【第7話】失踪した母が登場! 衝撃の理由とトンチキアクセル大全開のスラム江の島
恋愛・婚活コラムニストのやまとなでし子さんが、月9ドラマ『真夏のシンデレラ』(フジテレビ系)を毎週考察&展開予想するコラムです。真夏の海で運命的に出会った男女の恋愛群青劇を描く同作。学歴も環境も異なる彼らにこの夏、一番の恋の予感!? 8人の男女が真夏の海で織り成す恋愛模様を考察します。
※このコラムは真夏のシンデレラ7話までのネタバレを含んでいます。
新たなモンスター登場。借金金コマクズ母
夏海(森七菜)達の元に、7年前に出て行った母(横山めぐみ)が現れます。父(山口智充)とはたまに連絡をとってはいたらしいのですが、音信不通の親が突然現れる理由ってただ1つですよね。と嫌な予感は的中。そう。金です。
もちろんその目的を腹に隠し、7年前に失踪したことを大して悪びれる様子もなく、会う人会う人を懐かしみ、一人勝手に江ノ島同窓会を楽しむ母。もはやトンチキという表現では収まりきらないモンスターが登場しました。
てっきり、夏海に家事や店のこと全てをやらせて、父や弟が自由に生きているように、母も全ての負担を背負うことに嫌気が差して逃げ出したんだと思っていたら、母親自身にも問題がありそうですね。
人はいいけど、働かない。働いてもろくに仕事ができない、夏海におんぶに抱っこの父親と、自分勝手に家を出て子どもは放置、帰ってきたと思ったら借金抱えて金の無心という自己中心的な母。地獄のような家族構成で、夏海に同情を禁じ得ません。
性格がいいという、父のいいところだけを受け継ぎ、真面目な働きものに育った夏海。トンビが鷹を産んだようなものです。奇跡。
7年間放置した娘の彼氏に金の無心をする女
Kohola食堂に金の匂いが一切しない、と夏海達のお金の無さを感じ取った母は、直接金の無心をすることを諦めます。そして瞬時に作戦変更。夏海の彼氏であり、東大卒エリートと情報を得た健人(間宮祥太朗)に近づくのです。
7年も失踪してたくせに「あなたと夏海じゃ釣り合ってない」と、突然母親ヅラして夏海の恋の邪魔をするわ、初対面の娘の彼氏に「借金あるの。お願い、なんとかしてくれない?」と金の無心を始めるわで、トンチキアクセルをぐいぐいかけてきます。
お前の存在がもう交際の邪魔だよ! という衝撃行動でしたが、きちんと健人がお断りしてくれてホッとしました。
借金の金額も使途も不明なので、母親に同情のできる情報は一切なく、ただただこのスラム江ノ島の地獄が極まっていきます。
実際の江ノ島の印象が悪くなりそうなほど、ヤバい人を煮詰めて厳選したような数々の強キャラの登場っぷり。しかし、もうこのトンチキがないと刺激が足りない体になってきました。前5話の妊娠もかなり刺激的だったので、大きな事件がない6話とか、物足りなさからトンチキ禁断症状出ましたもん。
自然と体がトンチキを求めてしまっています。なんだこの中毒性。恐ろしいドラマです。
地獄を極めるクソババアと、しっかり餌付けする夏海
これで安心するのはまだ早い。なんとこのクソババア、店のレジのお金抜いてやがりました。
「お金借りたかったけど店に貯金なさそうだったから(無心するのやめた)」と健人に言っていたくせに、夏海達にお金がないのを分かっていながら、勝手にお金を抜いて消えようとしてたとか、どんな心境で行動に移しているのでしょう。残された夏海達の気持ちや生活、全てを無視していないとできません。あまりに自己中心的すぎます。
そして不幸にもそれを目の当たりにしてしまった夏海。
加えて、お金のために戻ってきたことをバカ正直に話すバカ親。夏海がそれを聞いてどんな気持ちになるか、想像力も働かないのでしょうか。
しかし「ごめんね、これだけしか渡せない」とババアに金を握らせる夏海。こんなん優
しさなんかじゃありません。ただの餌付けです。こういうクズはお金を一度渡したらまた来るんですよ。渡さずにきっぱり決別した方が良かった。健人と結婚するようなことがあれば、また夏海に狙いを定めて無心してきそうで恐ろしいです。
