあり、自己責任で行うことが大切です。そのためにも一度の失敗であきらめずに、これを機に資産運用の勉強をするといいでしょう。

令和のマネーハック108

投資の基本は「長期・積立・分散」。投資をしていくうえでの不安要素を減らすためには、定期的に投資方針や投資商品の見直しを!

※第60回Ponta消費意識調査2024年6月発表
https://www.loyalty.co.jp/storages/pdf/240627.pdf

(文:丸山晴美、イラスト:itabamoe)

※この記事は2024年11月04日に公開されたものです

丸山晴美

節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー。

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