「些少ですが」の意味とは。正しい使い方や「僅少」との違いを解説
「些少ですが」は、贈り物や金銭を渡す際、中身が少ないことを表す言葉です。この記事では、「些少ですが」の意味や使い方、「僅少」との違いを詳しく説明していきます。
「些少ですが」は、贈り物や金銭を渡す際、中身が少ないことを表す言葉です。日常会話で使うことは少ないですが、ビジネスをはじめ、フォーマルなシーンではよく使われます。
しかし、言葉の響きが難しいこともあり、正しい意味や適切な使い方が分からずに困っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、「些少ですが」の意味や使い方について、例文を交えて詳しく説明していきます。
また、「些少」と似た意味を持つ「僅少」との違いや、その他の類語・言い換え表現についても取り上げるので、ぜひ参考にしてください。
「些少ですが」の意味とは?
「些少ですが」は、ビジネスシーンや冠婚葬祭などのフォーマルな場面では頻繁に使われる表現で自分から相手に渡すものが少ないことを、謙遜の意味を込めて表す言葉となります。
渡すものは、物品など具体的な形のあるものから、気持ちなどの形のないものまでさまざまですが、特に贈り物や謝礼金、お祝い金などを渡す際によく使われます。
ここでは、「些少ですが」に含まれる「些少」という言葉について、その意味や成り立ちを詳しく確認しておきましょう。
「些少」の意味
「些少」は「さしょう」と読みます。「些少だ」「些少な」などとしても使われ、別の表記で「瑣少」と書かれることもあります。
「些少」の意味を辞書で確認すると、以下のように載っています。
些少(さしょう)の意味
[名・形動]数量や程度がわずかなこと。また、そのさま。「―ながら手助けをしたい」「―な金額ですがお礼のしるしまで」出典:『デジタル大辞泉』小学館
辞書にある通り、「些少」の本来の意味は「数量や程度がわずか」であることですが、実際にわずかかどうかは、あまり関係がありません。「些少」が表すのは、品物やお金を渡す本人が主観的に感じる少なさです。
そのため、仮に大金だったとしても、渡す側がそれを少額だと思っていれば「些少」と表現されます。
「些少」の成り立ち
「些少」は「些」と「少」という2つの漢字で構成されています。
「些」は訓読みだと「いささか」あるいは「わずか」と読み、数や程度が少ない様子を表します。「些少」以外では「些細(ささい)」や「些末(さまつ)」、「些事(さじ)」などの言葉で使われます。
「少」は訓読みだと「すくない」と読み、同じく数や程度が少ない様子を表します。「些少」以外では「希少(きしょう)」や「減少(げんしょう)」、「少々(しょうしょう)」などの言葉で使用されています。
つまり「些少」とは、ほとんど同じ意味を持つ「些」と「少」が組み合わさり、数や程度が少ないことを強調する言葉だといえます。
「些少」と「僅少」の違い
「些少」と似た言葉に「僅少」があります。
「僅少」は「きんしょう」と読み、「僅」の字は訓読みだと「わずか」と読みます。つまり、「僅少」と「些少」は、言葉の成り立ちも非常によく似ているのです。
「些少」と「僅少」の違いは、少なさが主観的か客観的かという点にあります。
「些少」は自分から見た主観的な少なさを表すので、物がたくさんあろうと大金だろうと、それを自分が「少ない」と感じれば使用可能です。
その一方「僅少」は、誰から見ても少ない状態を意味します。そのため、「在庫僅少」や「点数の僅少差」など、数値化できる客観的な少なさを表すのです。
そのため、謙遜の意味で「僅少ですが」とは言わないので注意しましょう。