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退職の伝え方のポイントとは? 円満退職するためのコツを解説【例文付き】

誰しも退職は円満に済ませたいもの。そのためには、どのような伝え方や切り出し方がベストなのでしょうか。今回は、退職の意向を伝える際のポイントや、理由を述べる時の例文を紹介します。

退職は人生の分岐点でもあります。しかし、次のステージへ出発する前に、まずは今の会社へしっかりとその意思を伝えなければなりませんよね。

そこで今回は、円満に退職の意向を伝える方法やポイントを紹介します。どんな伝え方・切り出し方がベストなのか、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

退職は直属の上司に伝える

退職を決意したら、まず直属の上司に伝えましょう。部署内に複数いる場合は、普段から報告や連絡をしている相手が「直属の上司」となります。

また、小規模な会社の場合、直属の上司が社長となるケースもあるでしょう。その場合は、社長に直接伝える形で問題ありません。

退職を伝えるタイミング

相談する直属の上司を決めたら、今度は退職を伝えるタイミングです。

とはいえ、何も考えなしに「退職を考えています」と切り出すのは好ましくありません。

ここでは退職を伝えるのに最適なタイミングを紹介します。

(1)前もって上司にアポを取る

まずは、上司の空き時間を尋ねてアポイントを取りましょう

廊下で上司と出くわしたタイミングで「今良いですか?」と言うのは、さすがに失礼にあたります。大事な話だからこそ、きちんと時間を割いてもらうことが大切。

アポ取りの際は「退職の話をしたい」と述べるより、「ご相談したいことが……」と切り出し、相手の都合を確認するだけにとどめておくのがポイントです。

(2)繁忙期・人事異動の時期は避ける

大切な話とはいえ、会社の決算期や締め日付近、人事異動が控えている時期など、繁忙期の相談は避けるのがベター

時間帯についても、始業直後や終業間際は上司もさまざまな対応に追われている可能性が高いです。

ゆっくり話ができるよう、上司のスケジュールには気を使いましょう。

(3)1~3カ月前に退職の意向を伝えるのが理想

引き継ぎや会社の決定などを考慮して逆算すると、 1~3カ月前に退職を伝えるのが理想。「明日退職します」などは、無責任な印象を与えてしまうので避けましょう。

また、会社によっては「退職する場合には2カ月前までに退職の申し出をする」などの就業規則が定められている場合もあるので、事前に確認しておくと安心です。

退職の伝え方・切り出し方のポイント

ここでは退職を伝える際や切り出す時のポイントを紹介します。

(1)メールや電話で伝えるのは避ける

退職の相談をすると、引き止められたり、ここぞとばかりに上司から嫌味を言われたりするのでは……と悪い想像が働いてしまう人も少なくないでしょう。

そうなると直接伝えるより、メールや電話で手短に済ませた方が良いのではと思うかもしれませんが、円満退職を望むならこれらの方法は避けた方が無難です。

会社全体に関係のある大事なことだからこそ、きちんと面と向かって話をしましょう。

病気などの特別な理由がある場合は、直接会えない旨を伝えた上で、退職の面談を切り出すのがおすすめです。

(2)2人きりになれる個室で話をする

退職の話は会社全体の問題ではありますが、他の同僚の目に入るような場所での面談は避けるようにしましょう

他の社員が動揺するのを防ぐためというのが主な理由ですが、退職の意向を伝えたからといってすぐ会社を辞められるわけではありません。

引き継ぎなども考慮した上で後日決定となる場合が多いため、できるだけ周囲に知られないよう、個室を選んで相談するようにしましょう。

(3)退職する決意を伝える

退職を切り出す際は、自分の決意をきちんと上司に理解してもらいましょう。

いきなり本題に入る前に、最初に「お時間をありがとうございます」と自分のために時間を割いてもらったお礼を伝えるのも忘れずに

「考えている」「検討中」などの曖昧な伝え方は、退職を延期にされたり、引き止められたりする恐れがあるので控えましょう。

(4)退職日を一方的に伝えない

退職日の希望はあると思いますが、自分の考えを一方的に押し通すのは好ましくありません

要望として伝えるのは良いとしても、引き継ぎや事務手続きの関係もあるので、希望通りにならない可能性もあります。

もし次の会社での入社日が決まっている場合は、「〇月〇日に入社日が決定しております。申し訳ございませんが、引き継ぎを行った上で△月△日をもって退職をさせていただければと思います」と伝えるのがベターです。

