自身の成長を楽しむ『達成キャリ』。クアルトリクス合同会社・シマブクロ理歩さんの働き方
「バリキャリ」「ゆるキャリ」……女性の働き方って、本当にこの2つだけなの? 100人いれば100通りの働き方がある。一般企業で働く女性にインタビューし、会社の内側や彼女の働き方を通して、読者に新しい働き方「○○キャリ」の選択肢を贈る連載です。
取材・文:ミクニシオリ
撮影:三浦晃一
編集:錦織絵梨奈/マイナビウーマン編集部
帰国子女って、なんだかうらやましい響き。日本以外の環境で育った人々は、やっぱりキャリアの築き方も私たちとは違うのでしょうか。
「人によると思いますけど、全然そんなことないですよ!」
と、明るい笑顔で語ってくれたのは、ハワイで育ったシマブクロ理歩さん。両親の仕事の都合により海外で育ったものの、日本での暮らしに憧れて、進学先に日本の大学を選択。
そんな彼女が就職先に選んだのは、顧客や従業員の「エクスペリエンス(体験)」を管理するITツールを、国内外1万8000社以上に提供する『クアルトリクス合同会社』でした。
日本に上陸したばかりの外資系企業で初の新卒社員として入社後、若手リーダーとして活躍しているシマブクロさん。ユニークな経歴を活かして入社した会社で彼女が追求したのは「若いうちから何かを成し遂げること」でした。
就活時点ではやりたいことが見つからなかったという彼女が、仕事を通して見つけた「自分らしいキャリア」の築き方とは?
自分から手を挙げて「日本法人で一人きり」の業務に従事


私の就活の軸は「若いうちから何かを成し遂げることができる会社に入社すること」でした。
というのも、その時の私には、本気で取り組みたいと思える領域がまだ見つかっていなかったんです。熱意が足りず、就活は一時難航してしまいましたが、その時「やりたいことが見つかっていないからこそ、チャレンジをさせてくれる企業に入りたい」と考えました。




入社から1年半はプロダクトスペシャリストとして、お客さまに提供している製品の技術サポートを主の業務としていました。クアルトリクスに入社する多くの海外の新卒社員はまずプロダクトスペシャリストを経験し、約1年半後に興味のある部署に異動するプログラムになっています。
そこで私が選んだのが、カスタマーサクセスという職種でした。プロダクトスペシャリストの時は、お客さまからのお問い合わせに一件ずつ対応していたのですが、似たようなお問い合わせが多いことに課題を感じていたんです。
そこで、カスタマーサクセスとして、日本語版の製品トレーニングサービスの業務に携わりたいと考え、実際に私が中心となって、コンテンツを完成させました。というのも、この業務を主にしているのが、日本法人では私だけなんです。


主で業務に当たっているのは私だけなのですが、アメリカ本社など、海外には私と同じ職種で、似た業務をこなしているメンバーがいるので、世界のメンバーとやり取りをしながら仕事を進めています。
日本法人内でも相談に乗ってくれるメンバーがいるので、分からないことは周りに確認しています。もともと、人に相談するのがあまり得意ではなかったのですが、仕事をし始めてからは助けを求めないとむしろ失敗すると考えるようになりました。けれど、プロジェクトの舵を握っているのは私なので、一つの案件が無事着地した時のうれしさは大きいですね。
成果を得て感じた、働く喜び


幼い頃から過去に残した成績と比較してしまう癖があったのですが、仕事を始めてからは「今の自分が好き」と思えるようになりました。
社内外に対し、トレーニングイベントの告知やニュースレターを送ることもあるのですが、お客様や社内のメンバーに「助かりました」と言ってもらえる時が、最も仕事のやりがいを感じる瞬間です。自分が発案し、行動したことで、誰かに感謝されるのはうれしいものですね。


会社で関わるメンバーたちの人格がすばらしいからかもしれません。私の業務では「何が分からないのかが分からない」「分からないことを誰に聞けばいいか分からない」というトラブルもよく発生するのですが、関わるメンバーたちが全員、親切なんです。
分からないことが出てきたら、誰かのデスクに行って質問をするのですが、作業を止められて嫌な顔をする人はいません。「そのことなら、あの人が詳しいと思うよ」と別の人を紹介してくれることもありますし、私とは全く違う案件にあたっているメンバーでも、時間をかけて情報を共有してくれることもあります。
メンバーたちは会社の成長という同じ目標を共有しているので、メンバーや事業の成長に繋がることであれば、業務をまたいでも深く交流してくれます。


「成し遂げた」経験から見えた、自分らしいキャリアの軸


アメリカなど、時差がある国とのミーティングが入っている日は、夜帯に仕事をする日もあります。けれど、自分で予定を調整できるので遅くまで働いた次の日は遅めに出勤していますよ。
人と交流するのが好きなので、休日はよく友人と食事に行きますし、1人でジムに行ったりもしています。休日はメッセージアプリも見ないようにしていますし、ワークライフバランスも6:4くらいで無理なく楽しめていますね。


日本にいても世界のメンバーと交流していますし、特にどうしても海外が良いとは思っていません。日本で働くことを考えたのも、育ったハワイの物価が高すぎて、そこで自分がずっと生活し続けていく想像がつかなかったことも一つの理由なので……。
安全で食事のおいしい日本はとても良い国ですし、運命的な出会いがなければ日本に住み続けると思います。


これは社会人になってから見つかった軸なのですが、新しいものを生み出せることを続けていきたいと思っています。
会社に入って初めて成し遂げたことは、プロダクトスペシャリストの時に、私が中心となって東南アジア言語でのサポートページを作ったことでした。ページが完成した時は本当にうれしくて、自身の成長だけではなく、自身が頭の中で構想していたことが形になる喜びも感じました。
今後も、自身が舵を取りながら成長を楽しめる仕事、そして生み出す喜びを感じる仕事を続けていきたいですね。
※この記事は2023年08月15日に公開されたものです