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「際しまして」の意味とは? ビジネスでの正しい使い方・例文・言い換え表現を解説

にほんご倶楽部

「際しまして」は、ビジネスシーンでよく使われるフレーズです。対面だけでなくメールでも使用可能なため、覚えておくと便利でしょう。今回は、「際しまして」の意味や使い方を解説します。

「際しまして」は、ある物事について伝えたい情報を追加したい時に用いる言葉です。

ビジネスシーンではよく使われるフレーズですが、意味をきちんと理解していない、使い方が分からないとお悩みの人もいるのでないでしょうか?

そこで今回は、「際しまして」という言葉について解説します。また、このフレーズを使う上で知っておきたい注意点も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

「際しまして」の意味

「際しまして」は「際して」の敬語表現で、ある物事について何らかの情報を追加する時に使います

さいして【際して】

[連語]《動詞「さい(際)する」の連用形+接続助詞「て」》
ある行為、事態にあたって。…の折に。「ご注文に―のご注意」

(出典:『デジタル大辞泉』小学館)

「際」は、とある行為やイベントなど「何らかの状況の折に」という意味を持っていて、「明日の会議に際しまして、必要な資料を送付します」といった形で使うことができます。

また、「ある物事や事柄に付随して」というニュアンスもあり、「明日の出張に際しまして、必要なものは以下の通りです」のように使用することも可能です。

「際しまして」はビジネスシーンで使える?

前述したように、「際しまして」は「際して」を敬語にした表現です。そのため、ビジネスシーンで使用して問題ありません

また、誰に対しても失礼のない言い回しでもあるので、目上の人だけでなく不特定多数の人にお知らせがある時など、幅広く使用することができます。

例えば、広く周知したい連絡事項をメールで一斉送信する時に「〇日の懇談会に際しまして、集合場所と開始時間をお知らせします」といった形で用いれば、必要な情報をスマートに伝えることができるでしょう。

「際しまして」の使い方【例文付き】

「際しまして」は、ある物事について追加で必要な情報を伝えたい場合に使う言葉です。

また、目上の人や不特定多数の人にお知らせしたい時に、誰が見ても失礼のないように使える敬語表現でもあるので、この言葉を知っておくと資料の作成やメールなどにも役立つでしょう。

さらに、会議や社内での行事といったイベントごとで必要な情報を伝えたい場面では、「〇〇の件ですが」と述べるよりも、より丁寧でビジネスにふさわしい表現になります

例文

「〇日の会議に際しまして、必要な資料を送付いたします」

「今回のプロジェクト開始に際しまして、連絡事項がございます」

「懇談会に際しまして、日時や集合場所が決定しましたのでお知らせします」

「際しまして」を使う時の注意点

ここからは、「際しまして」を使う時に気を付けたいポイントを紹介していきます。

ビジネスで定番のフレーズだからこそ、適切に会話や文章に取り入れていくことが大切ですよ。

(1)文章で多用しすぎない

「際しまして」は、「〇〇に際しまして、~です。そして△△に際しましては~」など、繰り返し使うことで冗長的な印象を与えてしまう可能性があります。

そのため、1つの文章の中で繰り返し使わないように別の言い換え表現を取り入れるなど、読みやすさや聞きやすさを意識した使い方が大切です。

実際に対面している時やビジネスメールで「際しまして」を頻繁に使うことは避けましょう。

(2)ビジネス文書では「際して」でもOK

文章が長くなる時や端的に連絡事項だけを伝えたい場面では、敬語表現ではない「際して」を使っても問題ありません

特に、ビジネス文書では短く簡潔な文章が求められるので、「際しまして」を「際して」にすることで読みやすくなるというメリットもあります。

その代わりに、続く言葉はしっかりと敬語表現になるよう丁寧な言い回しを心掛けましょう。

「際しまして」の言い換え表現

「際しまして」では文章が長くなりすぎてしまう時や、堅苦しい印象になりそうな場合は、類似表現を使うことでスマートに伝えられます。

ここからは、3つの言い換え表現を見ていきましょう。

(1)「にあたって」

「際しまして」をシンプルにした言い回しが「~にあたって」です。ある物事や出来事に対して追加したい情報がある時に使うことができます。

「際しまして」は話し言葉として少し堅い印象があるため、できる限りカジュアルな表現にしたい時に便利でしょう。

「明日の会議にあたって、〇〇の資料を用意してください」といった用事を伝える場面でも、必要な情報だけをすっきりと述べることができます

(2)「につきましては」

「につきましては」は、特定の物事について「〇〇は〇〇です」という説明をしたい時に使う表現です。

例えば、「先日発売した商品につきましては~」といった使い方ができます。

(3)「折に」

「折に」は、「~の時に」「~の機会に」との意味で使う言葉です。

「こちらへいらした折には、ぜひお立ち寄りください」といった、「その機会が訪れた時にしてほしい」という、特定の状況になった場面での要望を伝えられます。

「際しまして」は連絡事項を伝える時に使える言葉

「際しまして」は、「イベント開催に際しまして、〇〇についてご連絡いたします」といった特定の物事について必要な情報を付け加えたい時に使う言葉です。

ビジネスシーンでは、「については」と述べるよりも、しっかりとした丁寧な敬語が求められる場面で活躍します。

ビジネスメールやお知らせの文書でも「際しまして」を使う機会は多いため、ぜひ使い方をマスターしておきましょう。

(にほんご倶楽部)

※画像はイメージです

※この記事は2023年10月27日に公開されたものです

にほんご倶楽部 (敬語・ビジネス用語専門編集プロダクション)

いつも使っているけれど間違った認識も多い「敬語」や「ビジネス用語」。人にはなかなか聞けない常識から応用編まで、日本語に関する情報を発信。

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