「同上」の使い方とは? 意味と記入例、履歴書で使う際の注意点も詳しく解説
「同上」は履歴書やビジネス文書などによく使われる、「上記と同じ」という意味の言葉です。ただし使い方を誤ると、失礼だと思われてしまう可能性もあるため注意が必要です。本記事では「同上」の使い方を記載例と共に紹介。似た意味の記号や、類義語もまとめました。
「同上」は、直前に述べたことの繰り返しを避けるための言葉です。よく見る言葉ですが、実は正しい使い方が分からずに困っている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、「同上」の意味や使い方、履歴書などで用いる際の注意点について詳しく解説していきます。これまで不安があった人は、ぜひ参考にしてください。
「同上」の意味とは?
早速、「同上」の辞書での定義を確認してみると、以下のように載っています。
同上(どうじょう)
前に述べたことと同じであること。上記に同じであること。同前。出典:(『デジタル大辞泉』小学館)
例えば履歴書やビジネス書類において、直前に記した事柄と同じ内容を述べる場合に使用できます。同じことを何度も繰り返し記載するのは、書き手だけでなく読み手にとっても負担になりますが、「同上」と記載すればそれを防げるのです。
なお「同上」は書き言葉であり、話し言葉としては基本的に使いません。
「同上」を使うのは失礼?
「同上」は省略表現であるため、失礼にあたるのではないかと心配に思う人も多いでしょう。しかし、「同上」を使うこと自体は失礼ではないので安心してください。
ただし、だからといって多用は禁物です。同じ文書の中に「同上」が多く存在すると、どこと同じなのかが分からず、かえって読みにくくしてしまいます。あくまで、読みやすくなることを前提に使用するようにしましょう。
また、履歴書では「同上」を使える項目と使えない項目が存在するので、注意が必要です。こちらについては後ほど詳しく説明します。
「同上」は必ずしも使わなくてよい
「同上」は情報の重複を避けるための表現ですが、必ず使わなければいけないわけではありません。そのため、同じ情報について「同上」を用いずに繰り返し書いたとしても、ビジネスマナー上は何の問題もないといえます。
むしろ、本来は省略せずに書くべきところにも「同上」を多用してしまえば、手を抜いているような印象を与える可能性があります。
「同上」の正しい使い方と注意点(記入例つき)
「同上」は、直前に述べたことの繰り返しを避ける意味の言葉で、履歴書やビジネスシーンで使っても問題ありません。
ただし、使用の際にはいくつかの注意点があり、これらを無視して使うと、相手の心象を悪くしてしまう可能性があります。ここでは、「同上」の正しい使い方について、例文を交えつつ詳しく確認していきましょう。
(1)履歴書で使えるのは「住所」と「連絡先」のみ
「同上」を履歴書に記す際は、現住所や帰省先などの「住所」、電話番号やメールアドレスなどの「連絡先」にしか使えません。記入例は以下の通りです。
【例】
現住所:○○県△△市×× ◎丁目◎番地◎号 □□マンション◎号室
帰省先:同上
自宅電話番号:090-0000-0000
携帯電話番号:同上
当然ではありますが、元となる情報は間違いのないよう、正確に、丁寧に書いてくださいね。特に県名やマンション名を省略してしまうことのないようにしましょう。
なお学歴や職務経歴で「同上」を使うと、「手を抜いている」「お世話になった学校や会社をないがしろにしている」と受け取られる可能性があります。
そのため、どんなに同じ名称が繰り返される場合でも、学校名や会社名には「同上」を用いないようにしましょう。
(2)記入欄の左に寄せて書く
「同上」を履歴書に使う時は、記入欄の左端に寄せて書きます。横書きの文章では左から右に読み進めるため、左端に記すと、繰り返しであることが読み手にすぐに分かります。
左端が空欄に見えると記載漏れだと思われてしまう可能性があるため、空欄が広いからといって、中央寄せにしたり右寄せにしたりするのは避けましょう。
また、「同 上」と間に空白を入れるのも、読みづらくなるため避けた方が無難です。
(3)ふりがなは不要
履歴書の住所欄などには、ふりがなを記載する欄が用意されている場合がありますが、「同上」を使用した際は、ふりがなは不要です。なぜなら、元の情報の記載部分に既にふりがなが振ってあるためです。
また、「同上」そのものは「氏名」や「現住所」などと同じく、読み方が一般的に知られている表現であるため、ふりがなをつける必要はありません。
「同上」とした箇所にふりがなをつけると、省略のために使うはずのものに手間を掛けることになり、本末転倒になってしまいます。