「(母が)帰ってきた理由は海斗やお父さんには言わないで」と家族が傷つくことだけは防ごうとする優しい夏海。でも夏海は優しすぎて、搾取されているように見えてしまう場面が他にもたくさんあります。いい子だからこそ、なんだかもどかしい。優しさの中に、厳しさも持ってほしいものです。ただの優しいとお人好しは違いますから。
子どもに会いたい気持ち<<金
お母さんが突然出ていって7年。「お父さんとお母さんが大切にしていた店だから」と、ほぼ一人で食堂を切り盛りし、店を守り、家族を支えてきた夏海。
そんな中、母が帰ってきて「自分を必要としてくれて戻ってきたのかも」と期待していたら、必要としていたのはお金だけだった。こんな辛いことあります? 考えなしな母のあの発言の数々は、7年間の夏海の頑張りと想いを踏みにじったようなものです。
夏海母に違和感を持った匠(神尾楓珠)が、夏海が抱えてきた思いや苦労を全部代弁してくれたことで、多少は報われたのではないでしょうか。しかし、夏海母はあまりその言葉の重みを理解していないようでしたが。
匠「なんで今更会いにきたんだよ」夏海母「親が子どもに会いたいって思う気持ちに、それ以上の理由はないんじゃない?」とか、なんの罪悪感もなしに言い放ちながら、それ以上の「金が欲しい」という気持ちに駆り立てられて来てるんですから、真夏のホラーです。
夏海の気持ちを丁寧にほどいてさらけ出してくれた健人
夏海はお父さんにも海斗にも言えず、一人でその辛さを抱えていた中で、健人が支えてくれる存在になって本当に良かった。
どんな時も笑顔で、元気に振る舞っていた夏海が、初めて涙した今回。気丈に振る舞う夏海の気持ちを丁寧に紐解いて、本音を出していいのだと、健人は夏美に教えてくれました。
健人も底なしの優しさの持ち主です。これからも健人の懐に大きく飛び込んで、抱えてきた肩の荷を少しずつ下ろしてほしいものです。
健人仕事サボってる……よね……?
母からの怒られが発生したはずの健人は、まだ懲りずに江ノ島に居座っています。
おかんが心配するくらいなんだから、「これだからジュニアは」と悪態をついていた部下達もなおのことでしょう。とにかく健人の社内の立場が心配です。
それどころか、日中、海斗(大西利久)の家庭教師まで始め、理沙(仁村紗和)の息子がいなくなったとなれば探し回る。これ全部、休日の出来事だよね? といちるの望みをかけたものの、仕事の電話が入っていたので平日……ですよね……? え、時間休? めちゃくちゃサボってるじゃん……仕事して。
これが、親の敷いたレールを外れるということなのか……? 江ノ島に居座ることで母がいい顔をしないのであれば、健人自らが望んでやっていることでも、夏海の印象まで悪くなってしまいかねません。
夏海と付き合えたんだからとにかく一旦落ち着け。江ノ島は土日に来なさい。そうすれば誰からも文句言われないから。
順番を踏みたい童貞、順番をすっ飛ばす
空気の読めない童貞・修(萩原利久)の失敗をフォローしに愛梨(吉川愛)のもとに行く守(白濱亜嵐)。
本来は恋敵のはずなのに、愛梨の幸せを願い、修のフォローをしてあげるなんて、なんていいやつなんでしょうか。どうか司法試験に合格して幸せになってほしい。誰も渡す様子がないので、合格祈願にマーガレットの花束を渡しに行きたい。都内どこ住み?
それを経て、修の童貞心を理解した愛梨は、「教えてほしい。どういう順番がいいのか」と尋ねます。そこでまたバカ正直に「まずは3回のデート。それを経て告白。交際して1回目で手をつなぎ、2回目でキス。5回目で夜を共にする」とか事細かに語ってくれるのかと思いきや、「俺と付き合ってほしい」と一言。
二人でまともなデートをしたことないので、まずはデートからだとばかり思っていましたが、一気に順番をすっ飛ばした修。さすが、童貞なだけに正統派の順番も分からないのでしょう。
でも本当に恋って突然始まるものですね。愛梨が修のコミュニケーションを完全に理解するのはまだまだこれからですが、このかわいらしいカップルはこれからどうなっていくのか、楽しみです。
次回は夏海に恋敵が現れるようです。健人は浮気も一切しないタイプに見えるので、安泰でしょうけど、果たして何が起きるのでしょう? また次回。
(やまとなでし子)
※この記事は2023年08月28日に公開されたものです