「来てください」は正しい敬語? ビジネスシーンで使える言い換え表現を解説
「来てください」は相手に来てほしいということを伝えるフレーズです。しかし、ビジネスの場で上司や目上の人に使うには敬意が不十分であるということをご存じでしょうか。今回は、「来てください」という言葉について解説していきます。
「来てください」という言葉は、相手に来てほしいということを伝える時によく使われます。
このフレーズは文法的に正しい表現ですが、ビジネスの場面で使用しても問題ないのでしょうか? きちんと理解せずに敬語を使っていると、相手に不快感を与えてしまうかもしれません。
そこで今回は、「来てください」という言葉について解説していきます。より丁寧な表現も紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
「来てください」は正しい敬語表現? 上司や目上の人にも使える?
「来てください」は文法的には丁寧語に分類されますが、ビジネスの場で目上の人に用いる言葉としてはあまりふさわしくありません。
中には、「ください」と言い切る表現に「命令された」という印象を抱く人もいるため、使う相手を選ぶべきフレーズともいえます。
同僚や親しい先輩に用いる分には問題ありませんが、目上の人に対してはより強い敬意を示す他の言葉を使用するのが好ましいでしょう。
「来てください」の丁寧な言い換え表現【例文付き】
では、ビジネスシーンで相手に来てほしいことを丁寧に伝えたい時は、どのような言い方をすると良いのでしょうか?
ここでは、「来てください」の言い換え表現を例文と併せて見ていきましょう。
(1)お越しください
「来る」の尊敬語である「お越しになる」を使えば、相手への敬意を表現できます。
さらに、「お越しください」とすることで、取引先などの社外の人に来訪を依頼する際にも使用が可能です。よく使われる表現なので、覚えておきましょう。
例文
「打ち合わせは10時に開始いたしますので、5分前に受付にお越しください」
「どうぞお気をつけてお越しください」
(2)お越しいただけますでしょうか
「お越しください」と似た表現ですが、「ください」は命令のニュアンスがある表現なので、「お越しいただけますでしょうか」と語尾を疑問形にすることで、相手に判断を促すことができます。
例文
「差し支えなければ、お越しいただけますでしょうか」
「お忙しいところ恐れ入りますが、弊社にお越しいただけますでしょうか」
(3)お立ち寄りください
「お立ち寄りください」は、「お越しください」よりもカジュアルに使用できる表現です。
ついでに立ち寄ることを促す表現で、来るか来ないかは任せます、という意図を込めたい時に役立つフレーズでしょう。
例文
「お近くにお越しの際には、ぜひお立ち寄りください」
「お時間のある時にお気軽にお立ち寄りください」
(4)お待ちしております
相手に来てほしいことを丁寧に伝えるには、「お待ちしております」というフレーズを使うのも良いでしょう。来訪を心待ちにしていることを表現できます。
メールでも会話でも使用可能なので、覚えておくと役立つはず。
例文
「本日はご来店いただきありがとうございました。またのお越しをお待ちしております」
「近々お会いできることを、心よりお待ちしております」
「来てください」よりも丁寧な表現を覚えておきましょう
「来てください」は、丁寧な表現ではありますが、相手への敬意を示すには不十分です。
そのため、目上の相手に「来てほしい」というニュアンスを伝える際は、「お越しください」などの言い換え表現を用いるようにしましょう。
言葉を相手や状況によって使いこなせると、ビジネスの場での好感度がアップするはず。ぜひこの機会に覚えて、使ってみてくださいね。
(神戸 梛来)
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※この記事は2023年10月31日に公開されたものです