(5)会社の不満は言わない

円満退社を望むなら「残業が多い」「人間関係が悪い」など、ネガティブな退職理由は極力言わないのがポイント

不満を改善するから辞めないでほしいと引き止められたり、揉めたりする可能性があるからです。

もし退職理由がネガティブだとしても、正直に全て話すのは避けましょう。もちろんうそは良くないですが、円満退職のためにポジティブな理由を用意しておくのがおすすめです。

(6)最後は必ず感謝の言葉で締める

退職の意向をきちんと伝えきることができたら、最後は今の会社でお世話になったことなど、感謝の言葉を述べるようにしましょう

とはいえ、上司も忙しい中で時間を割いてくれているので、ダラダラと話さず手短に済ませることも忘れずに。

退職理由の最適な伝え方【例文付き】

誰しも退職は円満に済ませたいもの。

そこで大事になってくるのが退職理由です。上司が納得できる理由があってこそ、話は円満に進みます。

切り出し方としては、いきなり本題に入るのではなく「突然で申し訳ありませんが」のワンクッションを入れるようにしましょう。

ここからはいくつか例を紹介します。

例1:チャレンジしたい業界がある

今の仕事とは違う分野に挑戦したい、もしくは前から興味がある会社への内定が決まった場合におすすめの切り出し方です。

「現在の仕事とは違う分野に挑戦したい気持ちがあり、今回退職を決意しました」

「これまでの経験を生かして起業することになり、退職の決意に至りました」

「この会社でシステム開発について学ぶうちに、自分の力を試してみたい思いが強くなりました」

ポイントとしては、転職先を聞かれても企業名は言わないこと。機密事項や知的財産流出を懸念されかねないので、競合他社であれば特に言わない方が良いでしょう。

例2:家庭の事情でやむを得ず

結婚や出産、家族の介護、引っ越し等でやむを得ず退職をする際の切り出し方です。

「家業の手伝いが必要になったため、実家に戻ることを決意しました」

「夫の転勤に伴い引っ越すため、やむを得ず退職の決意に至りました」

「このたび、結婚することになり退職を決意しました。当面は家庭のサポートに専念したいと思います」

中には「うちは家庭の事情と両立しやすい環境を整えているよ」と引き止められるかもしれません。その場合でも、現状をしっかりと説明し、納得してもらえるようにしましょう。

例3:病気でゆっくり療養することになった

働きたい気持ちはあるが、病気の治療に専念したい時の切り出し方です。

「何としてでも仕事を続けたい気持ちはあるのですが、治療を優先させなくてはならなくなったので、一旦退職という手続きを取らせてください」

「体調が思わしくなく、このままでは業務に支障をきたすと思い、退職の決意に至りました」

「一度会社から離れてしっかりと静養を取らせていただこうと思っております」

病気が仕事に影響を及ぼしてしまう可能性があることを丁寧に伝えましょう。

また、会社によっては診断書の提出を求められる場合もあります。就業規則に記載されているケースもあるので、病気を理由に退職する際は事前に確認しておきましょう。

退職を引き止められた時の対応方法【状況別】

退職の相談をしたものの引き止められてしまい、スムーズに話が進まないケースも存在します。

ここからは状況別で対応方法を見ていきましょう。

(1)昇給・昇格を提案された場合

「君がやりたがっていたプロジェクトを任せようと思っていた」「来月、昇給の査定がある」など、都合良く引き止めようとするケースは少なくありません。

しかし、それは上司の個人的な意見であるケースが多く、確約事項ではない可能性が高いです。甘い言葉に期待せず冷静に判断しましょう。

(2)情に訴えてきた場合

「ここまで頑張ってきたのに」「あんなに○○さんにお世話になったのに」など、情に訴えてくる場合もあるでしょう。

今までの努力や成果を振り返ると、迷いが生じるかもしれませんが、ここでも冷静な判断を失ってはいけません。なぜ自分が退職したいのか立ち返ってみて、きちんと意思表示をすることが大切です。

