「ご了承いただきありがとうございます」とは? 例文や言い換え表現を解説
「ご了承いただきありがとうございます」は、メールだけでなく口頭でも使用可能なビジネスフレーズです。覚えておけば、上司や取引先の相手にお礼を述べる時に役立つでしょう。今回は、「ご了承いただきありがとうございます」という言葉について解説します。
「ご了承いただきありがとうございます」は、相手から承諾や許可をもらった時に使うお礼の言葉です。
上司や取引先など目上の人に対しても使用可能なフレーズですので、覚えておくとビジネスシーンで役立つでしょう。
今回は、「ご了承いただきありがとうございます」の意味や正しい使い方、言い換え表現について解説していきます。
「ご了承いただきありがとうございます」の意味
まずは、「ご了承いただきありがとうございます」の意味を押さえておきましょう。辞書では、「了承」という言葉について次のように解説されています。
りょうしょう【了承】
事情をくんで納得すること。承知すること。承諾。「―を得る」「申し入れを―する」「―済み」
(出典:『デジタル大辞泉』小学館)
「了承」は、頭に「ご」を付けることで尊敬語になります。さらに、「(して)もらう」の謙譲語「(して)いただく」を用いることから、上司や取引先の相手に対しても使用可能な言葉といえるでしょう。
つまり、「ご了承いただきありがとうございます」とは、目上の人から承諾や許可をもらった時にお礼の気持ちを伝える丁寧な表現です。
ビジネスの場では、相手に譲歩してもらったり、こちらの事情をくんでもらったりすることが多くありますよね。そんな時に、「ご了承いただきありがとうございます」と正しい敬語を用いて感謝を述べましょう。
「ご了承いただきありがとうございます」の使い方【例文付き】
「ご了承いただきありがとうございます」は、相手から承諾をもらった場合や、こちらの事情をくんで納得してもらった時に使うお礼の言葉です。
目上の人や取引先に対して敬意を示しながら感謝を伝えられるので、ビジネスシーンに最適な言葉といえます。
ここからは、「ご了承いただきありがとうございます」の使い方を状況別に解説します。例文も併せて紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
相手から許可や承諾をもらった場合
「ご了承いただきありがとうございます」は、ビジネスメールはもちろん口頭で用いても問題ありません。
例えば、新しいプロジェクトの提案に対する合意を得られた時や、変更点への理解を示してもらった時などに使用することができます。
間違った使い方をしないように、以下の例文を参考にしてみてください。
例文
「弊社との共同プロジェクトの立ち上げについて、快くご了承いただきありがとうございます」
「事前に取り決めた方向性とは少し異なりますが、ご了承いただきありがとうございます」
こちらの事情をくんで納得してもらった場合
「ご了承いただきありがとうございます」は、こちら側の事情をくんで納得してもらった時のお礼にも使えます。
ビジネスの場では、無理を承知で急なお願いをするケースもありますよね。直前での日程変更や資料の差し替えなど、相手へ負担がかかることを依頼した経験がある人は多いのではないでしょうか。
こちら側の無理なお願いを引き受けてもらった時には、しっかりお礼を伝えることが大切です。
以下で例文を見ていきましょう。
例文
「無理なお願いにもかかわらず、ご了承いただきありがとうございます」
「急な納期の変更のご依頼でしたが、快くご了承いただきありがとうございます」
「ご了承いただきありがとうございます」を使う時のポイント
「ご了承いただきありがとうございます」を使用する際のポイントについて見ていきましょう。
(1)「いただき」はひらがな表記が好ましい
「ご了承いただきありがとうございます」のように「いただく」を補助動詞として用いる場合は、ひらがな表記にするのがベター。
「頂き」と漢字表記にするのは、「食べる・飲む・物を受け取る」の謙譲語として使用する時です。ビジネスメールや手紙などで用いる場合は、注意しましょう。
(2)同僚や後輩に使う時はカジュアルな表現に
「ご了承いただきありがとうございます」は丁寧なお礼の言葉であることから、社内の同僚や後輩に使うには少々堅苦しい表現かもしれません。
感謝の気持ちを伝えるはずが、かえって相手を恐縮させてしまったり、距離を感じさせてしまったりする可能性も。
そのため、自分と立場が変わらない同僚や後輩にお礼を言う場合は、「引き受けてくれてありがとう」とカジュアルな言葉選びをするのがおすすめです。
(3)目上の人からの指示を受け入れる時に「了承」は使わない
目上の人からの指示や依頼を受け入れる時は、「了承」という言葉は使いません。
「了承」には、「承諾をする」「事情をくんで納得する」という意味があることから、「上から許可を与える」というニュアンスが感じられてしまうためです。
上司や取引先からの指示や依頼を受け入れる場合は、以下のように「了承」ではなく「承知」を用いるようにしましょう。
×「カタログデザイン変更の件、了承いたしました」
〇「カタログデザイン変更の件、承知いたしました」
「ご了承いただきありがとうございます」の言い換え表現
「ご了承いただきありがとうございます」は、他の言葉にも言い換えができます。使う目的や場面に応じて柔軟に使い分けましょう。
(1)「ご快諾いただきありがとうございます」
「快諾」には「依頼を快く承諾する」という意味があります。
相手が無理なお願いを引き受けてくれた時や、嫌がるそぶりを見せずに承諾してくれた時は、「ご快諾いただきありがとうございます」を用いると良いでしょう。
例文
「スケジュール的にも厳しい中、ご快諾いただきありがとうございます」
「無理なご依頼にもかかわらず、ご快諾いただきありがとうございます」
(2)「ご了承いただき深く感謝申し上げます」
「ご了承いただきありがとうございます」よりも丁寧にお礼を伝えたい場合は、「ありがとうございます」を他の言い回しにすると良いでしょう。
「深く感謝申し上げます」の他にも、「心よりお礼申し上げます」などにも言い換えができます。
例文
「明日の会議の開始時間の変更について、快くご了承いただき深く感謝申し上げます」
「急な相談にもかかわらずご了承いただきましたこと、心よりお礼申し上げます」
(3)「ご了承いただき恐縮です」
感謝と共にお詫びも伝えたい場合は、「ありがとうございます」を「恐縮です」に言い換えるのがおすすめ。
相手に迷惑や手間をかけてしまったことに対して、申し訳ないと思っている気持ちがきちんと伝わる表現になるように心掛けましょう。
例文
「こちらの説明不足にもかかわらず、快くご了承いただき大変恐縮です」
「直前での日程変更をご了承いただき、大変恐縮でございます」
「ご了承いただきありがとうございます」は許可をもらえたことへの感謝を伝える言葉
「ご了承いただきありがとうございます」は、相手から承諾や許可をもらった時に使うお礼の言葉です。
ビジネスメールだけでなく、口頭でも用いることができるので覚えておくと役に立つでしょう。
相手がこちらの要望を快く受け入れてくれた時には、言い換え表現も活用しながら、丁寧にお礼の気持ちを伝えてくださいね。
(にほんご倶楽部)
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※この記事は2023年11月21日に公開されたものです