(3)突然辞めるのは迷惑だと言われた場合

「同僚や先輩に迷惑が掛かる」「今は人がいない」など、遠回しに迷惑だと言われるパターンも数多く存在します。

その場合は、退職日を2週間なら延ばせるなど、こちらから妥協点の提案をしましょう。ある程度の協力はできるが、退職についての決意は揺るがないとハッキリ伝える姿勢が重要です。

(4)給料や退職金を払わないと言われた場合

まれに最後の給料や退職金を出さないなど、強硬手段を取られるケースがあります。

相手の発言には動じずに、就業規則にのっとって正しい手順で退職手続きをしてもらうよう、毅然とした態度で対応しましょう。

場合によっては、別の上司や人事部などに相談することも視野に入れても良いかもしれません。

(5)もう少し待ってほしいと言われた場合

もう少し待ってほしいと引き止められた場合は、「もう少し」とはどれくらいのことを意味するのか確認した上で、最終出社日の希望を伝えましょう。

転職の場合は入社日が決まっていることや、家庭の事情の場合には引っ越しのスケジュールが決まっているなど、予定をずらすのは困難だとハッキリ伝えるのがポイントです。

同僚に退職を伝えるタイミングは?

一緒に苦楽を共にしてきた仲の良い同僚であっても、直属の上司より先に相談するのは控えましょう。

順番としては、上司に相談して、退職の日程が決まってから伝えるのがベストです。上司にはいつ同僚に知らせるべきかタイミングを相談しておくと良いでしょう。

自分のことだからといって、不用意に周りに相談するのは好ましくありませんので、注意が必要です。

退職を伝えた後の行動

退職が決まったからといって気を抜くのは厳禁です。退職日を迎えるまで、自分の仕事は最後までやり遂げましょう。

ここでは退職を相談した後の行動について解説します。

(1)退職届を提出する

後々のトラブルを防ぐためにも退職届を提出しましょう。これも会社を円満に退職するための大事なステップとなります。

就業規則に「退職の申し出は書面で」と定められているなら、口頭ではなく書面で提出するようにしましょう。

理由は「一身上の都合」で問題なし

退職届には理由を具体的に書く必要はありません。会社で決められた書式があればそれに沿って書きますが、基本的に理由は「一身上の都合」で問題ないでしょう。

(2)十分な引き継ぎをする

退職届を出して終わりではありません。最終出社日まで責任を持って業務を遂行しましょう

会社を去るその日まで、その企業の一員であることを忘れてはいけません。

円満退職するには伝え方がポイント

円満に退職できるかどうかは、伝え方1つで変わってきます。

決して難しいことはなく、上司への気遣いや、自分の言動に注意するだけで、印象も異なるはずです。

今回紹介した伝え方のポイントを参考にして上手に退職の意思を伝えれば、今の職場の人たちも快く送り出してくれるでしょう。

(律)

※画像はイメージです

※この記事は2023年10月13日に公開されたものです

猫とリラックマと読書が好きなフリーランスライター。1日1冊とまではいかないが、3日に1冊ペースで本を読む読書好き。
好きな小説家の影響を受けて、仕事の合間に小説を書くようになる。過去に応募した小説コンテストでは受賞歴もアリ。
20代の頃は恋愛をこじらせたことも多々あったが、現在は結婚してだいぶ落ち着き、湖の近くの家で静かに夫婦暮らしを満喫している。

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